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1980-02-19 第91回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年二月十九日(火曜日)     午前零時二十二分開議  出席委員    委員長 井上 普方君    理事 関谷 勝嗣君 理事 渡辺 秀央君    理事 金子 みつ君 理事 松浦 利尚君    理事 中川 嘉美君 理事 岩佐 恵美君    理事 中野 寛成君       小澤  潔君    亀井 静香君       亀井 善之君    岸田 文武君       工藤  巖君    熊川 次男君       田名部匡省君    牧野 隆守君       粟山  明君    小野 信一君       武部  文君    長田 武士君       藤原ひろ子君    塩田  晋君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      正示啓次郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     橋口  收君         公正取引委員会         事務局経済部長 伊従  寛君         公正取引委員会         事務局取引部長 劒持 浩裕君         公正取引委員会         事務局審査部長 妹尾  明君         経済企画庁国民         生活局長    小金 芳弘君         経済企画庁物価         局長      藤井 直樹君  委員外出席者         特別委員会第二         調査室長    曽根原幸雄君     ————————————— 一月三十一日  物価高騰反対等に関する請願外一件(伊藤茂君  紹介)(第三五四号)  同(田川誠一紹介)(第三五五号)  同(高橋高望紹介)(第三六一号) 二月六日  物価高騰反対等に関する請願中路雅弘紹介)  (第六一一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  物価問題等に関する件(物価対策及び国民生活  行政等)      ————◇—————
  2. 井上普方

    井上委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、正示経済企画庁長官から、物価対策並びに国民生活行政について発言を求めておられますので、これを許します。正示経済企画庁長官
  3. 正示啓次郎

