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1980-03-25 第91回国会 衆議院 本会議 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年三月二十五日(火曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第九号   昭和五十五年三月二十五日     午後二時開議  第 一 公害健康被害補償法の一部を改正する      法律案内閣提出)  第 二 国会議員選挙等執行経費基準に      関する法律の一部を改正する法律案      (内閣提出)  第 三 都市開発資金の貸付けに関する法律の      一部を改正する法律案内閣提出)  第 四 国立学校設置法の一部を改正する等の      法律案内閣提出)  第 五 地方税法等の一部を改正する法律案      (内閣提出)  第 六 地方税法の一部を改正する法律案(内      閣提出)  第 七 過疎地域振興特別措置法案地方行政      委員長提出)  第 八 所得税法の一部を改正する法律案(内      閣提出)  第 九 租税特別措置法の一部を改正する法律      案(内閣提出)  第 十 関税及び貿易に関する一般協定譲許      表の変更に関する第四確認書締結に      ついて承認を求めるの件  第十一 関税及び貿易に関する一般協定のジュ      ネーヴ議定書(千九百七十九年)の締      結について承認を求めるの件  第十二 関税及び貿易に関する一般協定第六      条、第十六条及び第二十三条の解釈及      び適用に関する協定締結について承      認を求めるの件  第十三 貿易技術的障害に関する協定締結      について承認を求めるの件  第十四 民間航空機貿易に関する協定締結に      ついて承認を求めるの件  第十五 政府調達に関する協定締結について      承認を求めるの件  第十六 関税及び貿易に関する一般協定第六条      の実施に関する協定締結について承      認を求めるの件  第十七 関税及び貿易に関する一般協定第七条      の実施に関する協定締結について承      認を求めるの件  第十八 関税及び貿易に関する一般協定第七条      の実施に関する協定議定書締結に      ついて承認を求めるの件  第十九 輸入許可手続に関する協定締結につ      いて承認を求めるの件     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  人事官任命につき同意を求めるの件  原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件  原子力安全委員会委員任命につき同意を求める  の件  中央更生保護審査会委員長及び同委員任命につ   き同意を求めるの件  日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求め   るの件  公共企業体等労働委員会委員任命につき同意を   求めるの件  日程第一 公害健康被害補償法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  日程第二 国会議員選挙等執行経費基準   に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)  日程第三 都市開発資金の貸付けに関する法律   の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第四 国立学校設置法の一部を改正する等   の法律案内閣提出)  日程第五 地方税法等の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第六 地方税法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第七 過疎地域振興特別措置法案地方行   政委員長提出)  日程第八 所得税法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第九 租税特別措置法の一部を改正する法   律案内閣提出)  日程第十 関税及び貿易に関する一般協定の譲   許表変更に関する第四確認書締結につい   て承認を求めるの件  日程第十一 関税及び貿易に関する一般協定の   ジュネーヴ議定書(千九百七十九年)の締結   について承認を求めるの件  日程第十二 関税及び貿易に関する一般協定第   六条、第十六条及び第二十三条の解釈及び適   用に関する協定締結について承認を求める   の件  日程第十三 貿易技術的障害に関する協定の   締結について承認を求めるの件  日程第十四 民間航空機貿易に関する協定の締   結について承認を求めるの件  日程第十五 政府調達に関する協定締結につ   いて承認を求めるの件  日程第十六 関税及び貿易に関する一般協定第   六条の実施に関する協定締結について承認   を求めるの件  日程第十七 関税及び貿易に関する一般協定第   七条の実施に関する協定締結について承認   を求めるの件  日程第十八 関税及び貿易に関する一般協定第   七条の実施に関する協定議定書締結につ   いて承認を求めるの件  日程第十九 輸入許可手続に関する協定締結   について承認を求めるの件  中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣   提出)  防衛庁設置法等の一部を改正する法律案内閣   提出)の趣旨説明及び質疑     午後二時十六分開議
  2. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  議員請暇の件
  3. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。  愛知和男君から、海外旅行のため、三月二十六日から四月二日まで八日間、請暇申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ――――◇―――――  人事官任命につき同意を求めるの件  原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件  原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件  中央更生保護審査会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件  日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件  公共企業体等労働委員会委員任命につき同意を求めるの件
  5. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) お諮りいたします。  内閣から、  人事官藤井貞夫君を、  原子力委員会委員に新關欽哉君及び渡部時也君を、  原子力安全委員会委員吹田徳雄君及び御園生圭輔君を、  中央更生保護審査会委員長新谷正夫君を、  同委員笠松章君を、  日本銀行政策委員会委員に立正嘉君を、  公共企業体等労働委員会委員山口俊夫君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。  まず、人事官原子力委員会委員原子力安全委員会委員中央更生保護審査会委員長及び同委員及び日本銀行政策委員会委員任命について、申し出のとおり同意を与えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  6. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。  次に、公共企業体等労働委員会委員任命について、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。      ――――◇―――――  日程第一 公害健康被害補償法の一部を改正する法律案内閣提出
  8. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第一、公害健康被害補償法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。公害対策並びに環境保全特別委員長河野正君。     〔河野正登壇
  9. 河野正

    河野正君 ただいま議題となりました公害健康被害補償法の一部を改正する法律案につきまして、公害対策並びに環境保全特別委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、昭和五十五年度から昭和五十七年度までの間におきましても、引き続き、大気汚染の影響による健康被害に対する補償給付支給等に要する費用の一部に充てるため、自動車重量税収入見込み額の一部に相当する金額を政府公害健康被害補償協会に交付しようとするものであります。  本案は、去る二月十二日本特別委員会に付託され、同月十九日土屋環境庁長官から提案理由説明を聴取した後、審査に入り、三月十八日質疑を終了いたしましたところ、日本共産党革新共同から修正案提出され、趣旨説明を聴取し、次いで採決を行いましたが、同修正案は否決され、本案は多数をもって可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対しまして、自由民主党・自由国民会議日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合共同提案により、全会一致をもって、九項目附帯決議を付することと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  10. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  11. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  日程第二 国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出
  12. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第二、国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員長田村良平君。     ―――――――――――――  国会議員選挙等執行経費基準に関する法   律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号(二)に掲載〕     ―――――――――――――     〔田村良平登壇
  13. 田村良平

    田村良平君 ただいま議題となりました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、公職選挙法改正に関する調査特別委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における公務員給与改定、賃金及び物価の変動等実情にかんがみ、国会議員選挙等執行について国が負担する経費地方公共団体に対して交付するものの基準改定しようとするものであります。  すなわち、投票所経費開票所経費選挙公報発行費ポスター掲示場費等基準額を改めるとともに、郵便による不在者投票における投票の郵送に係る経費を公費で負担しようとするものであります。  なお、この法律は、公布の日から施行することにいたしております。  本案は、去る二月九日本特別委員会に付託され、三月十二日後藤田自治大臣より提案理由説明を聴取した後、慎重審議を行い、三月十九日質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  14. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  日程第三 都市開発資金の貸付けに関する法   律の一部を改正する法律案内閣提出
  16. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第三、都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。建設委員長北側義一君。     ―――――――――――――     〔北側義一登壇
  17. 北側義一

    北側義一君 ただいま議題となりました都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、都市を計画的に整備し、改善する事業をさらに推進するため、都市開発資金の貸し付け対象となる土地の範囲を拡大するとともに、貸付金の利率についても所要の改正を行おうとするものであります。  本案は、去る二月五日本委員会に付託され、二十二日建設大臣より提案理由説明を聴取、三月七日質疑を終了し、十九日採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対しまして、三項目より成る附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  18. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  日程第四 国立学校設置法の一部を改正する   等の法律案内閣提出
  20. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第四、国立学校設置法の一部を改正する等の法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。文教委員長谷川和穗君。     ―――――――――――――     〔谷川和穗登壇
  21. 谷川和穗

