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柴田(健)
分科員 これは
自治省の
市町村に対する指導、また都道府県の指導が悪いのかいいのか、どうも基準どおり足並みがそろってない。基準
財政需要額で必要な
経費を認めておる。そのとおりに使ってないですね。
それから形式でこれだけの
財政措置はしてあります、こう言うけれ
ども、
市町村長の頭においていろいろ
交付税の使い方はばらばらだ。この点で
消防に対する認識が上から下まで余り十分でないということが言えるわけですね。いまあなたは、出る
地域と出ない
地域、要するにまじめ、ふまじめというか、そういうものもある、こう言われたが、私はそういう考え方はちょっとどうかと思う。
消防の仕事は二つある。どちらに重点を置くか。
一つは、災害予防
計画に基づいてやる仕事、もう
一つは、災害の応急対策という面についての任務というか、二つについて、どちらに
消防庁は力を入れておるのか、
自治省は力を入れておるのかということから、われわれはできるだけ災害が起きない方がいい、そうすると、災害予防
計画に基づいて徹底的訓練が必要だ。昔の
消防とは違って、いまのは高度な技能の問題、そしてまた技術訓練、そして実地訓練というように、予防訓練が非常に多い、昔と違っておりますから。訓練はやはり出動の率が高い時間を割いてやるわけですね。たとえば夕方やるとか、また夜やるとか、休みの日にやるとかということで、災害の応急対策については、災害が現実に起きた時点では出動員が勤める場所があったり、交通の関係で帰ってこれなかったりして、平素何としても災害が起きない方がいいわけですからね。そういうことから考えて、われわれの
市町村の
消防団の立場から言うと、予防
計画に力を入れておるわけですから。予防
計画はやはり訓練の出動が多いということですからね。だから出動手当においても、基準を三千円から新たに五百円上げる。二千九百五十円、今度は五百五十円上げて三千五百円ということになるわけですね。三千五百円まるまる出している
市町村は
一つもありはしないのだから、正直言うて。われわれも出動手当をもらったことがないわけですから。われわれは団長をしておりますが、年間七、八十回出る、正直言うて。それはもう二十四時間勤務ではないから、三時間出る場合も二時間出る場合も六時間出る場合も、いろいろ時間的には制限は少ない面と多い面がある。出動回数からいうと、年に七十回か八十回出るわけですが、それで四万六千円の手当も一銭ももらったことないですけれ
どもね。われわれが言わなくても、やはり末端の幹部なり団員というものは、
消防に対して社会的に非常に冷たい目で見ておるというのはだれしも認めておるわけですね。もう少し社会的に地位を向上させるためには優遇措置もしてやるし、またそれぞれの表彰の枠でも増大をしてやる。いろいろ手があると思うのですね。それを
自治省の方は、
消防庁の方は公式論的で形式論的に他との均衡論で、表彰の枠もどうだったとか、こう言うて切り離してしまおうとする。そういうやり方をしているところに、ぼくは
消防に対する認識が非常に欠けておる。だから、この点は
大臣は十分認識しておいていただきたい、こう思うわけであります。
だから、私は
消防力の強化で
消防庁の
予算、しかも人口一億一千万、そして膨大な国家
予算の四十二兆五千八百億の新年度の
予算の中で、そして日本列島はどちらかというと災害が多い国で、もう少し
消防力の強化ということに力を入れたらどうかという気がするわけですね。
市町村だけに任していくものではない。国が、それだけの災害対策
基本法という法律があるわけです。ことしの
予算を見ると、二百十二億円余り、もうダム
一つの
建設資金にも当たらないような、それで
消防に一生懸命力を入れておりますと言う。
施設強化というのは、ぼくは理解できないので、これからいまのような、私は思うのは現行の制度ではミニ防災センターというものを近ごろ考えてちっちゃな本当にミニなやつをやっているのですね。これも役に立たないことはないけれ
ども、
施設強化の面から見ると、もう少し大型のをやったらどうか。それで
消防の任務と上の省の縦割りの機関から言うと、たとえば山林火災はどちらかというと農林省、林野庁の任務なんですね。それから水防は
