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1980-02-19 第91回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十五年二月十九日(火曜日) 午前零時二十二分
開議
出席委員
委員長
井上
普方君
理事
関谷
勝嗣君
理事
渡辺 秀央君
理事
金子 みつ君
理事
松浦
利尚
君
理事
中川 嘉美君
理事
岩佐 恵美君
理事
中野 寛成君 小澤 潔君
亀井
静香君
亀井
善之君 岸田 文武君 工藤 巖君 熊川 次男君
田名部匡省
君 牧野
隆守
君 粟山
明君
小野 信一君 武部 文君 長田 武士君
藤原ひろ子
君 塩田 晋君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
経済企画庁長
官) 正
示啓次郎
君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長
橋口
收君
公正取引委員会
事務局経済部長
伊従
寛君
公正取引委員会
事務局取引部長
劒持
浩裕
君
公正取引委員会
事務局審査部長
妹尾
明君
経済企画庁国民
生活局長
小金 芳弘君
経済企画庁物価
局長
藤井
直樹君
委員外
の
出席者
特別委員会
第二
調査室長
曽根原幸雄
君
—————————————
一月三十一日
物価高騰反対等
に関する
請願外
一件(
伊藤茂
君
紹介
)(第三五四号) 同(
田川誠一
君
紹介
)(第三五五号) 同(
高橋高望
君
紹介
)(第三六一号) 二月六日
物価高騰反対等
に関する
請願
(
中路雅弘
君
紹介
) (第六一一号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
参考人出頭要求
に関する件
物価問題等
に関する件(
物価対策
及び
国民生活
行政等
) ————◇—————
井上普方
1
○
井上委員長
これより
会議
を開きます。
物価問題等
に関する件について
調査
を進めます。 この際、正
示経済企画庁長官
から、
物価対策
並びに
国民生活行政
について発言を求めておられますので、これを許します。正
示経済企画庁長官
。
正示啓次郎
2
○正
示国務大臣
わが国経済運営
の
基本的あり方
につきましては、
さき
の
経済演説
において明らかにしたところでありますが、当
委員会
が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。 最近の
わが国経済
をめぐる内外諸
情勢
は、
石油
問題の
深刻化
を初めとしてますます厳しさを加えております。第一次
石油危機
をようやく克服し、
安定成長軌道
への定着を目指す
わが国経済
の前途には、多くの困難が横たわっているのであります。 特に
物価面
では、
卸売物価
が
原油
を初めとする
海外
産
原材料価格
の
高騰等
により大幅な
上昇
を続けており、
消費者物価
にも
卸売物価上昇
の
影響
が漸次及びつつあります。 このような
情勢
のもとで、
わが国経済
が
安定的成長
を持続していくために、
政府
は、現下の
景気
の
自律的拡大基調
を
維持
し、
雇用
の安定に努めつつ、当面、
物価
の安定、さらには
国際収支
を重視して機動的な
経済運営
を行っていくことを
基本
といたしております。 以下、今後の
経済運営
の重要な
課題
として、
物価
、
景気
、
石油
の三点にしぼりまして申し述べたいと存じます。 まず、
課題
の第一は、
物価
の安定を図ることであります。 このところ、
国際収支面
では
経常収支
が大幅な
赤字
となっており、また、
卸売物価
の急激な
上昇
が続いておりますが、これはともに
原油
を初めとする
海外
産
原材料価格
の
高騰
という、共通の要因に根差すものであります。
海外
産
原材料高そのもの
が
卸売物価
を押し上げるとともに、
経常収支
の
赤字
を
拡大
し、それが
円安
をもたらすことによって
卸売物価
をさらに押し上げるという