    谷川和穗君 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する等の法律案について、文教委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、地方における国立大学教育研究体制整備拡充し、学術研究の進展と人材の養成を図るため、国立学校設置法の一部を改正するとともに、国立養護教諭養成所設置法を廃止しようとするものであります。  その主な内容は、  第一に、新潟大学の法文学部を改組して、人文学部、法学部及び経済学部を設置し、金沢大学及び岡山大学の各法文学部を改組して、それぞれに文学部、法学部及び経済学部を設置しようとするものであります。  第二に、浜松医科大学及び宮崎医科大学に、それぞれ大学院を置こうとするものであります。  第三に、北海道大学医療技術短期大学部を併設するとともに、福島大学経済短期大学部が、昭和五十三年度に、福島大学経済学部の中へ発展的転換を行ったことにより、同短期大学部を廃止しようとするものであります。  第四に、九大学に付置されていた各国立養護教諭養成所のすべてが、当該大学教育学部養護教諭養成課程に発展的に転換されたことにより、国立養護教諭養成所設置法を廃止しようとするものであります。  第五に、この法律は、昭和五十五年四月一日から施行することといたしておりますが、北海道大学医療技術短期大学部併設に関する規定は、同年十月一日から施行することといたしております。  本案は、去る二月九日当委員会に付託となり、三月七日谷垣文部大臣より提案理由説明を聴取し、十九日質疑を行い、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  22. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――
  24. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第五及び第六の両案とともに、日程第七は、委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略し、三案を一括して議題とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。     ―――――――――――――  日程第五 地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 地方税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第七 過疎地域振興特別措置法案地方行政委員長提出
  26. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第五、地方税法等の一部を改正する法律案日程第六、地方税法の一部を改正する法律案日程第七、過疎地域振興特別措置法案、右三案を一括して議題といたします。  委員長報告及び趣旨弁明を求めます。地方行政委員長塩谷一夫君。     ―――――――――――――     〔塩谷一夫登壇
  27. 塩谷一夫

    塩谷一夫君 ただいま議題となりました三法律案について申し上げます。  まず、地方税法等の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、地方財政実情にかんがみ、地方税負担の現状を勘案しつつ、その負担適正合理化及び地方税源充実を図るため、個人住民税所得控除の額の引き上げ及び所得割税率適用区分変更個人住民税均等割及び事業所税税率引き上げ不動産取得税非課税等特別措置整理合理化ガス税免税点引き上げ等を行うほか、地方道路譲与税譲与基準を改めるとともに、公社有資産所在市町村納付金に係る納付金算定標準額特例について整理合理化を図る等の措置を講じようとするものであります。  本案につきましては、三月六日自治大臣から提案理由説明を聴取し、同月二十一日質疑を終了いたしましたところ、日本社会党及び日本共産党革新共同からそれぞれ修正案提出され、趣旨説明を聴取いたしました。  次いで、討論申し出もなく、採決の結果、両修正案はいずれも賛成少数をもって否決され、また、原案賛成少数をもって否決され、よって、本案は否決すべきものと決しました。  次に、地方税法の一部を改正する法律案について、審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、今般の電気料金改定に伴い、住民負担の軽減を図るため、電気税免税点引き上げようとするものであります。  本案につきましては、三月二十一日自治大臣から提案理由説明を聴取し、質疑申し出もなく、日本共産党革新共同から修正案提出され、趣旨説明を聴取いたしました。  次いで、討論申し出もなく、採決の結果、修正案賛成少数をもって否決されましたが、原案賛成多数をもって可決され、よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、過疎地域振興特別措置法案につきまして、提案趣旨及びその内容概要を御説明申し上げます。  御承知のように、現行過疎地域対策緊急措置法は、過疎地域生活環境施設等整備するため、昭和四十五年に超党派で提案し、制定されたものでありますが、この三月三十一日をもって有効期限経過しようとしております。  これまでの間、過疎地域においては、生活環境施設等については逐次改善され、人口減少もようやく鈍化の傾向を示してきておりますが、他の地域と比較して公共施設等整備水準は依然低位にあり、人口老齢化等の新たな課題も生じております。  このような実情にかんがみ、今後とも引き続き過疎地域について生活環境産業基盤等整備に関する総合的かつ計画的な対策実施することにより、これらの地域振興を図り、もって住民福祉の向上、雇用の拡大及び地域格差の是正に寄与するため、本法案提出した次第であります。  次に、本法案概要について御説明申し上げます。  第一に、過疎地域範囲は、国勢調査の結果による昭和五十年人口昭和三十五年人口に対する減少率が二〇%以上で、かつ、昭和五十一年度から昭和五十三年度までの平均財政力指数が〇・三七以下の市町村の区域としております。  なお、本法案では沖繩県市町村をも新たに対象とするほか、今後国勢調査実施され、同様の要件に該当することとなる市町村も追加することとしております。  第二は、過疎対策を総合的かつ計画的に推進するため、過疎地域振興方針に基づき、市町村及び都道府県はそれぞれ過疎地域振興計画を策定し、相互に協力して過疎対策事業実施していくこととしております。  第三は、過疎地域振興のため、国の負担または補助の割合の特例過疎債発行等財政上の特別措置を講ずることとするほか、新たに、老人福祉事業等に対する助成措置地場産業振興のための財政措置中小企業者に対する資金の確保、小規模小中学校における教育充実について適切なる配慮等を行うこととしております。  第四に、本法案は、昭和五十五年四月一日から施行し、昭和六十五年三月三十一日限りでその効力を失うこととしております。また、現行過疎地域市町村のうち、本法案対象とならないものに対しては、四年間過疎債発行を認める等、激変緩和のための経過措置を講ずることとしております。  以上が本法案提案趣旨及びその内容概要でありますが、本法案は、三月二十一日の地方行政委員会において全会一致をもって委員会提出法案とすることに決定したものであります。  なお、本法案を決定するに際しまして、内閣意見を聴取いたしましたところ、園田国土庁長官より、本法案について異議はない旨の意見が述べられました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  28. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) これより採決に入ります。  まず、日程第五につき採決いたします。  本案委員長報告は否決でありますが、この際、原案について採決いたします。  この採決記名投票をもって行います。  本案原案のとおり可決するに賛成諸君白票、反対の諸君青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。     〔議場閉鎖
  29. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 氏名点呼を命じます。     〔参事氏名点呼〕     〔各員投票
  30. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖開匣。――開鎖。     〔議場開鎖
  31. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 投票を計算いたさせます。     〔参事投票を計算〕
  32. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。     〔事務総長報告〕  投票総数 四百七十三   可とする者(白票)      二百五十一   否とする者(青票)      二百二十二
  33. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 右の結果、地方税法等の一部を改正する法律案原案のとおり可決いたしました。(拍手)     ―――――――――――――  地方税法等の一部を改正する法律案を可とする議員氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 文男君    相沢 英之君       逢沢 英雄君    愛知 和男君       愛野興一郎君    赤城 宗徳君       秋田 大助君    麻生 太郎君       天野 公義君    天野 光晴君       有馬 元治君    井出一太郎君       井原 岸高君    伊東 正義君       伊藤宗一郎君    池田  淳君       池田 行彦君    石井  一君       石川 要三君    石田 博英君       石橋 一弥君    石原慎太郎君       稲垣 実男君    稻葉  修君       稻村佐近四郎君    稲村 利幸君       今井  勇君    宇野 宗佑君       上草 義輝君    上村千一郎君       内海 英男君    浦野 烋興君       江崎 真澄君    江藤 隆美君       小川 平二君    小此木彦三郎君       小里 貞利君    小沢 一郎君       小澤  潔君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    越智 伊平君       越智 通雄君    大石 千八君       大城 眞順君    大塚 雄司君       大坪健一郎君    大西 正男君       大野  明君    大平 正芳君       大村 襄治君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤 紘一君       加藤常太郎君    加藤 六月君       狩野 明男君    鹿野 道彦君       海部 俊樹君    梶山 静六君       粕谷  茂君    片岡 清一君       金子 一平君    金子 岩三君       金丸  信君    亀井 静香君       亀井 善之君    亀岡 高夫君       鴨田利太郎君    唐沢俊二郎君       瓦   力君    木野 晴夫君       木村武千代君    木村 俊夫君       菊池福治郎君    岸田 文武君       北川 石松君    北口  博君       久野 忠治君    久保田円次君       工藤  巖君    鯨岡 兵輔君       熊川 次男君    倉石 忠雄君       倉成  正君    栗原 祐幸君       小泉純一郎君    小坂善太郎君       小坂徳三郎君    小宮山重四郎君       小山 長規君    後藤田正晴君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       近藤 鉄雄君    近藤 元次君       左藤  恵君    佐々木義武君       佐藤 一郎君    佐藤 信二君       佐藤  隆君    佐藤 文生君       佐藤 守良君    佐野 嘉吉君       斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君       三枝 三郎君    坂田 道太君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       志賀  節君    始関 伊平君       椎名 素夫君    塩川正十郎君       塩崎  潤君    塩谷 一夫君       澁谷 直藏君    正示啓次郎君       白川 勝彦君    白浜 仁吉君       菅波  茂君    鈴木 善幸君       住  栄作君    関谷 勝嗣君       園田  直君    染谷  誠君       田澤 吉郎君    田名部匡省君       田中伊三次君    田中 龍夫君       田中 六助君    田邉 國男君       田原  隆君    田村  元君       田村 良平君    高鳥  修君       高橋 辰夫君    竹内 黎一君       竹下  登君    竹中 修一君       谷  洋一君    谷垣 專一君       谷川 和穗君    玉生 孝久君       玉沢徳一郎君    地崎宇三郎君       津島 雄二君    塚原 俊平君       戸沢 政方君    東家 嘉幸君       中尾 栄一君    中川 一郎君       中島源太郎君    中島  衛君       中曽根康弘君    中野 四郎君       中村喜四郎君    中村 弘海君       中村正三郎君    中村  靖君       中山 正暉君    楢橋  進君       二階堂 進君    丹羽 雄哉君       西田  司君    根本龍太郎君       野田  毅君    野中 英二君       野呂 恭一君    羽田  孜君       葉梨 信行君    橋口  隆君       橋本龍太郎君    長谷川四郎君       長谷川 峻君    畑 英次郎君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    浜野  剛君       早川  崇君    林  義郎君       原田昇左右君    福家 俊一君       福島 譲二君    福田 赳夫君       福田  一君    深谷 隆司君       吹田  愰君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤田 義光君       藤波 孝生君    船田  元君       古井 喜實君    古屋  亨君       保利 耕輔君    坊  秀男君       細田 吉藏君    堀内 光雄君       堀之内久男君    牧野 隆守君       増岡 博之君    松澤 雄藏君       松永  光君    松野 幸泰君       松本 十郎君    三木 武夫君       三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君       三塚  博君    箕輪  登君       水野  清君    水平 豊彦君       宮崎 茂一君    宮下 創平君       武藤 嘉文君    村岡 兼造君       村上 茂利君    村田敬次郎君       村山 達雄君    毛利 松平君       粟山  明君    森  美秀君       森  喜朗君    森下 元晴君       森山 欽司君    安田 貴六君       保岡 興治君    山口シヅエ君       山崎  拓君    山崎武三郎君       山崎平八郎君    山下 元利君       山下 徳夫君    山中 貞則君       山村新治郎君    山本 幸雄君       湯川  宏君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺 紘三君    渡辺 省一君       渡辺 秀央君    渡辺美智雄君       西岡 武夫君    橋本登美三郎君       渡部 正郎君  否とする議員氏名       阿部 助哉君    飛鳥田一雄君       井岡 大治君    井上  泉君       井上 一成君    井上 普方君       伊賀 定盛君    伊藤  茂君       石橋 政嗣君    稲葉 誠一君       岩垂寿喜男君    上田 卓三君       上田  哲君    上原 康助君       枝村 要作君    小川 国彦君       小川 省吾君    小野 信一君       大原  亨君    岡田 利春君       加藤 万吉君    勝間田清一君       角屋堅次郎君    金子 みつ君       川口 大助君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    河上 民雄君       河野  正君    神沢  浄君       木島喜兵衞君    木原  実君       木間  章君    北山 愛郎君       久保 三郎君    小林  進君       兒玉 末男君    後藤  茂君       上坂  昇君    佐藤 観樹君       佐藤  誼君    斉藤 正男君       柴田 健治君    島田 琢郎君       嶋崎  譲君    清水  勇君       下平 正一君    新村 勝雄君       新村 源雄君    新盛 辰雄君       関  晴正君    田口 一男君       田邊  誠君    田畑政一郎君       多賀谷真稔君    高沢 寅男君       高田 富之君    竹内  猛君       武部  文君    楯 兼次郎君       塚田 庄平君    土井たか子君       中西 績介君    中村  茂君       野口 幸一君    野坂 浩賢君       芳賀  貢君    馬場  昇君       長谷川正三君    日野 市朗君       広瀬 秀吉君    細谷 昭雄君       細谷 治嘉君    堀  昌雄君       本郷 公威君    前川  旦君       松浦 利尚君    三宅 正一君       武藤 山治君    村山 喜一君       村山 富市君    森井 忠良君       森中 守義君    八木  昇君       安井 吉典君    安田 修三君       山口 鶴男君    山田 耻目君       山田 芳治君    山花 貞夫君       山本 幸一君    山本 政弘君       湯山  勇君    横路 孝弘君       横山 利秋君    米田 東吾君       渡部 行雄君    渡辺 三郎君       新井 彬之君    有島 重武君       飯田 忠雄君    池田 克也君       石田幸四郎君    市川 雄一君       小川新一郎君    大久保直彦君       大野  潔君    大橋 敏雄君       近江巳記夫君    岡本 富夫君       沖本 泰幸君    長田 武士君       鍛冶  清君    貝沼 次郎君       木内 良明君    北側 義一君       草野  威君    小濱 新次君       権藤 恒夫君    斎藤  実君       坂井 弘一君    坂口  力君       柴田  弘君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       高橋  繁君    竹入 義勝君       竹内 勝彦君    武田 一夫君       谷口 是巨君    玉城 栄一君       鳥居 一雄君    中川 嘉美君       西中  清君    長谷雄幸久君       林  孝矩君    春田 重昭君       平石磨作太郎君    伏木 和雄君       伏屋 修治君    二見 伸明君       古川 雅司君    松本 忠助君       森田 景一君    薮仲 義彦君       山田 英介君    山田 太郎君       吉井 光照君    和田 一郎君       安藤  巖君    井上  敦君       岩佐 恵美君    梅田  勝君       浦井  洋君    金子 満広君       神崎 敏雄君    木下 元二君       工藤  晃君    栗田  翠君       小林 政子君    榊  利夫君       柴田 睦夫君    庄司 幸助君       瀬崎 博義君    田中美智子君       多田 光雄君    津川 武一君       辻  第一君    中川利三郎君       中路 雅弘君    中島 武敏君       中林 佳子君    野間 友一君       則武 真一君    林  百郎君       東中 光雄君    藤田 スミ君       藤原ひろ子君    正森 成二君       松本 善明君    三浦  久君       三谷 秀治君    村上  弘君       安田 純治君    四ツ谷光子君       渡辺  貢君    青山  丘君       稲富 稜人君    小沢 貞孝君       大内 啓伍君    岡田 正勝君       河村  勝君    木下敬之助君       小渕 正義君    塩田  晋君       高橋 高望君    竹本 孫一君       玉置 一弥君    塚本 三郎君       中井  洽君    中野 寛成君       永末 英一君    西村 章三君       林  保夫君    部谷 孝之君       三浦  隆君    宮田 早苗君       横手 文雄君    吉田 之久君       米沢  隆君    和田 一仁君       和田 耕作君    渡辺 武三君       渡辺  朗君    河野 洋平君       田川 誠一君    田島  衞君       山口 敏夫君    阿部 昭吾君       楢崎弥之助君    岡田 春夫君     ―――――――――――――
  34. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 次に、日程第六につき採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  35. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第七につき採決いたします。  本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。      ――――◇―――――  日程第八 所得税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第九 租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出
  37. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第八、所得税法の一部を改正する法律案日程第九、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。大蔵委員長増岡博之君。     〔増岡博之君登壇
  38. 増岡博之

