○沖本
委員 登録法からは少しはみ出るわけですけれ
ども、民事
局長にお伺いしておきたいのです。
帰化の条件として無傷でなかったらいけないという
一つの条件があるわけですね。道交法の中の一方通行に違反して傷がついた場合でも、帰化の条件からすれば傷がついてしまうというふうな
取り扱いがあるわけですけれ
ども、この辺は
法律を無視するということではないわけですけれ
ども、こういうふうな
内容のものは、この間飯田
先生もいろいろ御
質問なさっていましたが、善良な市民生活をしていく上のいろいろな条件の中で、このごろ車時代ですから
日本人だれしも違反をしようと思ってするわけじゃないけれ
ども、一方通行の標識が変わっておったことを知らないでつい突っ込んだり、いろいろ軽い道交法違反的なことは種々あるわけです。それも全部傷で帰化の
許可対象から外れてしまうということは実務的な問題として少し過酷過ぎるのじゃないだろうか。
日本の諸条件に照らしてみて善良な市民としての生活を長年続けておれば実際的にそれを見てあげて、できるだけ
日本の市民としての市民権を与えていくという行き方でないと実情にそぐわないし、かえってその辺がおかしいんじゃな
いかというふうにも私は
考えておるわけです。
それからもう
一つは、これは御担当はどこになるかわかりませんけれ
ども、たとえて言うなら雇用
関係についてもいわゆる差別をしてはならないということですから、
職業の選択あるいは住居の選択の自由と並んで、就職する場合の身分について差別してはならないという扱い方がちゃんとあるわけです。ところが、戦前に
日本に強制的に連れてこられた、それで当時はやむを得ず
日本に住んだ、あるいは強制労働的に連れてこられて住んできておる、そして
日本人名を名のれということを強制してきた。ところが戦争が終わったらまたもとへ名前を戻せというふうな扱い方がいろいろあるわけです。そういう問題について労働省の方では、それを就職のときの障害にしてはならない、差別の条件にしてはならないという通達をいろいろ出して、学校へ入る場合あるいは就職の場合もそういう点は条件から外しているわけですけれ
ども、こういうふうな
内容のものと、それからここで
登録業務に関する厳しい規定を並べていくと、大分その条件が違っている、こちらの方がよほど厳しい感じを受けるわけですね。
そうすると、
日本の国の中で生活しておりながら、あるところでは厳しいし、あるところでは緩いしというふうな、それこそそういう面についての差別感覚というものがいろいろあって住みにくい、暮らしにくい、さりとてもう
日本に長年住んでおって
日本語しかしゃべれないというような条件がいろいろあるいわゆる在日
朝鮮人、
韓国人という問題がしばしば出てくるわけです。そういうものとあわせていったときに、そういう
人たちが
日本の国の中でいわゆる違法な生活をやっていく、やくざに変わっていくとかあるいは麻薬を扱うとか密輸するとか、そういうことのために
日本に住むことを条件にしているのと違って、できるだけ善良な
日本人としての生活をしていこうと努力している
人たちにそういう
内容のものが加わってくると、これは非常に厳しい条件になって、おまえさん方は
いかに善良に暮らしても
日本で暮らすことはまかりならぬのだということになっていくし、そういうことになってくれば、おまえさん方が勝手にわれわれを
日本に連れてさておいていまさらというものも出てくるということになるわけじゃな
いかと
考えるわけですけれ
ども、こういうふうな問題そのものは原爆症の
人たちのところにも問題がいろいろ加わってきているわけですから、そういう面をいろいろ
考えていきますと、扱い方というものにもっと配慮というものがされていいんじゃな
いか、善良な人間としての
取り扱いに対する法の保護なり何なりという配慮というものが行われなければならない、こういうふうに私は
考えるわけですけれ
ども、その点についての当局のお
考えをお聞かせいただきたいと思います。