状況
でありました。 この意味からも、
国際収支
の
動向
には注視を怠ることはできないと考えます。
原油高
、
円安
の
影響等
を直接、間接に受けて
わが国
の
卸売物価
は、本年一月、前年同月比で一九・三%の
上昇
となっております。 他方、
消費者物価
は、
主要先進国
中、西ドイツと並び最も安定した
推移
を示しております。
海外
産
原材料価格
の大幅な
上昇
や
各国
からの
インフレーション
の波に洗われながらも、
わが国
では、
企業
、
消費者
の冷静な
対応
に加え、賃金の穏やかな
増加
や
生産性
の高い
上昇等
により、
消費者物価
は、
台風等
の
影響
による
野菜価格
の
高騰
が見られるものの、
基調
としては比較的落ちついた
動き
を示しております。 しかしながら、
さき
に述べましたように、
卸売物価上昇
の
影響
が漸次
消費者物価
にも及びつつありまして、今後の
消費者物価
の
動向
には
十分警戒
を要するものと考えます。
卸売物価上昇
の
影響
を最小限にとどめるよう極力
努力
していく必要があります。
物価
の安定こそは
経済運営
の成否を決するものであります。 私は、
物価
の安定それ自体が、
国民生活
安定の
基本的条件
であること、及び、それが
持続的成長
を生み出す源であることをここで改めて強調いたしたいと存じます。
政府
は、昨年十一月、八
項目
にわたる総合的な
物価対策
を定め、鋭意その
実施
を図ってまいりました。 まず、五十四年度の今後の
公共事業
の施行に当たっては、
物価
の
動向
に配慮し、
公共事業等歳出予算
現額の五%を当面留保いたしました。国、
地方
をあわせた
事業費ベース
では一兆円を上回る金額であります。
通貨供給量
は現在安定した
推移
を示しておりますが、引き続きその
動向
を注視し、適切な
金融調節
を図ってまいらなければなりません。日本銀行は昨日、公定歩合を一%
引き上げ
ることを決定いたしました。昨年四月から数えて第四次の
引き上げ
であります。これとあわせて、
金融機関
の
預金準備率
を
引き上げ
ることとしております。 以上の
財政
、
金融両面
における
措置
のほか、
石油製品
や
野菜
などの
生活関連物資
及び
国民経済
上重要な
物資
について
安定的供給
の
確保
を図ることといたしております。また、便乗値上げ等不当な
価格形成
が行われることのないよう、
需給
、
価格動向
を厳しく
調査
、監視することとしております。 特に、
石油製品
の
価格
安定のためには、
石油供給計画
を
基本
として、実需に応じた
供給
の
確保
に努めております。
石油
の
消費節約
に向けての
国民運動
も
石油製品
の
価格
安定において重要な
役割り
を担うものと考えます。 中
長期
の
観点
からの
物価対策
としては、
農林水産業
、
中小企業等
の低
生産性部門
や
流通機構
の
合理化
の
促進
を行っております。
輸入政策
、
競争政策
についても十分
努力
してまいります。 次に
公共料金
につきましては、
物価情勢
が厳しさを増しつつある折から、
国民生活
に及ぼす
影響
がきわめて大きいことにかんがみまして、
経営
の徹底した
合理化
を前提として厳正に取り扱う
方針
で臨んでいるところであります。 五十五年度の
予算関連公共料金
の
改定
に当たっては、真にやむを得ないものに限るとともに、その
実施
時期、及び
値上げ幅
について極力調整いたしました。 電力、ガスを初めとする
予算関連
以外の
公共料金
につきましても
経営
の徹底した
合理化
を求め、厳正に対処していく
方針
であります。 なお、今後の
物価
の安定を図るためには、仮需の
動き
を封ずるとともに、
インフレ期待
を
未然
に防止することが肝要であります。 前回の
石油危機
の際、
在庫積み増し
や買い急ぎが起こり、それが激しい
物価
高となってはね返るという苦い経験を味わいましたが、今回は
企業
、
消費者
ともに冷静に対処しているところであります。 今後とも
早目早目
に時宜を得た
物価対策
を推進してまいる
所存