    ○増岡博之君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  両法律案概要を申し上げますと、  まず、所得税法の一部を改正する法律案は、  第一に、租税負担の公平を確保するため、利子配当所得等について昭和五十九年から総合課税へ移行することとし、そのための措置として少額貯蓄等利用者カード制度を設けることといたしております。  なお、この制度については、国民の理解と慣熟を得る必要があり、また、国税当局、金融機関等においてもこれに対応するための準備期間が必要であります。本案におきましては、これらの点にかんがみ、所要の措置を講ずることといたしております。  第二に、現下の財政事情、所得税負担実情等にかんがみ、給与所得控除について給与収入一千万円超の部分に適用される控除率を現行の一〇%から五%に引き下げることといたしております。  次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、  第一に、租税負担の公平を確保するため、企業関係の租税特別措置等について適用期限にかかわらず全面的な見直しを行うこととしております。  第二に、土地、住宅税制においては、長期譲渡所得の課税の特例について譲渡益のうち二〇%の比例税率部分を現行の二千万円から四千万円まで引き上げるとともに、四千万円超人千万円までの部分について新たに二分の一総合課税を導入することとし、八千万円超の部分については現行の四分の三総合課税方式を維持することとしております。  また、優良宅地等のための長期譲渡所得の課税の特例について、適用対象の要件を緩和し、既成市街地等内に中高層耐火共同住宅を建設するための買いかえ等の場合の譲渡の課税の特例を創設するほか、住宅取得控除について適用対象に一定の既存住宅を取得した場合を加える等の措置を講ずることといたしております。  以上が両法律案の主な内容でありますが、両案につきましては、参考人を招いて意見を聴取する等、慎重審査を行ったところであります。その詳細は会議録に譲ることといたします。  かくして、去る二十一日質疑を終了し、引き続き討論を行い、採決いたしました結果、両案はいずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、両案に対しましては附帯決議が付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  39. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) これより採決に入ります。  まず、日程第八につき採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  40. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)  次に、日程第九につき採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  41. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)      ――――◇―――――  日程第十 関税及び貿易に関する一般協定譲許表の変更に関する第四確認書締結について承認を求めるの件  日程第十一 関税及び貿易に関する一般協定ジュネーヴ議定書(千九百七十九年)の締結について承認を求めるの件  日程第十二 関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十三 貿易技術的障害に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十四 民間航空機貿易に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十五 政府調達に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十六 関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十七 関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第十八 関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定議定書締結について承認を求めるの件  日程第十九 輸入許可手続に関する協定締結について承認を求めるの件
  42. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 日程第十、関税及び貿易に関する一般協定譲許表の変更に関する第四確認書締結について承認を求めるの件、日程第十一、関税及び貿易に関する一般協定ジュネーヴ議定書(千九百七十九年)の締結について承認を求めるの件、日程第十二、関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十三、貿易技術的障害に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十四、民間航空機貿易に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十五、政府調達に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十六、関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十七、関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第十八、関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定議定書締結について承認を求めるの件、日程第十九、輸入許可手続に関する協定締結について承認を求めるの件、右十件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。外務委員長中尾栄一君。     〔中尾栄一君登壇
  43. 中尾栄一