    ○正示国務大臣 わが国経済運営基本的あり方につきましては、さき経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  最近のわが国経済をめぐる内外諸情勢は、石油問題の深刻化を初めとしてますます厳しさを加えております。第一次石油危機をようやく克服し、安定成長軌道への定着を目指すわが国経済の前途には、多くの困難が横たわっているのであります。  特に物価面では、卸売物価原油を初めとする海外原材料価格高騰等により大幅な上昇を続けており、消費者物価にも卸売物価上昇影響が漸次及びつつあります。  このような情勢のもとで、わが国経済安定的成長を持続していくために、政府は、現下の景気自律的拡大基調維持し、雇用の安定に努めつつ、当面、物価の安定、さらには国際収支を重視して機動的な経済運営を行っていくことを基本といたしております。  以下、今後の経済運営の重要な課題として、物価景気石油の三点にしぼりまして申し述べたいと存じます。  まず、課題の第一は、物価の安定を図ることであります。  このところ、国際収支面では経常収支が大幅な赤字となっており、また、卸売物価の急激な上昇が続いておりますが、これはともに原油を初めとする海外原材料価格高騰という、共通の要因に根差すものであります。  海外原材料高そのもの卸売物価を押し上げるとともに、経常収支赤字拡大し、それが円安をもたらすことによって卸売物価をさらに押し上げるという状況でありました。  この意味からも、国際収支動向には注視を怠ることはできないと考えます。  原油高円安影響等を直接、間接に受けてわが国卸売物価は、本年一月、前年同月比で一九・三%の上昇となっております。  他方、消費者物価は、主要先進国中、西ドイツと並び最も安定した推移を示しております。  海外原材料価格の大幅な上昇各国からのインフレーションの波に洗われながらも、わが国では、企業消費者の冷静な対応に加え、賃金の穏やかな増加生産性の高い上昇等により、消費者物価は、台風等影響による野菜価格高騰が見られるものの、基調としては比較的落ちついた動きを示しております。  しかしながら、さきに述べましたように、卸売物価上昇影響が漸次消費者物価にも及びつつありまして、今後の消費者物価動向には十分警戒を要するものと考えます。  卸売物価上昇影響を最小限にとどめるよう極力努力していく必要があります。  物価の安定こそは経済運営の成否を決するものであります。  私は、物価の安定それ自体が、国民生活安定の基本的条件であること、及び、それが持続的成長を生み出す源であることをここで改めて強調いたしたいと存じます。  政府は、昨年十一月、八項目にわたる総合的な物価対策を定め、鋭意その実施を図ってまいりました。  まず、五十四年度の今後の公共事業の施行に当たっては、物価動向に配慮し、公共事業等歳出予算現額の五%を当面留保いたしました。国、地方をあわせた事業費ベースでは一兆円を上回る金額であります。  通貨供給量は現在安定した推移を示しておりますが、引き続きその動向を注視し、適切な金融調節を図ってまいらなければなりません。日本銀行は昨日、公定歩合を一%引き上げることを決定いたしました。昨年四月から数えて第四次の引き上げであります。これとあわせて、金融機関預金準備率引き上げることとしております。  以上の財政金融両面における措置のほか、石油製品野菜などの生活関連物資及び国民経済上重要な物資について安定的供給確保を図ることといたしております。また、便乗値上げ等不当な価格形成が行われることのないよう、需給価格動向を厳しく調査、監視することとしております。  特に、石油製品価格安定のためには、石油供給計画基本として、実需に応じた供給確保に努めております。  石油消費節約に向けての国民運動石油製品価格安定において重要な役割りを担うものと考えます。  中長期観点からの物価対策としては、農林水産業中小企業等の低生産性部門流通機構合理化促進を行っております。輸入政策競争政策についても十分努力してまいります。  次に公共料金につきましては、物価情勢が厳しさを増しつつある折から、国民生活に及ぼす影響がきわめて大きいことにかんがみまして、経営の徹底した合理化を前提として厳正に取り扱う方針で臨んでいるところであります。  五十五年度の予算関連公共料金改定に当たっては、真にやむを得ないものに限るとともに、その実施時期、及び値上げ幅について極力調整いたしました。  電力、ガスを初めとする予算関連以外の公共料金につきましても経営の徹底した合理化を求め、厳正に対処していく方針であります。  なお、今後の物価の安定を図るためには、仮需の動きを封ずるとともに、インフレ期待未然に防止することが肝要であります。  前回の石油危機の際、在庫積み増しや買い急ぎが起こり、それが激しい物価高となってはね返るという苦い経験を味わいましたが、今回は企業消費者ともに冷静に対処しているところであります。  今後とも早目早目に時宜を得た物価対策を推進してまいる所存であります。  政府各般にわたる物価対策を行い、消費者物価上昇率を五十四年度においては四・七%程度、五十五年度においては六・四%程度にとどめるよう最善の努力を傾けてまいりたいと考えております。  ところで、国民生活の安定と向上を図るためには、物価対策と並んで消費者政策の積極的な展開を図っていくことが重要であります。  このため政府は、消費者を取り巻く環境推移に的確に対応しつつ、商品・サービスの安全の徹底、規格、表示適正化消費者啓発等各種施策を講じてまいります。  課題の第二は、景気維持雇用の安定を図ることであります。  最近のわが国経済は、原油価格の大幅な上昇など厳しい環境のもとではありますが、五十二年度以降における公共投資の大幅な拡大による景気浮揚政策が実を結び、景気は堅調な民間設備投資増大に加え、個人消費、輸出の増加などから、総じて着実な拡大を続けております。  その結果、五十四年度の実質成長率は六・〇%程度とおおむね当初経済見通しどおりになるものと見込まれます。また、鉱工業の生産出荷は引き続き増加基調にあり、企業収益も高い水準維持しております。  雇用情勢もなお厳しさが見られるものの、改善動きが続いております。昨年十二月の有効求人倍率は一年前の〇・六三倍に対し〇・八二倍にまで回復し、完全失業率も二%前後の水準にあります。  しかし、今後の経済動向につきましては、石油価格上昇に伴い、実質需要伸びが鈍化する面も考えていかなければなりませんし、また、アメリカを初めとする世界景気の先行きにも厳しいものがあります。  これからは、五十三年後半から五十四年にかけての拡大基調に比べればやや緩やかな上昇局面になっていくものと考えられます。  政府は、五十五年度の実質成長率を四・八%程度と見込んでおります。これは先進各国の中では最も高く、雇用維持に十分資するものと考えます。  第三の課題エネルギー制約への対応を着実に推し進めていくことであります。  当面、石油情勢の変化から来る各種の衝撃をやわらげながら吸収していくことが焦眉の急務であります。  まず、原油の量の確保でありますが、五十四年度においては、現在までのところ、ほぼ当初計画どおりの量を確保しております。国民生活上重要な灯油も十分な量を確保いたしております。  しかし、国際石油情勢は、依然としてきわめて流動的な様相を呈しております。  今後とも、原油の量の確保には万全を期する考えでありますが、それとともに、石油消費節約を大いに推し進めていく必要があります。  五十四年度についての五%、千五百万キロリットルの節約目標は、国民各位の御協力により、現在までのところかなり順調に達成されつつあります。  先般、政府は、五十五年度について節約の度合いをさらに高め、七%、二千万キロリットル以上を目標に据えて新年早々から、資源とエネルギーを大切にする国民運動を一層強力に推し進めているところであります。  なお、原子力、石炭液化など、石油代替エネルギーの開発を計画的に推進するとともに、石油供給源多様化にもさらに積極的に取り組んでいかなければなりません。  私は、本年は、省エネルギー化を進め、脱石油型社会に向けて、産業構造生活様式を改め、これまでの量的拡大から質的充実へ転換していく新たな出発の年にしなければならないと考えております。  以上、当面する課題とその取り組み方について申し述べました。  今日、石油問題の深刻化を初め、その行く手には容易ならざるものがありますが、政府は、あらゆる努力を払い、国民各層の御期待に十分こたえる政策展開を図ってまいる決意であります。  わけても物価の安定につきましては、世界各国がひとしくインフレーションとの苦しい戦いを強いられている現状にもかんがみまして、いまや国民的課題として、政府はもとより、国民各位が冷静に、かつ、全力を挙げて取り組むことが肝要であります。  本委員会の皆様の深い御理解と力強い御支援を切にお願いする次第であります。(拍手)
  4. 井上普方

