○吉井説明員
先ほど私ちょっと不明確に申し上げまして大変に申しわけございません。
私は、四月十五、十六日のストライキを小規模と申したわけではございません。四月に入りましてそのほかに二時間、三時間といった規模のストライキが行われておりました。この中で減収につながりましたものが十五、十六日、このように申し上げたつもりでございまして、決して十六日のストライキが小規模であったというようなことを申し上げる意思ではございませんでしたので、一言おわびとともに、訂正をさせていただきます。
ただいま先生お尋ねの、ストライキの場合のスト対策をどのようにしておるかということでございますが、確かにストが行われましたとき、特に私鉄が動いております場合、その間の乗りかえのお客さんの混乱を未然に防ぎますための案内要員あるいは要員確保のための措置というようなことをいたしておるわけでございますが、実はこの金額が幾らになるかというお尋ねもございましたが、実は私ども
予算の費目といたしましてはとりたててスト対策というものを区分いたしておりません。それぞれ費目に従いまして超過勤務あるいはまた旅費その他の決算をいたしておるわけでございまして、また、事実ストライキが行われますために、そうでなければ当然支出いたしたであろう、俗に申しますたとえば混雑駅のしり押し要員といったものはその日は支払わなくて済むというふうなことでございまして、実はそのことの可否につきましては大いに御議論があろうかと思いますが、私どもの経理の仕組みといたしましては、特にそのためのものをとりたてて
集計できるという形になっておらないわけでございます。したがいまして、ただいま御
質問がございました、そういった費用を累算したら一体幾らになるかということにつきましては、正直申し上げまして、私ども現在金額を持っておらないということでございます。
ただ、先生ただいま、その額がたとえばストによる減収額に等しいのではないか、たとえば五年間で一千億近くになるのじゃないか、こういうお尋ねでございますが、実態といたしまして、かつてはストのために局員もしくは管理者を大量動員いたすということもございました。しかしながら、そのことの是非についてもまた議論があろうかと思いますけれども、ただいまはそのような大量動員をいたしておりません。むしろ金額といたしまして考えられますことは、ストライキ後の立ち上がり、列車運転を特に早く正常な運転に戻すというために、スト後の初発あるいはその次ぐらいの列車の乗務員を、今回の場合でありますと、私鉄区間につきましては私鉄でできるだけ最寄りまで運ぶということもいたすわけでございますが、その他の交通機間がありません場合にはタクシーをチャーターして送るというふうなことがございます。そういった費用が主になろうかというふうに思うわけでございまして、実は、
先ほども申しましたように明確な金額を持っておりませんので、先生の御推定に対する反論ということもできかねるわけでございますが、決してそのような多額のものではない。しかしながら、
先ほども御
指摘ございましたように額の多少の問題というよりも、ストライキに伴いましてこのような経費の支出があるということも事実でございますし、また、
先ほどお話がございましたように、そのことの直接の
影響のほかに、やはり年々繰り返される違法ストのために、国鉄は輸送機関としての信頼を
国民の皆さんから失う、そのことのための国鉄離れが起こるということもまた事実でございまして、そういった意味から、私ども、違法ストにつきましてはぜひともこれを回避したいということで努力をいたしてまいったつもりでございますが、このような結果になったことをまことに申しわけなく存じておる次第でございます。