    ○中尾栄一君 ただいま議題となりました十件につきまして、外務委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本十件は、昭和四十八年九月、ガットの東京閣僚会議において採択された東京宣言に基づき、貿易に関する障害の漸進的な撤廃を通じて世界貿易の拡大及び一層の自由化を達成することを目指して、昭和四十八年から昭和五十四年まで行われた多角的貿易交渉、すなわち、東京ラウンドにおきまして、関税引き下げのための交渉及び非関税面の貿易障害の軽減のための交渉が行われました結果、関税引き下げ交渉に関連してジュネーヴ議定書及び第四確認書が、また、非関税面の貿易障害に係る交渉に関連してダンピング防止協定外六協定及び一議定書が作成されました。  まず、第四確認書は、現在のわが国のガット税率の品目の分類を組みかえたものでありまして、そこに掲げられた関税率が東京ラウンドでの関税引き下げの起点となっております。  次に、ジュネーヴ議定書は、各国の関税引き下げを収録しておりまして、この中でわが国は鉱工業品約二千四百品目及び農産物約二百品目の関税引き下げを約束いたしております。  次に、補助金・相殺措置協定は、相殺関税及び補助金についてのガットの規定の解釈を明確にするとともに、これらの規定の適用に関する詳細な規則を定めたものであります。  次に、貿易技術的障害に関する協定は、産品に係る規格及び認証制度が、国際貿易に不必要な障害とならないための規則を定めたものであります。  次に、民間航空機協定は、民間航空機等の関税の撤廃その他航空機貿易の公正かつ平等な競争の機会を確保するための規則を定めております。  次に、政府調達協定は、政府調達に係る国内法令、手続等に対して、内国民待遇及び無差別待遇の原則を適用すべきことを定めております。  次に、ダンピング防止協定は、ダンピング防止税についてのガットの規定の解釈を明確にするとともに、この規定の適用に関する詳細な規則を定めたものであります。  次に、関税評価協定は、関税評価の方法を国際的に統一するための規定を設けたものであり、また、同協定議定書は、協定実施について開発途上国に一定の特例を認めたものであります。  最後に、輸入許可手続協定は、輸入許可手続貿易の阻害要因とならないよう、その公正かつ衡平な運用について定めたものであります。  以上十件は、昨年十二月二十一日外務委員会に付託され、同日大来外務大臣から提案理由説明を聴取し、本年二月二十二日、三月十七日、十八日、十九日及び二十四日の五日間にわたり質疑を行い、また、三月十四日には参考人から意見を聴取するなど、慎重な審査が行われましたが、その詳細につきましては会議録により御承知を願い上げたいと思います。  かくて、昨二十四日質疑を終了し、日本共産党革新共同野間友一君から、第四確認書ジュネーヴ議定書、補助金・相殺措置協定貿易技術的障害に関する協定、民間航空機協定及び政府調達協定の六件に対し反対討論が行われた後、採決を行いました結果、右六件につきましては多数をもって、また、ダンピング防止協定関税評価協定、同議定書及び輸入許可手続協定の四件については全会一致をもって、いずれも承認すべきものと議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  44. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) これより採決に入ります。  まず、日程第十ないし第十五の六件を一括して採決いたします。  六件を委員長報告のとおり承認するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  45. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 起立多数。よって、六件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。  次に、日程第十六ないし第十九の四件を一括して採決いたします。  四件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、四件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。      ――――◇―――――
  47. 玉沢徳一郎

    ○玉沢徳一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  48. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。     ―――――――――――――  中小企業退職金共済法の一部を改正する法律   案(内閣提出
  50. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。社会労働委員長葉梨信行君。     〔葉梨信行君登壇
  51. 葉梨信行

    ○葉梨信行君 ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、中小企業退職金共済制度の一層の充実を図るため、適用事業主の範囲を拡大するとともに、退職金共済契約に係る掛金月額の引き上げ及び加入前の勤務期間の通算の措置等を講じようとするもので、その主な内容は、  第一に、中小企業者範囲を拡大し、現行の従業員規模のほか、資本金規模を加味するものとすること、  第二に、掛金月額の最低額を現行の八百円から千二百円に、最高額を現行の一万円から一万六千円に引き上げるとともに、国庫補助の対象現行の掛金月額八百円に対応する部分から掛金月額千二百円に対応する部分に引き上げるものとすること、  第三に、掛金納付月数が二十四カ月以上であって、掛金月額を増加した場合の増加額に係る退職金等の額については、現行の掛け捨て、掛け損の解消を図るため、増加額に係る掛金の納付月数が二十四カ月未満のものについては、増加額により納付された掛金相当額とし、二十四カ月以上のものについては所要の調整を行うものとすること、  第四に、退職金共済契約を締結する中小企業者が、百二十カ月を限度とする過去勤務期間について、通算の申し出をし、所定の額の過去勤務掛金を納付した場合の退職金等の額は、掛金納付月数に過去勤務期間の月数を通算して算定された所定の額等とすること、  第五に、特定業種退職金共済組合が定款で定めることができる掛金日額の範囲を、現行の六十円以上三百円以下から百二十円以上四百五十円以下に引き上げるものとすること、  以上のほか、被共済者が退職金共済制度間を移動した場合の取り扱い等所要の規定の整備を行うものとすること等であります。  本案は、去る二月十二日付託となり、本日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  52. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――
  54. 玉沢徳一郎

    ○玉沢徳一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出農業災害補償法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  55. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。     ―――――――――――――  農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出
  57. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。農林水産委員長内海英男君。     ―――――――――――――     〔内海英男君登壇
  58. 内海英男

    ○内海英男君 ただいま議題となりました農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、最近における農業事情の変化等に対処するとともに、本制度の健全な運営に資するため、果樹共済については、果実の単位当たり価額の設定方法の改善、共済掛金率割引制度の導入、損害のてん補方式の改善と合理化及び災害収入共済方式の試験実施等の改善と合理化を、蚕繭共済については、引き受け方式の改善、共済金支払い開始損害割合の引き下げ及び共済事故の拡大等の充実と合理化を、また、家畜共済については、馬及び肉豚に係る共済掛金の国庫負担引き上げる改善を行おうとするものであります。  本案は、去る三月四日委員会に付託され、三月五日政府から提案理由説明を聴取した後、慎重審議を重ね、三月二十五日質疑を終局いたしました。  次いで、日本共産党革新共同から、果樹共済の半相殺引き受け方式における共済金支払い開始損害割合を引き下げる等、数項目にわたる修正案提出され、その趣旨説明を聴取した後、直ちに採決に入り、修正案賛成少数をもって否決し、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、制度の一層の前進と健全な運営に万全を期する見地から、九項目附帯決議を付することに決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  59. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  防衛庁設置法等の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明
  61. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) この際、内閣提出防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、趣旨説明を求めます。国務大臣細田吉藏君。     〔国務大臣細田吉藏君登壇
  62. 細田吉藏