  5. 橋口收

    橋口政府委員 昭和五十四年における公正取引委員会業務について、その概略を御説明申し上げます。  昨年のわが国経済は、景気拡大傾向の中で、石油価格の大幅な上昇という事態に直面いたしましたが、公正取引委員会といたしましては、このような状況のもとで、独占禁止政策の適切な運営を通じ、物価の安定に資するよう努めてまいったところであります。特に、昨年は、改正独占禁止法の適正かつ効率的な運用により、価格協定等不当な価格設定に対し厳正に対処するとともに、減速経済下において大きな比重を占めてきております流通分野の問題につきまして積極的に取り組んでまいりました。  まず、昨年における独占禁止法運用状況でありますが、昭和五十四年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は百三件、同年中に審査を終了した事件は三十六件であり、そのうち法に基づき勧告したものは十二件、勧告をしないで直ちに審判を開始したものは一件でありました。また、昨年における課徴金納付命令事件は三件であり、合計三十九名に対し総額四億一千二百七十二万円の課徴金納付を命じました。  次に、認可届け出受理等に関する業務でありますが、まず、合併・営業譲り受け等につきましては、昭和五十四年中に、それぞれ八百七十三件、六百六件、合わせて千四百七十九件の届け出がありました。認可等につきましては、大規模会社株式所有制限に関し、法第九条の二第一項第九号の規定に基づく承認を三件、金融会社株式所有制限に関し、法第十一条の規定に基づく認可を三十六件行いました。  事業者団体につきましては、昭和五十四年中に成立届等千二百二十一件の届け出がなされておりますが、事業者団体による違反行為未然に防止するとともに、その適正な活動に資するため、事業者団体活動に関する独占禁止法上の指針を作成し、あわせて事業者団体実施しようとする活動の適否について、事前相談制度を設けました。  また、国際契約等につきましては、昭和五十四年中に七千四百二件の届け出があり、改良技術に関する制限条項競争品取り扱い制限条項等を含む三百七十八件について、これを是正するよう指導いたしました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、一昨年十二月に改定いたしましたガイドラインの別表掲載事業分野について、実態の把握及び関係企業動向の監視に努めました。  また、価格同調的引き上げにつきましては、特殊調製粉乳、乗用車、普通板ガラスの三件について価格引き上げの理由の報告を求めました。  流通分野の問題につきましては、出版物、自動車、百貨店・大型スーパー等について実態調査を行うとともに、対策の検討及び関係業界に対する指導を進めております。  独占禁止法上の不況カルテルにつきましては、一昨年来実施されていました八品目は、市況の回復等により昨年四月末までですべて終了し、昭和五十四年においては、鋼船不況カルテルについて新たに認可いたしました。  なお、独占禁止法適用除外を受けている共同行為の総計は、昭和五十四年末現在で四百九十四件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。  次に、不当景品類及び不当表示防止法運用状況について申しますと、昭和五十四年中に、公正取引委員会が同法違反の疑いで取り上げました事件は、千三百九件で、このうち排除命令を行いましたものは十二件、警告により是正させましたものは六百十五件でありました。  また、都道府県の行いました違反事件処理件数は、六千六百五十二件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  公正競争規約につきましては、家庭電気製品製造業における景品類提供制限に関するもの等十五件について認定し、昭和五十四年末現在における公正競争規約の総数は、八十二件となっております。  以上簡単でございますが、業務概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。
  6. 井上普方

