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大出委員 いや、
会議に出席してないのは知っておりますが、役職をといま承ったのでございますけれ
ども、時間がかかりますから……。第三回の日韓閣僚
会議で全面協力の約束ができて、第四回の日韓閣僚
会議で借款が決定をいたしましたが、この約束のときには、
総理は御自分が通産大臣で、福田さんが大蔵大臣、愛知さんが
外務大臣で御出席をされておった、こういうわけであります。だから、私はこの前が大事で、この
事件について一番よく知っているのは
大平さん御自身じゃないかと思っているのですよ。ソウル地下鉄のときもあなたのいる前で質問したのだが、あなたはお答えにならないのだけれ
ども、私
どもにこう苦労させぬでも、
総理がここで言っていただければみんな片づいちゃう。
そこで、承りたいのでございますが、朝日新聞にも書いてありますし、その他の書籍にもたくさん書いてありますが、浦項製鉄所という問題は、これは地下鉄どころの騒ぎじゃない。大変な莫大なリベートが
韓国にばらまかれている。また、国内の政治分野等々にもいろいろな金が流れていると、こう書いてあります。人の
名前まで書いてある。
だから、一つずつ申し上げますが、朝日新聞の
昭和五十二年一月二十三日、「総合商社」という特集がございます。この中で、住友商事会長の津田久さんは、社長当時の
昭和四十一、二年ごろ、東京神田の旧本社ビルに
韓国の有力者K――Kという人の来訪を受けた。そのとき柴山幸雄社長――現在の社長です。当時の専務も同席してのやりとりは次のようなものだった。Kさんが、本日伺ったのは、実は
韓国政府が浦項に建設を計画している総合製鉄所のことについてです、
韓国で初めての一貫生産方式ですが、これを住友商事に引き受けてもらいたい。大変な話ですね、どういう計画ですか、詳しく事情をお聞かせください、と津田さんが答えた。Kさんは、「ところで、おたくに全部おまかせする代わりに、この浦項の事業費から少なくとも一割以上のカネをつくり出してもらいたい。」そう言った。津田さんは、一割以上の金ができるような手だて、その金を
韓国政権の方に献金してほしいのですか、と言う。Kさんは「一割以上のカネができるように手だてして、そのカネを
韓国政権の方に献金してほしいのです。」と言い切った。津田さんは「それは無理というもんです。このような大型プロジェクトには多数のメーカーが参加します。それらの企業に、こうした性質の、多額のカネをひねり出させることは難しい。」「なんとかやってもらえませんか。」「とてもできかねます。」断った。このときに津田さんは、「国民の税金をかすめとるようなことはできない」と考えたから」であると言っておられる。
さてここで、Kという人はだれだったのか。膨大な資料、私の部屋の戸だなに入り切れないような資料を一昨年の十二月の初めに私は入手をいたしまして、細かく調べた。一年余にわたって調べてまいりましたが、いまおおむね明らかなことは、このKという人はほかならぬS・K・キム、金成坤その人だ。ソウル地下鉄について三菱商事の藤野さんに二百五十万ドルという金を集めてくれ、外国との争いの中で
日本の三菱にお任せをする、これがこの席で田部文
一郎さんが私の質問に答えて参考人としてお答えになったことであります。そのときに、ついにお
名前を言わなかった。だが、フレーザー
委員会の
調査の結果、S・K・キム口座という形で金成坤さんが出てきた。当時、この方は
韓国与党、民主共和党の財務
委員長、双竜財閥の当主。いみじくも同じ人。これだけ申し上げればおわかりでしょう。同じパターンですよ。
ところで、もう一点。簡単に申し上げます。
「身の毛もよだつ“怪談”」こういうふうに書きまして、小野田修二さん「商社の陰謀」、ここに私の持っている本がございます。とんでもない方が出てまいります。それはどういうことか。「
朴大統領に「百万ドル」献金?!」「身の毛もよだつ“怪談”その一」。晩秋の十一月、ときは