    ○国務大臣(細田吉藏君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、防衛庁設置法のほか、自衛隊法並びに防衛庁職員給与法の一部改正内容としております。  まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。  これは、自衛官の定数を、海上自衛隊千六百十九人、航空自衛隊七百十二人、計二千三百三十一人増加するためのものであります。これらの増員は、海上自衛隊については、艦艇、航空機の就役等に伴うものであり、航空自衛隊については、航空機の就役等に伴うものであります。  次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。  第一は、海上自衛隊の潜水艦部隊の一元的な指揮運用を図るため、司令部及び潜水隊群その他の直轄部隊から成る潜水艦隊を新編して、これを自衛艦隊の編成に加えるものであります。  第二は、航空自衛隊の補給機能を効果的に発揮させるため、各補給処の業務の統制を行う補給統制処を廃止し、これにかわるものとして、各補給処の業務全般の指揮監督を行う補給本部を航空自衛隊の機関として新たに編成するものであります。  第三は、人事管理及び編成上の必要性等から自衛官の階級として曹長を新設するものであります。  第四は、自衛隊の予備勢力を確保するため、陸上自衛隊の予備自衛官二千人を増員するためのものであります。  最後に、防衛庁職員給与法の一部改正について御説明いたします。  これは、自衛官の階級として曹長を新設することに伴い、曹長について俸給月額を定めるとともに営外手当を支給することができることとするものであります。  以上が防衛庁設置法等の一部を改正する法律案趣旨でございます。(拍手)      ――――◇―――――  防衛庁設置法等の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  63. 灘尾弘吉

    議長灘尾弘吉君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。伊賀定盛君。     〔伊賀定盛君登壇
  64. 伊賀定盛

    ○伊賀定盛君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、大平総理及び関係閣僚に対し若干の質問を行いたいと思うものであります。     〔議長退席、副議長着席〕  質問に入ります前に、私は、まず日本の安全保障問題に深いかかわりを持つ世界情勢、特にアメリカの世界戦略について簡単に触れてみたいと思います。  アメリカは、一九六〇年、現在の日米安保条約が締結されるまではもちろん、それ以後の約十年間も東の陣営に対して圧倒的に優勢な軍事力を持っていたと思います。ところが、ベトナムにおいて莫大な消耗をしているうちに、優位性は完全に失われ、世界戦略も大きく転換せざるを得なかったのであります。その事実を内外に明らかにしたのが、一九六九年のニクソン・ドクトリンではないでしょうか。  以来、アメリカはベトナム、タイ及び台湾から米軍を次々と撤退させ、韓国からもいずれ地上軍を撤退させる旨、カーター大統領は国民に向かって公約しているのであります。  そしてアメリカが同盟国に向かって強く求めるようになったのが、自助、すなわち自分の国は自分で守るという原則の徹底でありました。同時に進められようとしているのが、同盟国の大連合構想だと思うのであります。  この方針がソ連のアフガニスタン侵攻を契機に再確認され、さらに一段とテンポを早めることの必要性を認め、これを強調したのがいわゆるカーター・ドクトリンだと思うのであります。  ところで、いまアメリカから自衛力の増強を一番強く求められているのが、ほかならぬわが国ではないかということであります。  そこで、まず第一に、わが国防衛力の限界の問題について伺います。  大来外相は、訪米直前の外務委員会におきまして、GNPの一%という上限は不適当だと発言をし、続いて伊東官房長官は、参議院予算委員会におきまして、去る五十一年十一月の閣議決定は動かさないと発言をしています。明らかにこの両者は矛盾しておるのであります。  わが国防衛費の限界を規制したものとして重要な意義を持つ上限を撤廃して、軍事大国への突破口たらしめるのか。特に総理は、五月訪米予定と承っております。今日、日米関係の中で防衛問題は最重要課題のはず、カーター大統領から強い圧力がかかるものと思われます。首相訪米に当たって、心構えとして真意のほどを明らかにしていただきたいと思います。  大来外務大臣は、訪米中ブラウン国防長官、米国首脳と防衛問題についてどんな話し合いをなされたのか、着実かつ顕著にと新聞に報道されていますが、その内容について詳細を承りたいと思います。  大蔵大臣に伺います。三割を赤字国債に依存せざるを得ないわが国財政力の現状で、アメリカの要請にたえられるのかどうか、お答えを賜りたいと思います。  いま一つ、着実かつ顕著に防衛力増強にひた走るためにおぜん立てされたのが、いわゆるスパイ事件でありましょう。これを奇貨として、自民党内に機密保護法制定の動きが顕在化しつつありますが、民主主義破壊と人権抑圧に連なるこの種法制定の意思ありや否や、総理並びに関係大臣の御見解を承りたいと思います。  これらアメリカによる防衛力増強の圧力を日本の財界が見逃すはずはございません。ジョージ・ポール元アメリカ国務次官の、日本に空母二隻を建造させ、アメリカがこれを借り受けるという提案を受けた形で、永野日商会頭は、武器輸出の規制を緩和すべきだと提言しております。一方、日向方齊財界首脳は、有事に備え徴兵制を研究する時期であるとタイミングよく発言をしております。  目下、不況にあえぐわが国産業界にとっては、軍需産業ほど魅力あるものはありません。大量生産によるコストダウン、雇用不安と国際収支の改善等々のメリットを口にしながら、軍備拡張は渡りに船とばかりに、産軍一体となって、代理戦争ないしはみずからの戦争への道をまっしぐらに突き進もうとしているのではありませんか。この場合、国民の生活が犠牲になることを忘れてはならないのであります。  総理は、アメリカの空母二隻の建造案をどう受けとめられるのか、武器輸出規制緩和、徴兵制度の研究課題をどう措置されるのか、御見解を承りたいと思うのであります。  いまや日本は、安保ただ乗り論の批判を返上すべく、身銭を切ってGNP一%の上限を取っ払い、産軍一体になって軍需産業を振興し、機密保護法を制定し、徴兵制を研究し、空母を建造しようとしているのではありませんか。そして在日米駐留軍の負担金を増額することは、既定の事実となっているのではないでしょうか。  このようにして国内体制を整備しつつ、日米軍事体制の強化、ひいてはアメリカの同盟国大連合構想実現に向かって突き進みつつあるような気がしてならないのであります。  現に、安保条約で言う極東の範囲は際限なく拡大解釈され、リムパック参加を通じて、政府みずからが憲法違反を認めている集団自衛権発動への道が開かれつつあるのであります。  いまアメリカが公然と日本に対し、当然の義務として迫っているものの一つが、宗谷、津軽、対馬、三海峡封鎖であります。このアメリカの要求を断り切れず、これにこたえようとしているのが総理の心中ではありませんか。御心境を承りたいのであります。  なお、これは防衛庁長官からも御答弁を願います。  海空軍の強化という質的向上を図ったわが自衛隊は、すでに数次にわたって行われてきた日米、米韓の合同演習の延長線上にあるのが日米韓三国の合同演習であります。アジアにおける火薬庫とまで言われる南北朝鮮の鋭く対決している一方の当事国と合同演習を行うことが、どんなに危険なことになるか、戦争に直結しかねないのであります。総理は、将来三国合同演習を行うのかどうか、明快な御答弁を願いたいのであります。これもあわせて防衛庁長官の御答弁をいただきます。  いまや憲法を無視し、安保条約を拡大解釈し、防衛庁設置法をひん曲げ、国民の合意を得ることなく、ひたすらにアメリカの要求に屈服して、日米韓の合同演習、リムパック参加という既成事実を積み上げ、やがて名実ともに軍事同盟としての装いを新たにした日米安保条約とANZUS条約をドッキングさせ、環太平洋安保、西太平洋軍事同盟へと発展するのでありましょう。  ここに来て、大平総理提唱に係る環太平洋構想が経済の側面を担い、その軍事的側面を裏打ちするのが、ほかならぬ西太平洋軍事同盟ということに気づくのであります。  かくして、西太平洋軍事同盟は、ソ連の脅威に対応するため、ソ連太平洋艦隊に恒常的かつ共同対応策として、欧州のNATO型共同艦隊創設に結びつくのであります。そのためにこそP3C、F15、E2Cがアメリカの要求によりすでに受け入れられているのであります。このことは、同一兵器による日米欧の共同行動の地ならし作業であり、準備行動にほかなりません。  いよいよこれで、世界のいずれの地域に火災が発生しても、日米欧は共同して火消し役となり、同時にい共同して被災者たり得るのであります。いや応なしに戦争に巻き込まれるのであります。  総理、あなたはいま、重大な岐路に立っておられます。あなたの本心を率直に国民の前に明らかにしていただきたいのであります。一つの過ちを合理化するために、次により大きな過ちを犯し、取り返しのつかないわが民族の悲劇をもたらすことになるのであります。  日本の食糧政策との関連について伺います。  アフガン問題をめぐって、アメリカが食糧を外交上の武器として禁輸措置をとったことから、にわかに食糧安保論が高まってまいりました。農林水産省の試算によりますと、五十二年度の金額ベースの自給率は七一%、カロリーベースで四八%となり、オリジナルカロリーで見た場合さらに低下し、国民一人、一日当たり摂取熱量約二千五百カロリー、そのうち安静時の水準が千五百カロリー、従来この千五百カロリーは国内で生産可能と言われてきたのでありますが、輸入が完全にストップした場合、この千五百カロリーさえ困難だと見通されるに至ったのであります。減反に次ぐ減反政策で、わが国農業は崩壊の一途をたどっております。一国の総合安全保障は、食糧、燃料、兵器と言われており、わが国が兵器だけをGNP一%以上をもくろんでも、食糧自給率の低下により、ここから大きく崩れ去ることは間違いありません。食糧安保の確立、すなわち、輸入農政から自給率を高める農政に転換すべきだと思うのでありますが、その展望を承りたいのであります。(拍手)  資源小国日本は、食糧を輸入に依存し、エネルギー源またしかりであります。私ども日本社会党は、平和主義、中立外交、国連重視の姿勢を貫いてまいったのであります。米ソ二極構造の中で一方に偏し、他方を敵視するならば、わが国存立の基礎を失うことは間違いありません。  総理、いまこそ、経済大国日本の総理として第三の道を選択し、米ソ両陣営に向かって堂々と発言し、行動する絶好の機会であろうと思います。世界百六十カ国に及ぶ独立国が存在するとはいえども、第三の旗を掲げ得る国は、世界唯一の平和憲法を持つ、他に類を見ない経済力を背景にした日本をおいて他にありません。総理の決断を促して、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣大平正芳君登壇
  65. 大平正芳