    井上委員長 次に、昭和五十五年度物価対策関係経費概要について藤井物価局長から説明を聴取いたします。藤井物価局長
  7. 藤井直樹

    藤井(直)政府委員 昭和五十五年度の物価対策関係経費概要につきまして、お手元に差し上げております資料によりまして御説明申し上げます。  物価対策関係経費は、一般会計及び特別会計予算案に計上されております経費のうち、長期、短期にわたりまして物価の安定に資することとなる経費を取りまとめたものでございます。  取りまとめに当たりましては、お手元の一枚目の半裁の資料にありますように、一番から七番までの区分によりまして、低生産性部門生産性向上流通対策労働力流動化促進競争条件整備生活必需物資等安定的供給住宅及び地価の安定、その他の七項目に分類整理しております。  昭和五十五年度の物価対策関係経費総額は、合計欄にございますように四兆三千四百七十億二千四百万円でありまして、昭和五十四年度予算四兆一千五百二十九億九千二百万円に比べまして一千九百四十億三千二百万円、四・七%の増加となっております。  次に、各項目につきまして経費内容を、次のページの縦長の二枚つづりの資料によって御説明申し上げます。  最初にございますのは、低生産性部門生産性向上でございます。  農林漁業中小企業などの生産性伸びが低い部門におきまして、その生産性向上し、供給増大を図ってまいりますことは、物価の安定の面からきわめて重要でございます。ここでは、これらの生産性向上対策経費を取りまとめているわけでございまして、その総額は一兆九千二百十三億四千三百万円、五十四年度予算一兆八千八百五十八億九千万円に比べ、三百五十四億五千三百万円の増加となっております。  その内容といたしましては、一番右側の欄にありますように、農林漁業対策の面では、野菜集団産地育成事業肉用牛集約生産基地育成事業配合飼料価格安定対策畜産振興事業団交付金などの経費が掲げられております。五十五年度には、新たに放牧による割り安大衆肉生産体制整備し、牛肉価格の安定を図るための放牧肉用牛特別対策事業費を計上するとともに、肉用牛繁殖経営規模拡大促進する肉用牛繁殖中核経営育成推進事業費を計上しております。  また中小企業対策関係では、小規模事業対策推進経費中小企業近代化促進費、小企業等経営改善資金融資制度経費などについて所要の予算が計上されております。予算額は、それぞれの経費名の右に示されているとおりでございます。  次のページに移りまして、第二の項目流通対策でございます。  この項目におきましては、流通機構合理化近代化を通じて流通コストの節減に資する経費が取りまとめられておりまして、その総額は五百三十九億一千九百万円、五十四年度予算六百十二億九千八百万円に比べ、七十三億七千九百万円の減少となっております。  具体的な経費といたしましては、卸売市場施設整備、新流通経路育成事業のほか、野菜、果物の流通対策として野菜生産出荷安定資金造成事業野菜売買保管事業野菜広域流通加工施設整備事業などを実施するための経費が計上されております。五十五年度には、新たに、野菜需要に見合った計画的安定的な生産出荷体制整備する重要野菜需給調整特別事業費を計上するとともに、晩柑類の品質維持販売期間拡大を図るため、近代的選果場及び長期貯蔵施設整備する晩かん類等流通施設緊急整備事業費を計上しております。  また、食肉関係流通対策といたしまして、総合食肉流通体系整備食鶏産地格付包装流通センターの設置、食肉流通改善特別対策などの経費が計上されております。  さらに、水産物関係流通対策としまして、魚価安定基金造成水産物流通加工拠点総合整備冷凍水産物流通促進実験事業などのための経費が計上されております。  流通対策としましては、以上の経費のほか、食料品小売業近代化事業費生鮮食料品流通情報サービス事業費などが計上されております。  なお、前年度に比較しまして約七十三億円が減少しておりますが、その大半は、農林水産省所管予算のうちの野菜供給安定基金中央果実生産出荷安定基金協会肉用子牛価格安定基金協会への資金造成等繰り入れ減少したためであります。しかし、これらは、いづれも前年度において資金残が生じていること等のための繰り入れ額減少でありまして、五十五年度に実施する事業規模といたしましては、五十四年度の規模をおおむね上回っております。  流通部門につきましては、このように広い範囲にわたりまして各般施策が進められております。  第三の項目は、労働力流動化促進でございます。  労働力の質を高めその流動化を図ることは、物価安定の観点からも重要であります。  このような労働力流動化促進するために計上されております経費総額は三千二百一億八千五百万円で、五十四年度予算二千八百五十六億四千二百万円に比べ、三百四十五億四千三百万円の増加となっております。  具体的な経費として職業転換対策事業費職業訓練費雇用安定等事業費などがございます。  第四の項目は、競争条件整備でございます。  この項目におきましては、価格が公正かつ自由な競争を通じて適正に形成されるよう市場競争条件整備するための経費が取りまとめられておりまして、その総額は二十三億九千六百万円、五十四年度予算二十三億一千八百万円に比べ、七千八百万円の増加となっております。  