建設省の担当ですね。それから
建設省は本気でやっておるかというと本気でやってない、みんな
消防団にぶちかけてくる。それから
消防庁の方はどちらかというと建物火災が中心になっている。それから山崩れだとか豪雪だというと、これは国土庁の任務なんですね。上の方はそういうばらばらに権限を持っておるのだけれ
ども、下に使われるのは同じ人間が動くわけですね。たとえば水害がある、後始末をする、それで伝染病の予防対策上で消毒液をまく、これはもう厚生省の仕事になっておるのですね。それから災害救助法を発動されたらこれは厚生省所管。それで全部
消防が手助けをしなければならない。こういうぐあいに上の方の省はそれぞれの権限で制度的に分離されている。ところが、末端は、一人の人間があれもこれも使われてくる。それだけに仕事も多いし、いろいろな面で、
消防力の強化と言うが、そういうもので十分しておかないとどうにもならぬのではないかという気がするわけですね。どちらかというと、瀬戸内海、山林火災が近ごろ非常に多いのです。それは松枯れというか、マツクイムシで山が青い山脈から赤い山脈というか、火がついて焼けたら黒い山脈、こう言われておるのですが、火が山に入ったらなかなか消えない。山林火災については依然として人海戦術をとられている。日本は人口密度が高いですから、どうしても人家を防ぐためには、少々山が燃えてもしようがないのだ、こういうことで、人家、人命の方ということでそれに集中的にやると人手がない。いま一
市町村幾らと定数で決められていますから、これは建物の面積からいって
消防ポンプの台数に合わせて定員を決めてありますから、山林の面積がどうであれ、そんなことはお構いない。それから山林をたくさん持っている町村ほど、まさか山林火災が起きた時分には人海戦術がとれないという、そういうことがいま現実の姿だ。これをどう防ぐかということは、やはり
市町村だけの力ではもうどうにもならない。だから、私は、ミニの防災センターの設置もそれは大事かもしれないけれ
ども、もう少し大型の防災センターをつくるべきじゃないかという気がする。ぼくは瀬戸内海、特に山を守らなければならぬという立場から言うと、岡山県には水島の
石油コンビナートもある。それから四国、中国——
自治大臣、徳島の出身だから熱心になってもらいたいと思うのですが、中国、四国、あの瀬戸内海の風光明媚な山が皆焼けるということは大変なことだと思うのですね。山林火災なり
石油コンビナート、そうしたあらゆる面の非常に多様化した時代を迎えておるわけですから、それに対する防御措置という防災
計画の中から大型防災センターというものをつくるべきだ。
自治大臣、岡山県にいま浦安の飛行場があるわけです、第三種の飛行場が。これも今度やめる。今度新空港をつくる。これはあの浦安の飛行場を国と中国、四国九県で、
一つはここで防災基地をつくる。そこには山林消火剤、ヘリコプターも置く。それから
石油コンビナートの消火液を備蓄するという、そういうセンターというものをつくったらどうかという気がするのですね。それは場所としては一番いいし、中国五県また四国も含めて、あの辺で兵庫県を含めて守れると私は思うのです。この間の山林火災は岡山県から兵庫県合計三百六十町歩焼けた
実態を見ても、もう少しヘリコプターで防災活動をやったら早く何とかなっただろう、われわれ専門的に見てそういう気がしたわけですね。とめられる方法がある、それをわれわれは考えて何としてもこれを提案をして、小さいミニ防災センターも必要だけれ
ども、大型のやつ、これは国が思い切って無線
施設も相当大幅にやったのですから、これも災害予防
計画の中で通信
施設なんかやったわけですから、そういうことでもっと大型のものをやったらどうか。
それから、岡山の浦安の飛行場は適地だ、こう思うのですね。そして、人は中国、四国の
消防署から一年ずつ一人詰めさせたらいい。無理になにをしなくても、一年交代で何人かずつ平素から訓練させておく。そういうことを考えて、何とかあの辺のコンビナートの防御措置をやる、山林火災を防ぐ、いろんな形でやった方がより効果的ではないか、こういう気がするのですが、
大臣どうでしょうか。これ提案です。ひとつ真剣に考えてもらいたい、こう思うのですけれ
ども。