○堀
分科員 私は、この
防衛問題というのは、長く国会におりますけれ
ども、余り論議をしたことはありませんが、かつてこの
分科会で中曽根
防衛庁長官のときに一回論議をさせていただきました。きょうが二回目であります。
防衛問題は、率直に言って素人でございますので、その点はそういう
立場でお聞きをいただきたいと思うのであります。
いま小川委員が機密の話をなすっておりましたが、
防衛庁というところは、当然、機密があってしかるべきでありまして、私も、あの太平洋戦争のときには、海軍の軍医として駆逐艦に乗っておりました。暇なものですから、暗号の解読を手伝ってやって、いろいろと機密についての問題も
承知をしておるわけでありますが、機密はいいのですけれ
ども、
防衛庁のやる仕事の中には、自衛隊のそういう作戦行動とかなんとかというのは、まさにこれは、そういう機密を非常に必要とすることだと思うのですが、いろんな基地や何かがどこかにできるなどという話をひた隠しに隠している。それは、だれも知らないで隠しているのならいいのですけれ
ども、土地の買収の話をしたり、いろいろ話をする過程を通じて、その地域にはどうもここに何かができるのだろう、初めはそういううわさが流れていく、やがてだんだんそれがはっきりしてきて、これはどうもナイキの基地らしい、こういう話がその地域にかなり広がってきている、しかし、
防衛庁の方では、いやいや、それは全然私
どもは
考えておりません、こういうようなことでやっていらっしゃる問題を、ちょっときょうは取り上げたいと思っているのです。
ちょっと最初に
防衛局長にお伺いをしたいのですが、ナイキの基地というのは、どうやら、外国の飛行機が
日本の内地に入ってくる、何をする目的かは別としても、入ってきたら、それを攻撃する
ミサイルのようですね。私は、
日本がいま
考えておる仮想敵国ということを
考えながら、いま飛行機が恐らく偵察をするというのなら、何も低いところへ入ってくるわけでもないだろうし、このごろは偵察衛星なんというものもあるわけですから、そんな危険をやるわけではないだろう。そうすると、これは爆撃をやりにくるのかな、爆撃なんてものは、飛行機でそんなことをやれば、飛行機に乗ってきた爆撃機の連中というのは被害を受けるに決まっている。今後の戦争というものが、
核戦争の場合と通常兵器の戦争の場合と二つに分けられて、核兵器の問題になれば、いまのナイキの基地などというものは別に問題にならない、こう思いますから、中距離弾道弾にしろ大陸間弾道弾にしろ、
アメリカと
ソ連の距離というのではなくて、
日本の場合には近距離ですから、
核戦争のときにはこういうものは余り効果がない、そう
考えてみると、どうもこれは通常兵器による限定的な戦闘かな、こう思うのですけれ
ども、一体、
日本へ通常兵器による限定的な戦争なんということがこれから起こるのだろうか、こう
考えてみると、これから何か安全保障に関する委員会か何かできるようでありますから、そういうのができましたら、そういうところでいろいろみっちりと少し常識論の問題をやらしてほしいなと思っているのです。
〔横路主査代理退席、主査着席〕
専門家は専門家の
意見があると思うのですが、私、
防衛庁の皆さんを拝見しておりまして、いま事務次官をしていらっしゃるのは亘理さんですか、私がずっと足場にしております大蔵省の出身者ですね。いま
防衛局長の原さんも大蔵省の出身者、まあ私
どもと似たり寄ったりで、経済をやっている方が
防衛問題をやっていらっしゃる、大変結構だと思うのです。それはなぜかと言うと、そういうのは、
一定の常識の物差しでなきゃ判断できないというのが基本にあるからだろう、こう思っているのですけれ
ども、
長官も御出身は運輸省でございまして、余り
防衛には直接御
関係がない。言うなれば、常識の物差しで、
防衛庁における、さっき小川さんのおっしゃったシビリアンコントロール、まさに常識の物差しで御判断になるのだろう、これが私は、民主主義の政治の基本だろう、こう思っているわけです。
そこで、こう
考えてみますと、いろいろ問題が起こるようなことがなければ、ある地域に、ああいいですよ、ひとつそこへ基地をつくってもらって結構ですというふうな話になるのなら、私は何も言う気はないのですけれ
ども、実は近畿地区というのは、なかなかいろいろな事情がありまして、かつてここに能勢という地域にナイキの基地をつくろうと
防衛庁は
考えましたけれ
ども、ついにその反対に遭って今日それはだめになったと
承知しておるわけです。そういう問題を含めて、一体
防衛庁がナイキというのは何のためにつくろうとしているのかというのを、ちょっと最初に一言だけお答えいただきたいと思います。