○正
示国務大臣 私
どもは先ほどお示しした印刷物にも言っておりますように、まず
物価の安定だ、インフレとの闘い、これに勝利をおさめるということが先決だ、これで
経済の底を固めよう、こういう考えなのです。そこで、御承知のように、公定歩合は九分という
史上最高のところまで上げられたわけです。これによってどういう効果があるかと申しますと、まず金利について
一つの天井感を抱くということです。残念なことに、その後アメリカは公定歩合は上げないけれ
ども、いわゆるプライムレートはまだ上がっておるようですね。それで公定歩合
引き上げ、そしてたび重なる
円安対策の効果が円のレートにはまだ十分あらわれておりません。しかし、いま松浦委員も言われたように、輸出の基調はやはり強い。それから
物価対策もいま
正念場に差しかかっておる、そんなような意味から、
日本経済に対する総括的な信認度といいますか、こういうものはじわじわと浸透していくことを私は期待しておるわけです。金利の天井感も、この辺で打ちどめにして、何とかこれを維持していきたい、こういうような気持ちが金融当局には強いと思うのです。
そこで、次に来るのは財政なのです。財政についても、われわれの総合
物価対策の中に適切なる総需要の管理という表現と、財政金融の抑制的運営、こういうことをうたい上げておるわけであります。これで予算が成立した後に
関係当局の間で現実の事態に即応した財政の適切なる運営、こういうことが決められると思うのです。それは非常に大事な
一つのファクターだろうと私は思う。そういうことをやると同時に、
電力、
ガスの
値上げがどういうふうに
経済界の中に
波及していくか、これを最小限度に食いとめる
努力、個別物資について先ほど来お話しの
野菜、水産物等を含めて生鮮食料品、それから生活関連の物資また
産業の基本となるような重要物資、こういうものについても、通産当局も一生懸命にいま
努力をしておるわけであります。また
公正取引委員会でも先ほど来お話しのような
努力が行われておる。私はまさに
物価に対する総力戦の体制は着々とこり固まっておる、こう受けとめておるわけです。これを皆さんの御
協力によってやる。私は
物価問題というのは超党派で進めていただく必要があると思う。おまえたちのやっていることで足らぬということがあったら、ひとつぜひ御
指摘をいただいてこの難局を何とか乗り切っていく、そして底固めをして、その上で
経済の安定、堅実なる
成長、こういうところへ持っていきたいと思う。
そこで、おっしゃるように、
経済については非常に底固いものがいまはありますが、これはいま申し上げたような財政金融等の
影響から若干の足踏み
状態というふうなものの
影響は出て来ざるを得ないというふうに私は思います。
しかし、
雇用面を見ていきますと、これはむずかしいところですが、やや明るさを取り戻しており、こういう
状態というものは当面の春闘の中にも大きく考慮に入りまして、目先の賃上げだけではなくて、
雇用全体というふうな観点から良識ある解決が図られるもの、私はこういうふうにこいねがっておるわけでございます。そういうことがだんだんと底固めの中にあらわれてまいりまして、さあいよいよもう底は固まったということになって——金利についても若干の、これは国際的な
関係がありますから思い切った
引き上げということはなかなかむずかしいと思いますが、やはりある
程度の調整的なものは必要になってくる、財政についてもやはり同じようなことが行われてくるというふうなことを考えますと、ちょうど締めて後をじわじわと堅実な
成長の方に合わせていくような時期が来るのじゃないか。それがさつき総理の言う六月に来るかどうか、これはなかなか予断を許しません。若干時期は違う、あるいはずれるかと思いますけれ
ども、何とか早く底を固めることをやる、それには総力を出し切って短期決戦でいかなければならぬ、こんなようなことでさしずめ
物価問題に全力を挙げて取り組んでいきたい、こう考えております。