であります。
政府
は
各般
にわたる
物価対策
を行い、
消費者物価上昇率
を五十四年度においては四・七%
程度
、五十五年度においては六・四%
程度
にとどめるよう最善の
努力
を傾けてまいりたいと考えております。 ところで、
国民生活
の安定と
向上
を図るためには、
物価対策
と並んで
消費者政策
の積極的な
展開
を図っていくことが重要であります。 このため
政府
は、
消費者
を取り巻く
環境
の
推移
に的確に
対応
しつつ、商品・
サービス
の安全の徹底、規格、
表示
の
適正化
、
消費者
の
啓発等
、
各種
の
施策
を講じてまいります。
課題
の第二は、
景気
の
維持
と
雇用
の安定を図ることであります。 最近の
わが国経済
は、
原油価格
の大幅な
上昇
など厳しい
環境
のもとではありますが、五十二年度以降における
公共投資
の大幅な
拡大
による
景気浮揚政策
が実を結び、
景気
は堅調な
民間設備投資
の
増大
に加え、
個人消費
、輸出の
増加
などから、総じて着実な
拡大
を続けております。 その結果、五十四年度の
実質成長率
は六・〇%
程度
とおおむね当初
経済見通しどおり
になるものと見込まれます。また、鉱工業の
生産
、
出荷
は引き続き
増加基調
にあり、
企業収益
も高い
水準
を
維持
しております。
雇用情勢
もなお厳しさが見られるものの、
改善
の
動き
が続いております。昨年十二月の
有効求人倍率
は一年前の〇・六三倍に対し〇・八二倍にまで回復し、
完全失業率
も二%前後の
水準
にあります。 しかし、今後の
経済動向
につきましては、
石油価格上昇
に伴い、
実質需要
の
伸び
が鈍化する面も考えていかなければなりませんし、また、アメリカを初めとする
世界景気
の先行きにも厳しいものがあります。 これからは、五十三年後半から五十四年にかけての
拡大基調
に比べればやや緩やかな
上昇局面
になっていくものと考えられます。
政府
は、五十五年度の
実質成長率
を四・八%
程度
と見込んでおります。これは
先進各国
の中では最も高く、
雇用
の
維持
に十分資するものと考えます。 第三の
課題
は
エネルギー制約
への
対応
を着実に推し進めていくことであります。 当面、
石油情勢
の変化から来る
各種
の衝撃をやわらげながら吸収していくことが焦眉の急務であります。 まず、
原油
の量の
確保
でありますが、五十四年度においては、現在までのところ、ほぼ当初
計画どおり
の量を
確保
しております。
国民生活
上重要な灯油も十分な量を
確保
いたしております。 しかし、
国際石油情勢
は、依然としてきわめて流動的な様相を呈しております。 今後とも、
原油
の量の
確保
には万全を期する考えでありますが、それとともに、
石油
の
消費節約
を大いに推し進めていく必要があります。 五十四年度についての五%、千五百万キロリットルの
節約目標
は、
国民各位
の御
協力
により、現在までのところかなり順調に達成されつつあります。 先般、
政府
は、五十五年度について
節約
の度合いをさらに高め、七%、二千万キロリットル以上を
目標
に据えて新年早々から、資源と
エネルギー
を大切にする
国民運動
を一層強力に推し進めているところであります。 なお、原子力、
石炭液化
など、
石油代替エネルギー
の開発を計画的に推進するとともに、
石油供給源
の
多様化
にもさらに積極的に取り組んでいかなければなりません。 私は、本年は、
省エネルギー化
を進め、脱
石油型社会
に向けて、
産業構造
や
生活様式
を改め、これまでの
量的拡大
から
質的充実
へ転換していく新たな出発の年にしなければならないと考えております。 以上、当面する
課題
とその取り組み方について申し述べました。 今日、
石油
問題の
深刻化
を初め、その行く手には容易ならざるものがありますが、
政府
は、あらゆる
努力
を払い、
国民各層
の御
期待
に十分こたえる
政策
の
展開
を図ってまいる決意であります。 わけても
物価
の安定につきましては、
世界各国
がひとしく
インフレーション