公正取引委員会経費がその大部分でございます。  第五の項目は、生活必需物資等安定的供給でございます。  この項目におきましては、生活必需物資及び公共輸送等サービスの安定した供給確保に資する経費が取りまとめられておりまして、その総額は一兆一千二百四十六億六千八百万円、五十四年度予算一兆二百二十八億七千七百万円に比べ、一千十七億九千一百万円の増加となっております。  この内容としましては、飼料穀物、大豆、木材備蓄対策費石油安定供給対策費日本国有鉄道事業助成費地方鉄道軌道整備費補助金地下高速鉄道建設費補助金バス運行対策費地方公営企業助成費環境衛生施設整備費などでございます。  第六の項目は、住宅及び地価の安定でございます。  住宅供給促進し、土地有効利用を図ることは、住宅及び地価の安定に資することになるわけでありまして、これらの経費総額は九千二百十一億五千八百万円で、五十四年度予算八千九百十六億三千万円に比べ、二百九十五億二千八百万円の増加となっております。  この内容としましては、地価公示等経費土地利用規制等経費公営住宅建設事業費住宅宅地関連公共施設整備促進事業費住宅金融公庫補給金などでございます。  第七番目のその他に掲げられておりますものは、国民生活安定対策等経済政策推進費生活関連物資需給価格情報提供協力店システム整備費などの経費のように、以上の一から六までの各項目に属しない経費が取りまとめられておりまして、その総額は三十三億五千五百万円で、五十四年度予算三十三億三千七百万円に比べ、一千八百万円の増加となっております。  以上簡単でございますが、昭和五十五年度の物価対策関係経費概要を御説明申し上げました。  次に、昭和五十五年度予算に関連いたします公共料金等改定につきまして、その概要を御説明申し上げます。  お手元に一枚紙の資料で差し上げてありますものに基づきまして御説明をいたしますが、予算関連公共料金等改定といたしましては、米麦価国立学校授業料国鉄運賃郵便料金及びたばこ定価改定並びに健康保険法改正が予定されております。  まず、米麦価についてでございますが、これは、食糧管理に関する財政負担増高を抑制するために必要な財源を確保するという要請等を踏まえつつ、物価国民生活に及ぼす影響に配慮いたしまして、極力改定幅を圧縮の上、米価につきましては三・二%、麦価につきましては一四・一%の改定を本年二月一日から実施することとしたものでございます。  第二に、国立学校授業料につきましては、国立、私立間の授業料格差の現状等諸般の情勢を勘案いたしまして、国立大学で月額三千円の増額を行うこととすること等を予定しております。  第三に、日本国有鉄道の運賃につきましては、国鉄財政再建の要請を考慮しつつ、国鉄自身の厳しい経営努力を前提といたしまして、物価国民生活への影響に配慮の上、本年四月二十日から増収率で四・九%の改定を予定しているものでございます。この改定による増収額は千百六十億円と見込まれております。  第四に、郵便料金につきましては、郵便事業が五十三年度以降、単年度収支で赤字に転じ、従来からの繰越分を含め、大幅な累積赤字を抱えることとなっている現状にかんがみまして、事業合理化を一層推進しつつ、所要の改定を行うこととしているものでありますが、その内容につきましては、物価国民生活に対する影響への配慮から、実施時期を本年十月からとし、はがきの改定幅を一挙に大幅なものとせず、本年度中は三十円にとどめることとしているところでございます。  第五に、たばこ定価でございますが、前回の定価改定以降における原材料、人件費等の原価の増大によりまして、たばこ消費に対する税相当分の負担水準が相当程度低下している事情にありますことや、現下の財政事情が厳しい局面にありますこと等から、税負担を適正化し、財政収入を確保するため、平均で約二〇%の改定を行うこととしているものでございます。  最後に、健康保険法改正についてでございますが、これは、社会経済情勢の変化に即応して医療保険制度の見直しを行い、その健全な発展と合理化を図る見地から、所要の法改正を行おうとするものでございます。その内容といたしましては、被保険者と被扶養者の医療給付の格差是正、薬剤費の患者二分の一負担制導入等の改正が見込まれているところでございます。  以上、五十五年度予算に関連する公共料金等改定につきまして、概要を御説明申し上げましたが、政府といたしましては、改定は、事業の一層の合理化を前提とし、真にやむを得ないものに限るとともに、その実施時期及び改定幅につきましても、極力物価国民生活への配慮を加えたところであります。  これら予算関連公共料金等の改正によります五十五年度の消費者物価への影響といたしましては、表に掲げてあるとおりでございますが、全体としてはおおむね〇・八%程度になるものと試算をいたしております。  今後とも公共料金につきましては厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。  どうぞよろしくお願いいたします。
  8. 井上普方