    内閣総理大臣(大平正芳君) 伊賀さんの第一の御質問は、防衛費の上限問題につきまして大来外務大臣と官房長官の発言は食い違っておるのではないかという御指摘でございました。  わが国の防衛力の整備につきましては、防衛計画の大綱を策定いたしまして、それをベースにいたしまして年々の予算の編成を通じてその実現を図っておるわけでございまして、当面はGNPの一%を超えないことをめどとするという閣議決定を私ども変えるつもりはないわけでございます。外務大臣が言われたことは、こういうGNPに対する比率が前提になって防衛費が決められるものではなくて、年々歳々の予算を通じまして、防衛計画にのっとりまして誠実に必要とする防衛力を積み上げていく、そして国民のコンセンサスを求めていくということでございまして、伊東官房長官が仰せになりましたこともその趣旨と同一でございまして、政府部内に意見の不一致があるわけではございません。  それから第二番目の問題として、機密保護法を制定しようとしておるのではないかというようなお尋ねでございました。  防衛庁に不幸にいたしましてスパイ事件が起こりましたことは、大変遺憾に存じておりまして、われわれといたしましては、庁内に委員会を設けまして、現行法制の中で機密防衛のためにどういう措置を講ずべきかということをいま鋭意検討いたしておるわけでございまして、政府として機密保護法を制定するという意図はいま持っておりません。  それから第三の問題といたしまして、財界の方面で武器輸出の規制を緩和したらどうかとかあるいは徴兵制等についての発言があったが、これに対して政府はどう考えるかという御質問でございました。  武器輸出につきましては、武器輸出を規制する三原則を政府は変えるつもりはないのでございまして、今後ともこの方針を貫きたいと考えております。  徴兵制につきましては、今日まで終始申し上げておりましたとおり、政府として徴兵制を毛頭考えていないことも、伊賀さん御承知のとおりでございます。したがいまして、こういう方々の御要請というものに対する、その熱意は理解できないわけではございませんけれども、政府の既定の方針に変更を来すつもりはございません。  それから、第四番目の問題として、ボール元次官の空母建造発言というのをどのように受けとめておるかということでございました。  こういう御発言は、ボールさんだけでございませんで、類似のものは米財界人から御提言がありましたことも、われわれは承知いたしております。ただ、これは安全保障面でわが国に一層の努力を求めたいとするアメリカの最近の雰囲気を反映したものでございまして、アメリカ政府の要請でないことは、伊賀さんも御承知のとおりでございまして、われわれといたしましては、日米安保条約を踏まえ、片方、防衛力整備計画を踏まえて、着実に国力と国情に沿った防衛力の整備を進めていくという既定の方針に変わりはないわけでございます。  韓国と合同演習をやるつもりがあるかどうかということでございますが、いまアメリカとの間でいわゆるリムパックという合同演習をいたしておりますけれども、これは自衛隊法に基づきまして、その戦技の向上を目指した訓練でございます。集団的自衛権の行使を前提としない戦術技術の向上を目的としたものでございますならば、韓国との間で合同演習をやりましても別段支障はないと考えておりまするけれども、いま具体的に、韓国との間で合同演習をしようというもくろみを政府は持っておりません。  食糧安全保障の問題、その他につきましては、所管大臣並びに防衛庁長官からお答えいたします。(拍手)     〔国務大臣大来佐武郎君登壇
  66. 大来佐武郎

    ○国務大臣(大来佐武郎君) 日本の防衛努力について、まずブラウン国防長官から、最近の国際情勢の推移に伴い、米国としては国防能力の向上に努力中であり、一連の予算削減にもかかわらず、国防費だけは引き続き五%増額支出を維持していくことを決定している旨の説明がございました。日本の防衛予算については、日本自身が決めるべきことではあるが、今後とも着実かつ顕著に増大していくことを期待する旨の発言があったわけでございます。これに対しまして私から、日本の財政事情、国民のコンセンサスなどの問題もございますので、短期間に大幅な増大は無理である、ただ、着実な増大については努力する考えであるという答えをいたしたわけでございます。(拍手)     〔国務大臣竹下登君登壇
  67. 竹下登

    ○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問でございますが、総理からきわめて明快にお答えがございました。総理がお答えになりましたとおりでございます。(拍手)     〔国務大臣細田吉藏君登壇
  68. 細田吉藏

    ○国務大臣(細田吉藏君) 私に対する御質問の第一点は、機密保護法制定の問題でございますが、この点に関しましては、総理からすでにお答えがございましたので、私、つけ加えて申し上げておきたいと思いますることは、今回起こりました防衛庁の不祥事件、非常に重大なことであると存じております。このようなことが再び起こらないように、私どもの方では万全を期するように、いまいろいろ検討も加え、改善も加えようといたしておる次第でございます。法律を直ちに制定するというようなことにつきましては、ただいまのところ私ども考えておりません。  次に、リムパックの問題でございますが、これまた総理からお答えがございましたけれども、私どもは、あくまでも自衛隊法に基づく戦術技能の向上というものを目標として訓練に参加しておるのでございまして、憲法上許されない集団自衛権につながるような演習は絶対にいたしておりません。かように御理解をいただきたいと思います。  これに関連しまして、韓国との問題でございますが、これまた総理からお答えがございましたけれども、米韓の間でチームスピリットという韓国を防衛するための共同訓練が行われております。これは韓国を守るものでございまするので、これにわが国が参加するということは、これは集団的自衛権につながりまするので、当然考えておりません。  一般論として、韓国との共同演習はどうであるかということでありますが、法制上は可能であると存じております。しかしながら、ただいまは具体的な話もございませんし、これをいま行うというふうには考えておりません。  最後に、海峡封鎖の問題でございますが、海峡封鎖については、アメリカ側から三海峡、宗谷、津軽、対馬三海峡封鎖について申し入れがあるわけでも、話があるわけでもございません。海峡封鎖というのは、この三海峡のうちの一つでもこれは大変重大な事柄だと存ずるのでございまして、わが国が海峡封鎖をいたすということは、わが国が攻撃を受ける、こういう非常に重大な際にこれが初めて許されることであると考えております。したがいまして、これにつきましては、私ども、今後ともそうした非常な事態に対して海峡封鎖の能力を整備するというような点、あるいは各般の検討をいたし、研究をいたすというようなことは必要かと存じまするけれども、軽々にこの海峡封鎖をやるというようなものではございませんし、特に、単にどこかから要求があったからやれるという性格のものでは毛頭ございません。  以上で大体漏れはないと思っておりますが……。(拍手)     ―――――――――――――
  69. 岡田春夫