との苦しい戦いを強いられている現状にもかんがみまして、いまや
国民的課題
として、
政府
はもとより、
国民各位
が冷静に、かつ、全力を挙げて取り組むことが肝要であります。 本
委員会
の皆様の深い御理解と力強い御支援を切にお願いする次第であります。(拍手)
井上普方
3
○
井上委員長
次に、
公正取引委員会
の
業務状況
について、
橋口公正取引委員会委員長
から
説明
を聴取いたします。
橋口公正取引委員会委員長
。
橋口收
4
○
橋口政府委員
昭和
五十四年における
公正取引委員会
の
業務
について、その
概略
を御
説明
申し上げます。 昨年の
わが国経済
は、
景気拡大傾向
の中で、
石油価格
の大幅な
上昇
という事態に直面いたしましたが、
公正取引委員会
といたしましては、このような
状況
のもとで、
独占禁止政策
の適切な
運営
を通じ、
物価
の安定に資するよう努めてまいったところであります。特に、昨年は、
改正独占禁止法
の適正かつ効率的な
運用
により、
価格
協定等不当な
価格設定
に対し厳正に対処するとともに、
減速経済下
において大きな比重を占めてきております
流通分野
の問題につきまして積極的に取り組んでまいりました。 まず、昨年における
独占禁止法
の
運用状況
でありますが、
昭和
五十四年中に
審査
いたしました
独占禁止法違反被疑事件
は百三件、同年中に
審査
を終了した
事件
は三十六件であり、そのうち法に基づき勧告したものは十二件、勧告をしないで直ちに審判を開始したものは一件でありました。また、昨年における
課徴金納付命令事件
は三件であり、
合計
三十九名に対し
総額
四億一千二百七十二万円の
課徴金
の
納付
を命じました。 次に、
認可
、
届け出受理等
に関する
業務
でありますが、まず、合併・営業譲り受け等につきましては、
昭和
五十四年中に、それぞれ八百七十三件、六百六件、合わせて千四百七十九件の
届け出
がありました。
認可等
につきましては、大
規模会社
の
株式所有制限
に関し、法第九条の二第一項第九号の
規定
に基づく承認を三件、
金融会社
の
株式所有制限
に関し、法第十一条の
規定
に基づく
認可
を三十六件行いました。
事業者団体
につきましては、
昭和
五十四年中に
成立届等
千二百二十一件の
届け出
がなされておりますが、
事業者団体
による
違反行為
を
未然
に防止するとともに、その適正な
活動
に資するため、
事業者団体
の
活動
に関する
独占禁止法
上の指針を作成し、あわせて
事業者団体
が
実施
しようとする
活動
の適否について、
事前相談制度
を設けました。 また、
国際契約等
につきましては、
昭和
五十四年中に七千四百二件の
届け出
があり、
改良技術
に関する
制限条項
、
競争品
の
取り扱い制限条項等
を含む三百七十八件について、これを是正するよう
指導
いたしました。
独占的状態
に対する
措置
に関する
業務
といたしましては、一昨年十二月に
改定
いたしましたガイドラインの
別表掲載
の
事業分野
について、
実態
の把握及び
関係企業
の
動向
の監視に努めました。 また、
価格
の
同調的引き上げ
につきましては、
特殊調製粉乳
、乗用車、
普通板ガラス
の三件について
価格引き上げ
の理由の報告を求めました。
流通分野
の問題につきましては、
出版物
、自動車、百貨店・
大型スーパー等
について
実態調査
を行うとともに、
対策
の検討及び
関係業界
に対する
指導
を進めております。
独占禁止法
上の
不況カルテル
につきましては、一昨年来
実施
されていました八品目は、市況の
回復等
により昨年四月末までですべて終了し、
昭和
五十四年においては、
鋼船
の
不況カルテル
について新たに
認可
いたしました。 なお、
独占禁止法
の
適用除外
を受けている
共同行為
の総計は、
昭和
五十四年末現在で四百九十四件となっておりますが、その
大半
は、
中小企業関係
のものであります。 次に、
不当景品類
及び
不当表示防止法
の
運用状況
について申しますと、
昭和
五十四年中に、
