○細谷(昭)委員 いまそれぞれ半分くらいだという
お話がございましたが、どういう数字のマジックなのか私はわかりませんが、私の見たところによりますと、とてもじゃないけれ
どもこういう数字が出てくるような事業内容ではないのですよ。私も分析をいたしました。私の方の
全国出稼連でもこの点については
検討いたしました。大体一割なのです。私が言うところの第一義的な目的に使われている予算というのはたった一割。九〇%はいわゆる
地域環境の
整備。私が言うのは、
一般農政でやれそうなもの、農道とか圃場
整備とか集会所とかグラウンド
整備、こういったものに使われている。一体全体こういう出かせぎ解消のためにグラウンド、確かにこれは要らないというのではありませんよ。要らないというのではありませんが、第一義的には農業内の就労それから農業収入、農外収入の安定、これにうんと金をかけなければならないはずなのです。しかし、実際は、私の分析によりますとたった一割なのですよ、それは。九〇%が補完する方の第二の目的に使われておる。
環境整備、これは大変惜しいと私は思うわけであります。
そこで、具体的に大変いい例がありますので、これをひとつ例に引いてみたいと思います。
一つは、私の方の秋田県の河辺町の例、もう
一つは隣りの
青森県の車力村、いずれも五十四年度です。どちらも似たような農村なのです。車力村の方が失礼な言い方ですがもっと貧困だと思います。
内容を見ますと、車力村はII型です。河辺がI型の三億円の事業。それで見ますと、河辺町の場合は土地改良が全体の事業量の五・九%、ふるさとセンターが一六・六%、建物です。多目的集会所が六六・六%、建物ですよ。それから農地造成、これは土地基盤
整備です。これが四%、それから健康増進のためのテニスコート、定住構想にテニスコートは要らないというわけではありませんけれ
ども、テニスコートが六・六%。これから見ますと、私から言いますと、第一義的なものは
一つも含まれておらない。
一般農政でやっていいものだけ、こういうことになります。
車力村はどうかと言いますと、車力村の場合は全く、私
たちが言うところの全部第一義的な目的に使われております。いわばこれは養豚の問題と肉牛団地、この二つなのです。全くこの二つに使われておる。私
たちはことしの夏車力村に、現地にお
伺いしたいと思っておりますけれ
ども、同じ事業でも町村によって、ないしは県によってこれだけの違いが出てくる。私は決して
環境整備をやるなと言うのではありませんよ。ありませんが、少なくとも金の使い方、この目的というものに沿った指導をしないと大変問題が出てくるのじゃないか、こう言いたいわけなのです。
ですから、まだ二年目でございますので、短兵急な批判は差し控えたいとは思いますけれ
ども、いまのこの時点で、少なくとも現場の農民が望んでおる就労の機会をふやす、農業収入をふやす、ないしは農外収入をふやすという立場の第一義的なねらいというのに大部分の金を使ってもらいたい、これは強く期待をしておるわけなのです。これについていままでの第一年度目、初年度目、これを反省しながらいまは五十六年度実施の
調査をしておるはずなのです。
計画を出してもらっているはずなのです。したがって、五十五年も大体同様の傾向なのです。三カ年
計画でございますので、いままでの
計画をそれぞれチェックしながら、いま言った第一目的に是正させるような
努力をすべきではないかと私は思うわけでありますが、その点、
局長の御見解を
伺いたいと思います。