昭和四十六年。話し合った場所は日商岩井本社ビルの役員の部屋。相手はだれか、日商岩井のダグラス、グラマンのときに大変に大きな役割りを果たしたと言われていた、しかも外国に飛んでいた塩田淑人さん。当時日商岩井機械総本部企画調整
室長。りっぱな役職に
おいでになりました。この方が、いろいろな争いが
韓国で行われている、相手商社に対してずばり物を言って
おいでになる。
「その第一の問題は――四十七年に実施される
韓国大統領選挙で三選を狙う朴正煕大統領に、その選挙資金として「百万ドル(約三億円)の大金が三菱商事から贈与された」」「この政治献金は三菱商事の藤野忠治郎社長(当時)が中心となって、三菱グループ各社から集められたものだが、これを
朴大統領側に手渡すための役割を担ったのは、岸信介元首相の筆頭秘書である中村長芳氏である、という内容のものであった。この中村長芳という人物は、」云々と、その後の役職を書いてありまして、「なかなかの“策士”でもある。」なんて書いてありますが、今度のグラマン
事件で主役として登場した川部美智雄さん、国内の方の
責任者が中村長芳さん、これが岸さんの左右の腕であった。
さらに塩田さんの
お話は続く。「この三菱商事からの「百万ドルの政治献金」は“現ナマ”でアタッシュ・ケースに入れられて、これもまた朴正煕大統領の専用機として献納された「完全武装ヘリコプター」(
川崎重工製だという)に乗せられて
韓国へ持ち運ばれたのだ、という」。ここで小野田さんは当時を振り返りまして、何年かたったけれ
どもきのうのことのように塩田氏の言葉が私の耳に残っている、この塩田さんの話はそれほどショッキングな内容であったと述懐しております。
「第二の問題点は、「浦項総合製鉄所」の存在は、現在でもなおかつ日韓癒着のなまなましさを伝えるものとしていわば“象徴的”な問題」、この建設をめぐって、「やはり三菱商事をはじめこの建設計画にかかわった各大企業一三井物産、丸紅、伊藤忠商事、トーメンなどの商社も含む)から、総額推定「百億円単位」の政治献金=リベートが
韓国の政財界要人たちにバラ撒かれている」ということを塩田さんが言った。細かく書いてある。「この問題にも「岸元首相が深く関係しており、
韓国政府要人と
日本の商社企業との“橋渡し”役は中村長芳氏である」」と明確に書いてある。
私が言っているんじゃないですよ。
大出、とんでもないことを言うと言うかもしれないが、そうじゃない。「商社の陰謀」を小野田修二さんが書いている。しかも国内版の方は、マージャンをやりながらと言って、
日本の政治家の
名前が出てくる、浦項製鉄所の問題で。国内にも金をいろいろやったんでしょう。似たようなことを角度は違いますが、朝日ジャーナルで中川信夫さんも述べて
おいでになる。ほかにも記録がございますが、私がたくさん調べた中で一番信憑性のあるのはこれです。いろいろ周辺も承りました。
私はとりあえず申し上げておきますが、塩田さんは当時、日商岩井、ダグラス、グラマンのときに証人でお出かけいただきたいと私は思ったのですが、そんなにたくさんお呼びするわけにいかないので遠慮しましたが、参考人でも結構ではございますが……。しかも、この小野田さんにも私一遍
お話ししようと思っているのですけれ
ども、小野田さんにも、大変詳しい方でございますから、参考人でお出かけいただいて、
お話をこの席で聞かせていただきたい。
もう一人、中村長芳さんについては後からいろいろ立証いたしますが、どうしても改めて証人で実はお出かけをいただきたい。この点を
委員長に申し上げて、
理事会等でお取り上げを賜るようにお願いを申し上げたい。
あわせて藤野忠次郎さん、田部文
一郎さん、それから住友商事の津田久さん、柴山幸雄さん、Kという人は一体だれだったのか、この席で明らかにしたいのでありまして、こちらの方々は参考人で結構でございます。ぜひひとつ、中村長芳先生は証人で
おいでいただかぬと本当のことをおっしゃらない、こう私思いますから、その相談を
理事会でさせていただきたいとお願いをいたしておきます。よろしゅうございますか。