公正取引委員会
が同
法違反
の疑いで取り上げました
事件
は、千三百九件で、このうち
排除命令
を行いましたものは十二件、警告により是正させましたものは六百十五件でありました。 また、
都道府県
の行いました
違反事件
の
処理件数
は、六千六百五十二件となっており、今後とも、
都道府県
との
協力
を一層推進してまいる
所存
であります。
公正競争規約
につきましては、
家庭電気製品製造業
における
景品類
の
提供
の
制限
に関する
もの等
十五件について認定し、
昭和
五十四年末現在における
公正競争規約
の総数は、八十二件となっております。 以上簡単でございますが、
業務
の
概略
につきまして御
説明
申し上げました。今後ともよろしく御
指導
のほどお願いいたします。
井上普方
5
○
井上委員長
次に、
昭和
五十五年度
物価対策関係経費
の
概要
について
藤井物価局長
から
説明
を聴取いたします。
藤井物価局長
。
藤井直樹
6
○
藤井
(直)
政府委員
昭和
五十五年度の
物価対策関係経費
の
概要
につきまして、お
手元
に差し上げております
資料
によりまして御
説明
申し上げます。
物価対策関係経費
は、
一般会計
及び
特別会計予算案
に計上されております
経費
のうち、
長期
、短期にわたりまして
物価
の安定に資することとなる
経費
を取りまとめたものでございます。 取りまとめに当たりましては、お
手元
の一枚目の半裁の
資料
にありますように、一番から七番までの区分によりまして、低
生産性部門
の
生産性向上
、
流通対策
、
労働力
の
流動化促進
、
競争条件
の
整備
、
生活必需物資等
の
安定的供給
、
住宅
及び
地価
の安定、その他の七
項目
に分類整理しております。
昭和
五十五年度の
物価対策関係経費
の
総額
は、
合計欄
にございますように四兆三千四百七十億二千四百万円でありまして、
昭和
五十四年度
予算
四兆一千五百二十九億九千二百万円に比べまして一千九百四十億三千二百万円、四・七%の
増加
となっております。 次に、各
項目
につきまして
経費
の
内容
を、次の
ページ
の縦長の二枚つづりの
資料
によって御
説明
申し上げます。 最初にございますのは、低
生産性部門
の
生産性向上
でございます。
農林漁業
、
中小企業
などの
生産性
の
伸び
が低い
部門
におきまして、その
生産性
を
向上
し、
供給
の
増大
を図ってまいりますことは、
物価
の安定の面からきわめて重要でございます。ここでは、これらの
生産性向上対策
の
経費
を取りまとめているわけでございまして、その
総額
は一兆九千二百十三億四千三百万円、五十四年度
予算
一兆八千八百五十八億九千万円に比べ、三百五十四億五千三百万円の
増加
となっております。 その
内容
といたしましては、一番右側の欄にありますように、
農林漁業対策
の面では、
野菜集団産地育成事業
、
肉用牛集約生産基地育成事業
、
配合飼料価格安定対策
、
畜産振興事業団交付金
などの
経費
が掲げられております。五十五年度には、新たに
放牧
による
割り安
な
大衆肉
の
生産体制
を
整備
し、
牛肉価格
の安定を図るための
放牧肉用牛特別対策事業費
を計上するとともに、
肉用牛
の
繁殖経営
の
規模拡大
を
促進
する
肉用牛繁殖中核経営育成推進事業費
を計上しております。 また
中小企業対策関係
では、
小規模事業対策推進経費
、
中小企業近代化促進費
、小
企業等経営改善資金融資制度経費
などについて所要の
予算
が計上されております。
予算額
は、それぞれの
経費名
の右に示されているとおりでございます。 次の
ページ
に移りまして、第二の
項目
は
流通対策
でございます。 この
項目
におきましては、
流通機構
の
合理化
や
近代化
を通じて
流通コスト
の節減に資する
経費
が取りまとめられておりまして、その
総額
は五百三十九億一千九百万円、五十四年度
予算
六百十二億九千八百万円に比べ、七十三億七千九百万円の
減少
となっております。 具体的な
経費
といたしましては、
