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稲田(裕)
政府委員 ダムの
建設につきましては会計検査院からも御指摘をいただいたわけでございますが、いずれにしましても、ダムによって水没する
住民の方々の
対策というのをやはり優先しなければならないということで、その
対策に時間がかかっているというダムが数例あるわけでございます。
いま御指摘の八田原ダムにつきましては、これは四十八年に実施
計画調査に入りまして、五十年に
建設事業に着手いたしておるわけでございます。このダムの補償につきましては、着手以来非常に熱心に水没
関係者との折衝を続けておりまして、現在までにすでに用地測量、物件測量を完了いたしております。そして五十三年九月九日には、水没
関係者と
事業の実施に伴う損失補償及び
事業の実施に当たっての基本的事項についての協定書を交換いたしまして、
土地の等級格づけ等の補償交渉を行っているという現状でございます。
この間、水没
関係者の
生活再建なりあるいは水源地域の振興を図るために、五十二年二月には水源地域
対策特別措置法に基づくダム指定が行われまして、また水没者の移転先の協議あっせん、巡回
生活相談等を行っておりまして、さらに国鉄の福塩線のつけかえルート等につきまして甲山町との打ち合わせを行いまして、五十三年七月には国鉄に委託して、ルート沿いの地質調査も進めておるというふうな
進捗状況に現在なっておるわけでございます。
今後の八田原ダムの進展のさせ方でございますけれ
ども、いずれにしましても、水没
関係者の理解を得て、私の方で補償基準を現在取りまとめておりますので、これを発表いたしまして、
関係者の方々と話し合いを進めましてできるだけ早く妥結を図りたいというふうに
考えておるわけでございまして、五十五年度の
事業としましては、つけかえの道路、工事用道路の
進捗とともに、用地補償を重点的に進めるという
方針のもとに、現在具体の詰めの作業に入っておるという状況でございます。
それから、灰塚ダムでございますけれ
ども、このダムにつきましては、水没
関係者の方が二百三十戸、そして二百十ヘクタールの良好農地がつぶれるということで、水没
関係者の
生活再建と
関連地域の
整備につきましてはいろいろな問題を抱えております。特に営農形態をどうするかという基本的問題につきまして、
地元関係者との
計画の
調整を図るということが非常に重要な課題になっておりまして、私
どもとしましても、営農
計画、代替農地等につきまして鋭意調査を進めておるわけでございますが、この調査結果と相まちまして、広島県でも進めておられる地域
整備計画との
調整を図りながら、全体としての村づくりをまずやるのが先決ではなかろうかというふうに
考えまして、今年度もいろいろと進めておるわけでございますが、来年度につきましてもこの
方針のもとに、主として
地元の営農
計画なり地域
計画のまとめに
努力いたしたいというふうに
考えておるわけでございます。
それから、下金田ダムでございますけれ
ども、このダムにつきましては、現在、
先ほどの
説明いたしました灰塚ダムとともに、すでに竣工しました土師ダムもございまして、三ダムがこの三次盆地周辺にできるわけでございまして、現在灰塚ダムは鋭意進めておるわけでございますが、下金田ダムにつきましても、四十七年の出水にかんがみまして、
計画として計上されておるわけでございますけれ
ども、これにつきましては、現在まだ予備的調査の
段階でございまして、なかなか、先生おっしゃるように
地元にも立入調査が困難だというような状況でございますけれ
ども、これにつきましても、できるだけ早く
地元の立ち入り等もいたしまして、調査の
促進を図ってまいりたい、かように思っておるわけでございます。