    ○副議長(岡田春夫君) 中路雅弘君。     〔中路雅弘君登壇
  70. 中路雅弘

    ○中路雅弘君 私は、日本共産党革新共同を代表しまして、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。  この防衛法の改正は、自衛隊二千三百三十一人、予備自衛官二千人の増員、潜水艦隊、補給本部の新設及び曹長の新設を内容としています。  これらの防衛法の改正は、対米従属、違憲、国民弾圧の自衛隊の増強を推し進めることを目的としたもので、断じて容認できません。  私が第一に指摘したい重大問題は、大平内閣の今日の自衛隊増強政策は、中東、ペルシャ湾を焦点に力の政策を推進しようとするカーター新戦略の対日防衛分担要求に従って、日本をアメリカの危険な世界干渉戦略に深く巻き込むものだという点であります。  カーター戦略に追随したかかる自衛隊増強路線は、日本の平和と安全のみならず、世界の平和と安全を脅かすものとならざるを得ません。  去る一月末のブラウン国防報告では、ヨーロッパでアメリカが戦争を起こしたとき日本は直ちに三海峡封鎖を行うよう要求しているけれども、これこそまさにアメリカの戦略に巻き込まれる自衛隊の危険な実態を端的に示すものであります。  総理、このような恐るべき実相を包み隠さず国民の前に明らかにすべきだと考えますが、明確な答弁を求めます。  第二に重大な問題は、日本が現にアメリカ第七艦隊の中東出動の拠点となり、緊急投入部隊の発進基地にされる計画と相まって、一昨年十一月取り決められた「日米防衛協力のための指針」のもとで、陸海空の米軍と自衛隊の共同演習はかってなく強化され、アメリカ海兵隊の大規模な上陸演習フォートレスゲールやリムパック五カ国合同演習への自衛隊参加などに見られるように、日米共同作戦態勢が本格的に進められていることであります。  今回のこの改正案は、この危険な日米共同作戦態勢強化の一環をなすものであり、特に潜水艦隊の新設は、潜水隊群の統一司令部を置き、指揮、運用の効率化を図ろうとするものであります。それは、アメリカの補完戦力として海上自衛隊の対潜能力を強化し、対潜水艦作戦や三海峡封鎖、広大な海上兵たん線、補給路の防衛分担の拡大を目的とするものであることは明白であります。なぜなら、アメリカはそのために海上自衛隊の対潜能力の向上をかねてから強く求めてきており、政府はその要請にこたえて、潜水艦の増強やP3C対潜哨戒機の導入、機雷敷設能力強化に最大の力を注いできたのであります。潜水艦隊の新編成計画は、自衛隊の対米従属機能をますます強化するものだと思うのでありますが、政府の見解を求めます。  第三に重視している問題は、第七艦隊を補完する実戦部隊として自衛隊を強化するための実地訓練がいよいよ強められてきていることであります。  政府は、太平洋五カ国合同演習、リムパック80への自衛隊参加の目的について、戦術技量向上のためとか、特定のシナリオはないとか、しきりに弁明してきました。しかし、主催国アメリカの当事者であるワイズナー米太平洋統合軍司令官は、すでに昨年二月の上院軍事委員会における軍事態勢報告の中で、太平洋の演習の同盟国軍の連合参加は、われわれ同盟国が地球の安全と安定の負担を分担するための準備であり、太平洋軍内で起こり得るさまざまの偶発事態に対処する態勢を確立するためであると演習の位置づけを明確に述べているのであります。  総理、あなたは、こうした証言にもかかわらず、今回の演習への自衛隊参加を、自衛隊法の定める戦技訓練であると言い張るつもりかどうか、明確な答弁を求めます。(拍手)  また、この点で重大なのは、自衛隊の艦艇がアメリカ空母を護衛する輪型陣その他の陣型に加わっていたことであります。わが党の追及に対し、政府は、輪型陣は組むが統一の指揮官はいないとか、事前に調整するなどと言ってきましたが、これは全くのごまかしであります。自衛隊を含む参加部隊が、調整官と呼ばれる米軍司令官を事実上の統一指揮官として作戦訓練を行ったことは、多くの報道が明らかにしているところであります。  また、演習実施の過程で予期せざる対抗部隊や天候、潮流などの事態が発生した場合、統一指揮官がいなくてどうして連合の艦隊行動がとれるでしょうか。  現に、昨年一月、わが党訪米調査団がアメリカ国防総省代表と会見した際、統一司令部を持たない共同作戦があり得るか、そういう例があったら知りたいとただしたのに対し、私は知らないとはっきり答えているのです。これでも統一指揮官は存在せず、調整官だけだなどと言うつもりですか。明確に答えていただきたいと思います。  さらに、政府は、今回のリムパック演習の具体的内容や想定について、アメリカが公表してはならないと言っているとの理由で公表を拒否してきましたが、それは国民には明らかにできない演習をやってきたからではないですか。私は、政府自身が口にしているシビリアンコントロールからいっても、国権の最高機関である国会に演習内容を具体的に明らかにすることは当然のことだと考えますが、総理の見解を伺います。あわせて防衛庁長官に対し、その内容について説明を求めるものであります。  第四に私が重大視せざるを得ないのは、今回の防衛法改正による日米共同作戦態勢強化と結びついて、二隻目の米空母の母港化計画が進行しているとの問題であります。  アメリカ国防当局は、このほど、第七艦隊に所属する二隻目の空母の新母港として横須賀が最適であるとの結論に達したと報道されています。すでに、こうした話がアメリカ側からあったのかどうか、まず伺いたいと思います。  現在、米空母ミッドウェーの外国における母港化は横須賀だけであるにもかかわらず、さらに新しい空母の母港化にするとすれば、それは日本国民、日本全土が一層深くアメリカの危険な世界戦略に巻き込まれるのであります。米空母の横須賀母港化は地元神奈川県当局も反対の意向であり、横須賀はもとより、それ以外の候補地にも絶対に受け入れるべきでないと考えますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。  あわせて、当初両三年とされていたが、すでに七年にわたって居座っているミッドウェーの母港承認の撤回を強く求めるものであります。総理の見解をお伺いしたいと思います。  第五は、在日米軍基地経費の日本側負担を増額しようとする問題であります。  政府は、すでに一昨年、在日米軍を維持することに伴うすべての経費は、日本国に負担をかけないで合衆国が負担すると明記した在日米軍地位協定第二十四条の規定や従来の政府見解も覆して、アメリカ政府の要求に積極的にこたえ、新規施設の建設費負担ばかりか、日本人基地従業員の労務費の一部負担まで行うようになったことは、絶対に許すことはできません。  すでに、昭和五十五年度予算で在日米軍駐留経費約千五百億円を計上している上に、さらに、日米地位協定さえも完全に空文化するこのような不当な費用分担の増額要求を受け入れるつもりなのかどうか、明確な答弁を求めるものであります。(拍手)  最後に、大来外相は訪米で、アメリカ側の軍事力増強の強い要求に対し、積極的に対応する姿勢を明確に打ち出したと報道されていますが、これはきわめて重大であります。  防衛力の増強をアメリカ側に約束した中身とは一体どんな内容のものか、明らかにしていただきたいと思います。  結局、アメリカ側が要求してきていることは、七七年の米会計検査院報告で、同盟国は防衛経費のより公平な分担を引き受けるべきである、これを日本に適用することは理由があると述べているように、アメリカとGNP比同率の軍事費の大幅増額への方向を求めてきているのではないですか、はっきりとお答えいただきたいと思います。  最近のストックホルム国際研究所の年報によると、過去十年間の世界軍事支出の伸びが年率一%であるのに対し、何と日本は約六%と実に六倍の勢いで増大しており、世界第六位の軍事費に達しているとされています。  総理にお聞きしますが、今後ますます軍事費を増大させ、GNP一%を超えることもやむを得ないと考えているのかどうか、明確な見解を示していただきたいと思います。(拍手)  終わりに、日本共産党革新共同は、自衛隊の増強、日米共同作戦の強化に反対し、日米安保条約の廃棄、軍事ブロックの解消、自主独立、非同盟中立への国政の転換を強く要求し、その実現のために全力を尽くす決意を述べて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣大平正芳君登壇
  71. 大平正芳

