○小沢(貞)
委員 気がついたときに戻しにくるのに対して親切にやっておくために、二千万も三千万も、恐らく四千万ぐらいあると思いますが、そんなものをマイクロフィルムに入れて保管しておくようなことをやる時間、そのための費用、一分間四十円かかるんですよ、郵政省の貯金は。それで十円か十五円忘れた人が取りにくるためにそれだけのことをやっておく方がいいか、そういう目でもって見なければならないということを申し上げているわけで、そういう意味においては、銀行においては百円から金利をつけるのに郵政省においてはたしか十円からつける。いまの時代にそういうことをやっておる。人を多くかけて
経済効果のないことをやっている。そういう意味で見直してほしい、こう言っておるわけです。
次に
通産大臣にお尋ねをいたします。
電力料金
値上げでどうぞ厳しく査定をしていただきたい。先般来、いろいろと御
発言がございました。それから税のことについては、野党
修正となかなか一致いたしませんでしたが、
お話しになるような税、こういうものは、なるべく
インフレの原因となる
電気料金に覆いかぶさってこないように、あるいは事業税等においてもそうだと思います。そういうことはぜひ厳しく査定をしていただきながら、私はだれからも提起されない重要な
一つの点を提起いたしたいと思います。
それは
電気を原料として使っている工場、最近の
言葉で
電力多消費産業、こう言うわけであります。具体的にいま一例を申し上げますと、たとえば亜鉛は、一トンの加工料といいますかそれが五万円、そのうち
電気料金が三万五千円、七〇%現在は製造コストの中に
電気料金が占めているわけですが、これを
申請どおりでなくて五割
値上げをしたならば五万四千円になって、もう一〇〇%以上に上がってしまって、これは完全につぶれであります。あるいはフェロアロイ、アルミニウム。アルミニウムは
電気のかん詰めと言われます。カナダやアメリカ等はキロワットアワー一円の料金であり一今度八円か九円、十円のものが四割、五割上がったら十数円になる。そして製造コストの中に占めている
電気料金のウエートは四割から四割五分、五割近く占めているわけですから、これが五割、六割上がったらもう壊滅的打撃であります。
電力消費が大変進んできた理由は何かというと、このお
手元に差し上げた一番終わりの資料をごらんになっていただきたいと思いますが、「最近の夏季需要
電力量」、夏
電気が不足してしまうということが
電力事情を悪化させる一番大きな原因でありますが、たとえば
昭和五十一年は百四・五億キロワットアワー、それが五十二年を飛ばして五十三年に来ると百九十一・九億キロワットアワー、つまり五十一年と五十三年の比では倍使っている。夏季に倍使っているわけであります。これが一番
電力の需給逼迫の原因でありますが、その下の注−一、注−二に書いてあるように、家庭用のクーラーとか扇風機とか冷蔵庫とか業務用の空調とか冷蔵庫とか、そういうものの需要がふえたがためにこれだけ
電気がよけい要るようになった、こういうことであります。夏のピーク時に必要だからというためにどんどん電源開発をしなければならないという直接の原因は、クーラーとかこういうものが一番の原因であります。
ところが、いま私が申し上げる
電力多消費産業というのはどういうようになっているかというと、一番前の表を見ていただきたいと思いますが、たとえばフェロアロイの
電力消費、生産、製品
輸入の状況、生産量ば
昭和四十九年が二百四十五万四千トン、五十三年は百六十五万トン、その右の
輸入量は四十九年は十七万三千トン、五十三年は四十六万六千トン、
輸入比率がもう三割近くまでふえてきているわけであります。したがって、フェロアロイが
電力をたくさん使っているから、それで
電気をたくさん必要とするような状態になったのではないわけであります。その一番下のアルミニウム、
電気のかん詰めと言われるアルミニウムの生産量は四十九年は百十一万六千トンが五十三年は百二万三千トンですから、凹凸はあるが大体同じでありますが、
輸入量は四十九年の約三十五万ドンから七十五万七千トンになって、
輸入率は二三%から四二・五%にふえておる。こういうことでありますから、
電力多消費産業が
電力をたくさん使うがために、夏のピーク時なりあるいはまた電源開発をしなければならないという原因ではないわけで、原因はほかにあるわけであります。
そしてついでに申し上げますが、この
雇用の状態を見ると、その一枚目の表ですが、フェロアロイの企業は従業員が、五十年三月が一万二千五百四十二人が五十四年には八千人。アルミニウムは、一番下の表の右側にありますが、四十九年は一万五千人がいまや九千人、こういう状態のときに、
値上げの仕方はどうなっているかということを次の表で見ていただきたいと思いますが、もう
輸入量がどんどんふえて
雇用がだんだん厳しくなって六割、五割減ってきている中で、
値上げの状態は、これはある製錬会社がモデルをつくってくれた表でありますが、六四・四%という、一番右の下に八
電力会社の総平均がありますが、大口
電力のさらに上の
電気を原料とするようなところの契約を需給調整契約制度というわけで、一番上に書いてあります。東北が八八、東京八〇、中部八〇、北陸七三、関西六九、中国九二、四国七五、九州七三で、七八・八%、これは約八割に近いわけであります。電灯の一番安いところは多分四割幾らの、どこか四国だか中国にあったと思いますが、それから比べると倍上げるような状態になっているわけであり、これでは
電力多消費産業は倒産、
雇用問題に爆発的に発展をしていくに違いない、そういうようにもういまから予見されるわけであります。
そこで私は、フェロとかソーダとか亜鉛とかアルミというものが
日本に初めて生産が始められた原因を
考えてみると、これらは豊富かつ捨てなければいけないような
電気があった、そういうことをもとにしたことが
一つの理由と、いま
一つは、アルミを国産でやろうというのは国防上、国家の安全保障上無理に無理を重ねてつくったわけであります。
以上、時間の
関係で私は私の方から言いたいことだけを申し上げましたが、
一つは、こういうように需給調整契約
電力という超大口の
電気を原料としている工場の上げ率を、これだけ上げたならば、これはもう壊滅的な打撃を受けるごとは明らかでありますから、これには何らかの政策料金を設けなければならないということが第一点と、
通産大臣にお尋ねをしますけれ
ども、
日本においてアルミというものがなくなってもいいか。食糧でさえ武器として使われるわけでありますから、アルミとかフェロとか、いろいろの発生の原因を
考えるならば、私は、国家として最低これだけは国内で生産をしなければならないという量があってしかるべきだ。そういうものの確保のためには国内の
電気料金でめんどうを見るよりほかに見ようがないわけであります。アメリカではキロワットアワー一円であります。
日本へ来れば、今度
値上がりしたら十五円なり十六円。さっき言ったように人員は減っているわけでありますから、どれだけ企業努力をしてももう間に合わぬ状態でありますから、その二点について、
一つは政策料金、
一つは国内でどういうようにこれらのものは最低確保しなければならないか、私は、国家の安全保障上の問題もかかっているのではないか、こういうように
考えます。