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多田委員 私は二くらいかと思っていたら、その倍くらいということですから、ポイントでなおふえてくるわけですよ。これは相当な産業界に対する
影響、それが
消費者物価にくることはだれでもがわかることだというふうに思うのです。
そこで、私はやはり疑問に思うのは、きのうも
長官あるいは総理もおっしゃっていた、
消費者物価を経済計画でもって六・四%ですか抑えるということですが、これも各
委員がおっしゃって二番せんじみたいなんですが、ともかく民間の金融機関の推定しているのは相当なものですね。たとえば、一々企業を言うのはあれですが、野村総研が九・三、三菱が八・九、山一証券が九・二、富士銀行が八・七、それから
皆さんがよくつき合っておられる経団連、ここでも七%以上なんですよ。こういう値上がりの
状況なんですね。こういう異常な
値上げを抑えるのにはそれだけの必要な措置が要る。きのう、英断だとか勇気という言葉を大変美しく語っておられましたけれ
ども、どうも私はその英断や決意というものを感じないのです。今日、
物価が上がる、ところが一方は不況という。かつて世界の経済が体験しなかったスタグフレーションというきわめて異常な、しかもその良薬がないと
皆さんがおっしゃる危機にぶつかっているわけでしょう。だから八〇年代が霧の中にあるわけですよ。そうだとすれば相当思い切った
物価対策というものをとらなければだめだと私は思うのです。
そこで、非常にささやかな要望ですけれ
ども、先ほど言いました灯油、この問題については
エネルギー庁長官も再三受けているはずですが、たとえば
政府自身が抑える法律を持っているのです。石油需給適正化法だとか、あるいは生活物資の買い占め売り惜しみに対する緊急措置法を持っているのですね。ところが、これについて一向に発動なさらない。これをやれば節約ができないと思っているのか、あるいはまた外国からいちゃもんがついて油が入ってこないというふうに思っておられるのか。それはいずれも
皆さんが
考えておられるのじゃないだろうかと思います。私は立ち入ってすぐに論議する時間がありませんが、こういう法律を発動して、せめて冬場を迎えた東北、
北海道、関東もそうですが、その灯油の不当な値上がりを抑えるだけの勇気と決断をお持ちなのか。私があえて不当と言ったのは、明らかに便乗
値上げと思われるものがこの
国会でも論議になっているのです。ところが、それに対しては
皆さんから正当な反論がないのですよ。そういう
意味で、そういった石油二法を発動なさる勇気をお持ちなのか。それから、先ほ
ども同僚
議員が言いましたけれ
ども、本当に
値上げは不当かどうかを調べるのには
原価の中まで立ち入らなければできないのです。ところが、国権の最高機関である
国会でもその問題が明らかにならないのですね、守秘義務と言われて。そういうものの一端を出して、本当に
国会審議のまないたにのせてくださるのかどうなのか。これを佐々木通産
大臣や正示経企
庁長官がやってくださるならば私はその決意を買うし、日本の
物価にも一縷の明るい望みが出ると思いますが、いままでおっしゃった
内容ではこの五年、六年来と同じように一向にこれは変わらない、そう私は推測している。これは推測じゃありません、
国民もそう思っている。その点、両
大臣から、こういう異常なときであるだけに
皆さんは本当の勇気と決断を持ってそういうことをなさるのか、なさらないのか、あるいは閣議でそういうことを問題になさるのか、そういうところで御
努力なさるのか、私はその御
意見をまず聞きたいと思います。