卸売市場施設整備
、新
流通経路育成事業
のほか、
野菜
、果物の
流通対策
として
野菜生産出荷安定資金造成事業
、
野菜売買保管事業
、
野菜広域流通加工施設整備事業
などを
実施
するための
経費
が計上されております。五十五年度には、新たに、
野菜
の
需要
に見合った計画的安定的な
生産出荷体制
を
整備
する
重要野菜需給調整特別事業費
を計上するとともに、晩柑類の
品質維持
、
販売期間
の
拡大
を図るため、
近代的選果場
及び
長期貯蔵施設
を
整備
する晩
かん類等流通施設緊急整備事業費
を計上しております。 また、
食肉関係
の
流通対策
といたしまして、
総合食肉流通体系整備
、
食鶏産地格付包装流通センター
の設置、
食肉流通改善特別対策
などの
経費
が計上されております。 さらに、
水産物関係
の
流通対策
としまして、
魚価安定基金造成
、
水産物流通加工拠点総合整備
、
冷凍水産物流通促進実験事業
などのための
経費
が計上されております。
流通対策
としましては、以上の
経費
のほか、
食料品小売業近代化事業費
、
生鮮食料品流通情報サービス事業費
などが計上されております。 なお、前年度に比較しまして約七十三億円が
減少
しておりますが、その
大半
は、
農林水産省所管予算
のうちの
野菜供給安定基金
、
中央果実生産出荷安定基金協会
、
肉用子牛価格安定基金協会
への
資金造成等
の
繰り入れ
が
減少
したためであります。しかし、これらは、いづれも前年度において
資金残
が生じていること等のための
繰り入れ額
の
減少
でありまして、五十五年度に
実施
する
事業
の
規模
といたしましては、五十四年度の
規模
をおおむね上回っております。
流通部門
につきましては、このように広い範囲にわたりまして
各般
の
施策
が進められております。 第三の
項目
は、
労働力
の
流動化促進
でございます。
労働力
の質を高めその
流動化
を図ることは、
物価
安定の
観点
からも重要であります。 このような
労働力
の
流動化
を
促進
するために計上されております
経費
の
総額
は三千二百一億八千五百万円で、五十四年度
予算
二千八百五十六億四千二百万円に比べ、三百四十五億四千三百万円の
増加
となっております。 具体的な
経費
として
職業転換対策事業費
、
職業訓練費
、
雇用安定等事業費
などがございます。 第四の
項目
は、
競争条件
の
整備
でございます。 この
項目
におきましては、
価格
が公正かつ自由な
競争
を通じて適正に形成されるよう
市場
の
競争条件
を
整備
するための
経費
が取りまとめられておりまして、その
総額
は二十三億九千六百万円、五十四年度
予算
二十三億一千八百万円に比べ、七千八百万円の
増加
となっております。
公正取引委員会経費
がその大部分でございます。 第五の
項目
は、
生活必需物資等
の
安定的供給
でございます。 この
項目
におきましては、
生活必需物資
及び
公共輸送等
の
サービス
の安定した
供給
の
確保
に資する
経費
が取りまとめられておりまして、その
総額
は一兆一千二百四十六億六千八百万円、五十四年度
予算
一兆二百二十八億七千七百万円に比べ、一千十七億九千一百万円の
増加
となっております。 この
内容
としましては、
飼料穀物
、大豆、
木材備蓄対策費
、
石油安定供給対策費
、
日本国有鉄道事業助成費
、
地方鉄道軌道整備費補助金
、
地下高速鉄道建設費補助金
、
バス運行対策費
、
地方公営企業助成費
、
環境衛生施設整備費
などでございます。 第六の
項目
は、
住宅
及び
地価
の安定でございます。
住宅供給
を
促進
し、
土地
の
有効利用
を図ることは、
住宅
及び
地価
の安定に資することになるわけでありまして、これらの
経費
の
総額
は九千二百十一億五千八百万円で、五十四年度
予算
八千九百十六億三千万円に比べ、二百九十五億二千八百万円の
増加
となっております。 この
内容
としましては、
地価公示等経費
、
土地利用規制等経費
、
公営住宅建設事業費
、