    井上委員長 次に、昭和五十五年度消費者行政関係経費概要について、小金国民生活局長から説明を聴取いたします。小金国民生活局長
  9. 小金芳弘

    ○小金政府委員 昭和五十五年度の消費者行政関係経費について御説明申し上げます。  お手元資料の第一ページ目に項目別とございますが、これは、昭和五十五年度の予算案から各省庁の消費者行政に係るものを一括して整理いたしたものでございます。  これは、一番上の危害の防止から各項目別になっておりますが、消費者保護基本法の考えております施策の体系に沿って整理されたものでございます。  項目一の危害の防止から項目六の不動産取引等の契約の適正化ということまでは主として事業者に対する規制、監督等の内容でございまして、消費者啓発以下の諸項目は、消費者の自主的、合理的な消費生活の運営を助けるということを目標にするものになっております。  五十五年度の予算総額は下にございますように百六十二億三千三百万円でございまして、これは五十四年度に比べまして八・五%の増加ということになっております。  以下、項目別に簡単に御説明申し上げますと、一番上の、安全、危害の防止というのは、これは食品、医薬品、家庭用品、化学物質、建築物等に関係いたしまして消費者の安全を確保するための施策でございまして、この中で目新しいものを申しますと、たとえば食品添加物におきましては、従来人工の添加物だけでありましたものを天然の添加物も規制をする。たとえばカラメルとかシソの葉とかそういうものでございますが、そういうものの経費もこれに加えるというようなことでございます。  以下、一番目が危害の防止でございまして、二、三、四は計量の適正化等に関係するものでございまして、五、六は公正自由競争と不動産取引契約の適正化等がございます。六番目の不動産取引契約の費用がかなりふえておりますが、これは不動産流通近代化のための近代化センターの設立の助成というようなものでございます。  以下、消費者啓発のところの経費が若干減少しておりますが、これは果汁消費拡大のための経費減少になっておるものでございます。  十二番目に国民生活センターの経費が出ておりますが、これは情報提供、教育研修、商品テスト、苦情相談等を一括して行う消費者に対するサービスでございまして、これの金額は若干減少しておりますが、これは、商品テスト、研修施設の建設のための費用が、本年度十三億ございましたものが五十五年度は四億五千万円になっていることからの減少でございます。  以上、簡単でございますが、五十五年度の項目別の経費でございまして、これを各省別のものに直しましたものが次のページにございます。  以上でございます。
  10. 井上普方

    井上委員長 以上で説明は終わりました。      ————◇—————
  11. 井上普方

    井上委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  物価問題等に関する件、特に電気料金改定問題について、二十六及び二十八の両日、並びにガス料金改定問題について二十九日、それぞれ参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 井上普方

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 井上普方

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る二十六日、理事会午前九時五十分、委員会午前十時から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十六分散会