    内閣総理大臣(大平正芳君) 中路さんに対するお答えの前に、先ほど伊賀さんからお尋ねいただきました農業安全保障問題について、答弁漏れがございましたのでお答えさしていただきます。  御指摘のように、農産物、食糧が重要な戦略的な物資になりかねない状況になっておりますることは、御指摘のとおりだと考えております。  政府といたしましては、国内において生産可能なものの生産性の向上に極力努め、自給力の向上を図りたいと一方において考えながら、国内農業との調整を図りながら、輸入の増強を通じて国民食糧の確保に努めて、備蓄への配慮も怠らないつもりでおるわけでございまして、事態の進展に応じまして、政府としては適時適切な対応策を講じて安全保障に資したいと考えております。  中路さんの第一の御質問は、リムパックについてのお尋ねでございました。  本院を通じまして、私、政府は、終始、このリムパック参加は戦技の向上、技術の向上を目指したものであり、集団自衛権を前提としたものでないことは繰り返し御説明申し上げてあるところでございまして、この内容を公表すべきでないかということでございまして、この内容は四カ国共通で公表いたしておるところでございますが、それ以上に日本として公表するかどうかにつきましては他の参加国の同意を必要とするわけで、そういう状況にありますことは御了解いただきたいと思うのでございます。  しかし、そう言うものの、アメリカ太平洋統合軍司令官は、この演習目的について、「同盟国が地球の安全と安定の負担を分担するための準備」であり、「太平洋地域で起こり得る偶発事態に対処する態勢」云々というような発言をされておることを御指摘になりましたが、それは御指摘のとおり私どもも承知いたしておりますが、この発言の趣旨は、「同盟諸国が米太平洋軍の主催する訓練に参加することは、同盟諸国の戦術技量の向上となり、地域的な安全保障の強化に役立つ」ということを言ったにすぎないものと私どもは理解をいたしております。  ミッドウェーの母港化承認の撤回を求めるつもりはないかということでございますが、昭和四十八年当時、空母ミッドウェーの乗組員の一部の家族が横須賀に居住することになりました当時、政府としては、かかる家族居住計画が三年で終了するとは申し上げてないわけでございます。なるほど、ミッドウェーもオーバーホール等の必要のために三年ぐらいたったら本国に帰るのではないかというような観測を申し上げたことはあるようでございますけれども、家族居住計画それ自体を三年内で終了するとは申し上げてないことは、中路さんにも御承知願いたいと思うのでございます。  これまでのところ、米側よりこの計画を取りやめるという意向の表明はございません。日本側としても、この計画の撤回を求めるつもりはございません。  最後に、防衛力整備のめどをどこに置くのかという意味のお尋ねでございました。  たびたび申し上げておりますように、すでに政府としては、決めておりまする防衛力整備の大綱というものを持っておりまして、当面のところ、GNPの一%以内においてその実現を年々計画して努力していこうということになっておるわけでございまして、この基本の姿勢は変えるつもりはないのでございます。  今後の国際情勢、国の財政状況等々を十分吟味しながら、年々の予算編成を通じまして、政府の防衛力整備の方針を決めて、世論の理解を得ながら着実に進めていきたいと考えておりまして、何%とかいうような具体的なめどを持っておるわけではございません。(拍手)     〔国務大臣細田吉藏君登壇
  72. 細田吉藏

    ○国務大臣(細田吉藏君) まず、潜水艦隊の新設の問題でございますが、これは現在二群に分かれております潜水艦部隊の指揮を一元化しまして運用効率を高める、これはわが方自体の必要性、潜水艦隊を強化するために考えておることでございまして、アメリカから要求があったとか、あるいは第七艦隊の力を補充するとか、そういうことを目的として行うものではございません。  次に、リムパックの問題につきましては、ただいま総理からお答えがございましたが、また、先ほども御答弁をいたしましたが、さらにつけ加えて申し上げたいと思います。  まず最初に、統一的な指揮がなければ演習にならぬじゃないか、こういう御意見でございますけれども、現に日本に対する武力攻撃がなされた場合に、自衛隊と米軍が日本防衛のための作戦を共同して実施する場合のいわゆるガイドライン「日米防衛協力のための指針」というものを決めておりますが、この中で、一番肝心な問題として「自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下に、それぞれの指揮系統に従って行動する。自衛隊及び米軍は、整合のとれた作戦を共同して効果的に実施することができるよう」にする、こういう原則をとっておるのでございまして、これは調整の上で作戦を行うということでございます。  また、御質問の中には、指揮が確立しておらなければ、いろいろ突発的な事態が起こったときにこれに対応していけないではないか、こういう御意見がございましたが、このようなことにつきましては、あらかじめ十分いろいろな場合について調整をいたしておりまするので、かような必要はないとは存じまするけれども、何らかの調整をさらに必要とするような場合にも、調整官を中心としまして、参加各国の指揮官同士の調整に基づいて、その都度適切な処置がとられるようになっておるのでございます。  二月二十四日に発表されましたリムパック80の発表文におきましても「リムパック80は、第三艦隊司令官の全般的な調整の下に実施される。個々の部隊の指揮及び統制は、各国指揮官の責任である。」ということでございまして、統一指揮官というものはございません。  なお、今回の演習の内容について具体的に明らかにせよということでございますが、これにつきましては、発表可能なものはすでに新聞を通じて発表いたしておりまするので、この席では申し上げることを省略さしていただきたいと思いまするけれども、その主なものについてだけ申し上げますと、二月二十五日サンジェゴを出港いたしまして、総合的な訓練を実施するハワイ周辺の海域、これに出かけます途上、海上自衛隊が単独で、また米国艦艇とともに――米国だけでございます。米国艦艇とともに事前準備訓練を実施しております。  また、中部太平洋におきましては、対敵顧慮下の移動訓練、水上打撃戦訓練、対潜捜索攻撃訓練、防空戦訓練、電子戦訓練等を行っております。  さらに、この後カウアイ島の西方海域に移動いたしまして、誘導武器評価施設を使用したミサイル等の発射訓練を実施いたしました。  なお、航空機につきましては、ハワイのバーバスポイントを基地として、 ハワイ周辺の中部太平洋において対潜捜索攻撃訓練を実施いたしました。  これが、発表になっておりまする、そして私どもが承知しております今回の演習の具体的な内容でございます。     〔国務大臣大来佐武郎君登壇
  73. 大来佐武郎

    ○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまの御質問の件は、アメリカが日本に対して同等の防衛負担を要求しているのではないかという御質問、さらに、日本の防衛費支出が過去十年間に六%ずつふえておるじゃないかというような御指摘でございます。  今回、ワシントンに参りましてブラウン国防長官と会談いたしました際に、先方からの話といたしましては、最近の国際情勢、特に極東におけるソ連の軍事力の急激な増強あるいは中東における情勢等にかんがみて、日本の防衛費の着実かつ顕著な増大を期待したいという発言があったわけでございます。これに対して、私の方からは、日本は平和憲法のもとで専守防衛に徹するというたてまえであって、国民のコンセンサスを土台にして防衛問題は考えていかなければならない、そういう立場から言って、顕著にというような大幅な増大ということは考えられないということを申し上げまして、ただ、着実な増大はできるだけ日本としても図ってまいるつもりだということを申したわけでございます。  基本的には、現在及び将来の世界情勢のもとで、どうして日本人、日本の安全を確保していくか。日本といたしましては、最小限の防衛力と日米安保条約に基づく抑止力に基づいて日本国民の安全を図るという、こういう選択を従来してまいったわけでございます。ブラウン長官も、日本がそういう基本的な条件を持っていることは十分に承知している、ただ、そういう基本条件の中におきまして、日本がみずからを守るという点でまだある程度の努力をする余地があるのではないか、そういう点の話があったわけでございます。  そういう全般の情勢から申しまして、アメリカ側は決して、日本がこの世界戦略の中に巻き込まれるというか、その中に入って行動しろということは全然要求しているわけではございません。日本自身を守る、いかにして日本人の安全を守るかということを中心にして防衛問題を考えるというたてまえで、この点は、もちろん基本的に日本人自身が決める問題であるがということを申しておるわけでございます。  成長率につきましては、経済成長率が高いということもございますし、この全体としての防衛支出が世界各国に比べてきわめて低いということは御承知のとおりでございまして、この点につきまして御指摘のような点が、成長率の面から申された点は、必ずしも当たらないのではないか、そういうことでございます。(拍手
  74. 岡田春夫

    ○副議長(岡田春夫君) これにて質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  75. 岡田春夫

    ○副議長(岡田春夫君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時十七分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣         内閣総理大臣  大平 正芳君         法 務 大 臣 倉石 忠雄君         外 務 大 臣 大来佐武郎君         大 蔵 大 臣 竹下  登君         文 部 大 臣 谷垣 專一君         農林水産大臣  武藤 嘉文君         労 働 大 臣 藤波 孝生君         建 設 大 臣 渡辺 栄一君         自 治 大 臣 後藤田正晴君         国 務 大 臣 伊東 正義君         国 務 大 臣 長田 裕二君         国 務 大 臣 園田 清充君         国 務 大 臣 土屋 義彦君         国 務 大 臣 細田 吉藏君  出席政府委員         防衛庁防衛局長 原   徹君         外務省条約局長 伊達 宗起君