住宅宅地関連公共施設整備促進事業費
、
住宅金融公庫補給金
などでございます。 第七番目のその他に掲げられておりますものは、
国民生活安定対策等経済政策推進費
や
生活関連物資
の
需給価格情報提供協力店システム整備費
などの
経費
のように、以上の一から六までの各
項目
に属しない
経費
が取りまとめられておりまして、その
総額
は三十三億五千五百万円で、五十四年度
予算
三十三億三千七百万円に比べ、一千八百万円の
増加
となっております。 以上簡単でございますが、
昭和
五十五年度の
物価対策関係経費
の
概要
を御
説明
申し上げました。 次に、
昭和
五十五年度
予算
に関連いたします
公共料金等
の
改定
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。 お
手元
に一枚紙の
資料
で差し上げてありますものに基づきまして御
説明
をいたしますが、
予算関連公共料金等
の
改定
といたしましては、
米麦価
、
国立学校授業料
、
国鉄運賃
、
郵便料金
及び
たばこ定価
の
改定
並びに
健康保険法改正
が予定されております。 まず、
米麦価
についてでございますが、これは、
食糧管理
に関する
財政負担
の
増高
を抑制するために必要な財源を
確保
するという
要請等
を踏まえつつ、
物価
、
国民生活
に及ぼす
影響
に配慮いたしまして、極力
改定幅
を圧縮の上、米価につきましては三・二%、
麦価
につきましては一四・一%の
改定
を本年二月一日から
実施
することとしたものでございます。 第二に、
国立学校授業料
につきましては、国立、私立間の授業料格差の現状等諸般の
情勢
を勘案いたしまして、国立大学で月額三千円の増額を行うこととすること等を予定しております。 第三に、日本国有鉄道の運賃につきましては、国鉄
財政
再建の要請を考慮しつつ、国鉄自身の厳しい
経営
努力
を前提といたしまして、
物価
、
国民生活
への
影響
に配慮の上、本年四月二十日から増収率で四・九%の
改定
を予定しているものでございます。この
改定
による増収額は千百六十億円と見込まれております。 第四に、
郵便料金
につきましては、郵便
事業
が五十三年度以降、単年度収支で
赤字
に転じ、従来からの繰越分を含め、大幅な累積
赤字
を抱えることとなっている現状にかんがみまして、
事業
の
合理化
を一層推進しつつ、所要の
改定
を行うこととしているものでありますが、その
内容
につきましては、
物価
、
国民生活
に対する
影響
への配慮から、
実施
時期を本年十月からとし、はがきの
改定幅
を一挙に大幅なものとせず、本年度中は三十円にとどめることとしているところでございます。 第五に、
たばこ定価
でございますが、前回の定価
改定
以降における原材料、人件費等の原価の
増大
によりまして、たばこ消費に対する税相当分の負担
水準
が相当
程度
低下している事情にありますことや、現下の
財政
事情が厳しい局面にありますこと等から、税負担を
適正化
し、
財政
収入を
確保
するため、平均で約二〇%の
改定
を行うこととしているものでございます。 最後に、
健康保険法改正
についてでございますが、これは、社会経済
情勢
の変化に即応して医療保険制度の見直しを行い、その健全な発展と
合理化
を図る見地から、所要の法改正を行おうとするものでございます。その
内容
といたしましては、被保険者と被扶養者の医療給付の格差是正、薬剤費の患者二分の一負担制導入等の改正が見込まれているところでございます。 以上、五十五年度
予算
に関連する
公共料金等
の
改定
につきまして、
概要
を御
説明
申し上げましたが、
政府
といたしましては、
改定
は、
事業
の一層の
合理化
を前提とし、真にやむを得ないものに限るとともに、その
実施
時期及び
改定幅
につきましても、極力
物価
、
国民生活
への配慮を加えたところであります。 これら
予算関連公共料金等
の改正によります五十五年度の
消費者物価
への
影響
といたしましては、表に掲げてあるとおりでございますが、全体としてはおおむね〇・八%
