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野坂委員 御懇篤なお話をいただきました。人がつくらぬものをつくれ。いわゆる
農林省が推奨しないものをつくれ、裏を返せばそういうことになるわけであります。そういうことになるのですと。だから、農家の皆さんが
農政不信にならないようにわれわれは責任を持って進めていくためには、何としても
価格の保証というものが大前提になるということを、政務
次官なり首脳部の皆さんに申し上げておきたいと思うのであります。米の場合にしても、あるいは牛の場合にしても、乳の場合にしても、豚の場合にしても、物価は高騰するという現況の中で据え置かれたということについては、農家の皆さんは
農政不信を駆り立てるという要素になります。したがって、主要な
農畜産物につきましては
価格の保証をして、
農業だけで食える
農業というものを樹立するために、政務
次官以下皆さんの御
努力をお願いをしたいと思います。
まだ若干の時間がありますから、私はこの際、予算
委員会でも問題にいたしましたし、あるいはこの農林
委員会の席上でも問題になりましたいわゆるえさ米、われわれはえさ稲と呼んでおりますが、それらについて、
農林省は十一県の実験農場ですでにそれらの実験が行われております。よく
承知をしております。いまの圃場整備の
議論でおわかりのように、圃場整備は水田を更生をいたします。いわゆる稲をつくるのであります。それをいわゆる米麦一貫体系といいますかあるいは田畑輪換といいますか、そういう姿で、
一つ一つのいわゆる農地というものが利用され、
効率を高めていかなければならぬ。それは私
たちもよくわかるわけであります。しかし、湿地帯につくるものはない。県の方に行って聞きますと、ハト麦をつくったらどうかというような話があります。これは薬用でありますから限界があります。いまは、先ほども同僚議員から質問がありましたように、二千万トンのいわゆるえさというものがアメリカを初めとして
外国から
輸入をされておるというのが厳然たる事実であります。その
輸入をできるだけ抑えていくために、一番つくりやすいし、
食糧が不足になった場合には直ちにいまの稲に切りかえることのできる、えさ米というかえさ稲というものをつくる。それはわずかに皆さん方の中でつくれというものとそれは問題があるというのはどこに争点があるかと言えば、米は一トン当たり三十八万円で買っておる、えさ米は三万円にしかならぬじゃないか、
経営としては非常に問題がある、こういうふうな
指摘がその論争の
中心であります。それならば一体どうするか。それならば、麦や大豆と同じように、
特定作物ということに指定して奨励金を出せば、それなりに農家の皆さんは喜々としてつくる、こういう
可能性は増大しておるというのが今日の
状況であります。五百キロないし五百二十キロしかとれない普通の米。えさ米は一トンないし一トン二百から買える。それなれば、民間でも十分に
検討させて、委託費を出してその研究
事業の成果をあらしめて、一方それらの
補助金というものについて、奨励金というものも
特定作物に入れて善処するという
方向になれば、これは今日の貿易収支の赤字の実情、外貨の赤字ということの解消にもつながる。アメリカがそれに対して介入をし、文句を言われるということも
承知の上であります。しかし、あくまでも日本の
農政を守るために、日本の自主性を高めていくために、われわれはそれをすべきではないかというふうに私は思います。
近藤さんも山形県の出身でありますから同じような意見だと思いますが、それについて
近藤政務
次官は推進をする用意ありや否や、この際伺っておきたい、こう思います。