○
前田(宏)
政府委員 いわゆる
ロッキード事件と、ダグラス・グラマン
事件の公判
状況につきまして概略を申し上げます。
いわゆる
ロッキード事件、いろいろな系統に分かれておりますので順次そのルートごとに申し上げるわけでございますが、第一のいわゆる丸紅ルートにつきましては、本年の三月二十一日現在で九十七回公判が開かれております。昨年の四月からは被告人
質問の
段階に入っておりまして、すでに大久保被告人と檜山被告人
関係の
質問が一応終了いたしまして、伊藤被告人に対する
質問が行われているわけでございます。
それぞれの供述の
内容等は新聞報道等でも出ておるわけでございますが、その要点を申しますと、大久保被告人
関係ではすでに御報告申し上げたとおりのようなことでございまして、おおむね検察官の冒頭陳述書記載の事実に沿うような供述と言ってよろしいかと思いますけれ
ども、檜山被告人
関係では必ずしも捜査
段階の供述と一致するような供述が得られていないというようなこともございます。したがいまして、検察官調書の採用という問題が起こり得るわけでございます。また伊藤被告人
関係では、現在被告人
質問が継続されている
段階でございますので、中間で途中までのことを申し上げると誤解を招くかもしれませんので、差し控えさせていただきたいと思います。
それから第二の全日空ルートでございます。これは合計で百三十四回の開廷がなされておりまして、全日空側の各被告人に関します外為法違反また議院証言法違反、この
関係の
事件では、検察官側の
立証がおおむね終了いたしまして、弁護人側の反証
段階にあるということでございます。
それから、この
関係の中で橋本、佐藤両被告人の受託
収賄関係でございますが、この点につきましては、当時の運輸省の幹部に対する
証人尋問でありますとか贈賄側の重要
関係者に当たります若狭被告人に対する
質問でありますとか、そういうものが行われておりまして、検察官側の
立証は、被告人両名に対する
質問を除きまして、おおむね終了しているような状態に至っております。それで、来る四月からは弁護側の冒頭陳述が行われて反証に入るという予定のように聞いておるわけでございます。
それから次のいわゆる児玉ルートでございますが、これも御案内のとおり、被告人が病気の後遺症等がありますので在廷しないという状態での審理が続けられておりますが、現在まで五十三回の公判が開かれております。それで、この
関係のルートにおきましては、検察官側の
立証はおおむね終了しておりまして、弁護人側の反証
段階に移っておるわけで、今月の二十七日に次回の公判があるわけでございまして、弁護側の反証がこの辺で済むかどうかというようなことになっております。
それから小佐野ルート
関係の公判、これが前回まで四十回開かれておりまして、実は被告人
質問を残して検察官側、弁護人側の
立証というものがおおむね済みかかっていたわけでございますが、この問題は御案内のとおり議院証言法違反ということが問題でございまして、そこの偽証と言われております事実の中での大きな事実は、小佐野被告人が二十万ドルを受け取ったかどうか、こういう点であるわけでございます。
この点につきましては、これもいろいろな機会に申し上げておりますように弁護側の反証活動が活発でございまして、検察官側といたしましては当初の予定に従って
立証に努めていたわけでございますけれ
ども、それに重ねまして、去る六日の公判で冒頭陳述の補充訂正ということを行ったわけでございます。この冒頭陳述の補充訂正におきましては、小佐野被告人がサンズホテルというホテルに対して支払いをしたということで、その支払いの最終の二十万ドル、これがロッキード社の方から来た金であると一応認められるという
趣旨のものでございますが、これは
委員に申し上げるまでもないと思いますけれ
ども冒頭陳述の補充訂正ということでございまして、まだこれからその事実は
立証するということになっておるわけでございます。また、その冒頭陳述の補充訂正に対しまして弁護人側、被告人側がどういう
対応をするかということも今後の問題であるわけでございます。
以上がいわゆる
ロッキード事件関係でございます。
それから第二のいわゆるダグラス・グラマン
事件の公判
状況でございますが、この方がわりに進行が早うございまして、御案内のとおり、海部八郎ら三名に対する外為法違反それと議院証言法違反があり、また有森國雄に対する議院証言法違反があったわけでございますが、有森
関係の
事件は、昨年の十二月十四日に禁錮五月、一年間執行猶予という有罪判決がございまして、すでに確定いたしております。
それから海部被告人らに対します
事件の方は、現在まで公判が七回開かれておりますが、若干の点を除きましておおむね事実を認めるという被告人側の態度でございましたので、証拠調べも比較的スムーズに進行しておるというふうに聞いておるわけでございます。検察官側の
立証がおおむね終了し、弁護人側の情状
立証に入っておって、これも近く終わるであろうというふうに承知いたしております。