程度
になるものと試算をいたしております。 今後とも
公共料金
につきましては厳正に取り扱ってまいりたいと考えております。 どうぞよろしくお願いいたします。
井上普方
7
○
井上委員長
次に、
昭和
五十五年度
消費者
行政関係
経費
の
概要
について、小金
国民生活
局長
から
説明
を聴取いたします。小金
国民生活
局長
。
小金芳弘
8
○小金
政府委員
昭和
五十五年度の
消費者
行政関係
経費
について御
説明
申し上げます。 お
手元
の
資料
の第一
ページ
目に
項目
別とございますが、これは、
昭和
五十五年度の
予算
案から各省庁の
消費者
行政に係るものを一括して整理いたしたものでございます。 これは、一番上の危害の防止から各
項目
別になっておりますが、
消費者
保護
基本
法の考えております
施策
の体系に沿って整理されたものでございます。
項目
一の危害の防止から
項目
六の不動産取引等の契約の
適正化
ということまでは主として
事業
者に対する規制、監督等の
内容
でございまして、
消費者
啓発以下の諸
項目
は、
消費者
の自主的、合理的な消費生活の
運営
を助けるということを
目標
にするものになっております。 五十五年度の
予算
の
総額
は下にございますように百六十二億三千三百万円でございまして、これは五十四年度に比べまして八・五%の
増加
ということになっております。 以下、
項目
別に簡単に御
説明
申し上げますと、一番上の、安全、危害の防止というのは、これは食品、医薬品、家庭用品、化学物質、建築物等に関係いたしまして
消費者
の安全を
確保
するための
施策
でございまして、この中で目新しいものを申しますと、たとえば食品添加物におきましては、従来人工の添加物だけでありましたものを天然の添加物も規制をする。たとえばカラメルとかシソの葉とかそういうものでございますが、そういうものの
経費
もこれに加えるというようなことでございます。 以下、一番目が危害の防止でございまして、二、三、四は計量の
適正化
等に関係するものでございまして、五、六は公正自由
競争
と不動産取引契約の
適正化
等がございます。六番目の不動産取引契約の費用がかなりふえておりますが、これは不動産流通
近代化
のための
近代化
センターの設立の助成というようなものでございます。 以下、
消費者
啓発のところの
経費
が若干
減少
しておりますが、これは果汁消費
拡大
のための
経費
が
減少
になっておるものでございます。 十二番目に
国民生活
センターの
経費
が出ておりますが、これは情報
提供
、教育研修、商品テスト、苦情相談等を一括して行う
消費者
に対する
サービス
でございまして、これの金額は若干
減少
しておりますが、これは、商品テスト、研修施設の建設のための費用が、本年度十三億ございましたものが五十五年度は四億五千万円になっていることからの
減少
でございます。 以上、簡単でございますが、五十五年度の
項目
別の
経費
でございまして、これを各省別のものに直しましたものが次の
ページ
にございます。 以上でございます。
井上普方
9
○
井上委員長
以上で
説明
は終わりました。 ————◇—————
井上普方
10
○
井上委員長
この際、
参考人出頭要求
に関する件についてお諮りいたします。
物価問題等
に関する件、特に電気料金
改定
問題について、二十六及び二十八の両日、並びにガス料金
改定
問題について二十九日、それぞれ参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
井上普方
11
○
井上委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
井上普方
12
○
井上委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来る二十六日、
理事
会午前九時五十分、
委員会
午前十時から開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十六分散会