○木下(敬)
分科員 民社党の大分出身の
木下敬之助であります。よろしくお願いいたします。
交通体系は、地域の振興や過疎
対策、観光資源の活用を図るなど、地域の産業経済及び地域
住民の
生活の基盤をなすものであり、地域社会の発展と表裏一体の関係として交通体系の整備は重要な意義を有しており、その改善が進められなければならないことは言うまでもありません。
九州地方の基幹的交通体系について見ますと、
新幹線鉄道は北九州市‐
福岡市間が営業されており、
福岡市‐鹿児島市間及び
福岡市‐
長崎市間については整備計画
路線となっております。高速自動車道についても、南北を結ぶ九州縦貫自動車道は、
福岡県、熊本県ですでに供用されており、宮崎、鹿児島両県でも一部で供用を見ている状況にあります。東西を結ぶ九州横断自動車道は
長崎県と佐賀県で工事が進められているものの、大分県では一部用地買収に着手している
程度で、全線開通にはなお相当の期間を要するものと思われます。
このように九州地方の交通体系の整備は、西九州地域はかなり進みつつありますが、これに比べ東九州地域は大きく立ちおくれており、九州地方の均衡ある発展を導くには東九州地域の交通体系の整備を特に急ぐ必要があります。
また、最近地方バス運行確保の問題及び国鉄地方通線の切り捨て問題が、地域
住民の
生活の足を確保する上から大きな課題となっています。
これより
運輸省に関連する事項について、質問及び要望をいたしたいと思います。
まず、地方バス
対策についてであります。
過疎地域における
路線バスは、深刻な過疎現象に加え、近年の自家用車の普及により、利用者が大幅に減少し、
過疎地を抱えるバス事業者の大半は
経営が著しく悪化しています。このため、バス事業者としては企業内の合理化を進めるとともに、不採算
路線を休止、廃止もしくは減便することにより、
経営体質の改善を図ってきています。しかしながら、利用者側から見たこのようなサービスの低下が自家用車利用に拍車をかけ、さらに利用者が減少する、それが減便、
路線休廃止につながるというような悪循環となっているのであります。そこで、自家用車を利用できる者はまあよいとしても、考えなければならぬのは自家用車を利用できない老人や児童、生徒のことであります。
これまで、このような
過疎地住民の足を確保するため、地方バス
路線運行維持
対策要綱に基づいて
助成がなされ、曲がりなりにも最低限の
路線の維持が図られてきたわけでありますが、このたびの
昭和五十五年度
予算折衝の中で、いわゆる第三種
生活路線に対する
助成については、継続はするけれ
ども三
年間に限るということになったと伺っております。これは、
過疎地域の
住民の足の確保について国は手を引くということ、何人かの者が利用していようとも、国はそんな
赤字過疎
路線は切り捨てるということの表明であると言えるのではないかと考えております。
八〇年代は地方の時代とか地方定住を進めるとか言ってはおりますが、地方
住民の通学等の
生活路線を一律に切り捨てることは、これらの目標に逆行するものではないでしょうか。
現在の平均乗車密度の算定方式が収入面から見た輸送量ベースでなされているために、たとえ平均乗車密度が五人未満の
路線であったとしても、学校統合等に伴う通学用に多数の小学生が定期券で利用している場合もあり、実際には相当多人数が利用しているということが考えられ、一律的な
助成廃止は非常に大きな問題をはらんでいると考えます。
私は、次の点について質問して、
運輸当局の御意見を伺いたいと存じます。
まず一点として、地方バス
補助制度のうち、第三種
生活路線の国庫
補助は、五十五年度から通学等社会的に必要な
路線でも一律に三
年間を
限度とするよう改めるのはどのような
考え方からなされるのでしょうか。とりあえずこれをお聞きいたしたいと思います。