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柴田(健)
委員 近藤次官は若いなかなか熱血の政治家だから、思い切って
発言されるだろうと期待しているのだけれども、なかなか古い殻から出られないという弱さがあるのだなということがしみじみわかる。
日本の立法府の権限というか、そういうものがどうもあいまいになってくる。われわれの力も至らぬところがあるかもしれないけれども、政権をとっている政党の責任は重大だと私は思う。
農林省全体から見て、悪いところだけ
農林省は握っているのじゃないかという気がする。これは
次官、よう聞いてもらわなければいかぬのですけれども、たとえば水の問題一つ取り上げても、建設省と
農林省の
関係を見ても、
農林省が本当のもとを持つ。山を持つ。水資源の一番の確保しなければならぬ任務を持った
農林省でしょう。水をつくり出している。つくり出した
農林省はそこから先何も権限がないのだ。水利権というものは建設省が握ってしまっている。一つの河川改修をするにしても、ダム一つつくるにしても建設省と協議をしなければならない。
農林省が防災ダムを一つつくるにしても、建設省のごきげん伺いをして、最低三年は協議をしなければ合意点が見出せないという。なぜ一貫したそういう
行政の改革をしないのか。ただ機構いじりだけで、人を減すだけで、そういうやり方がいまの
農林省の姿なんですよ。今度の
検査所の
吸収統合でもそういう形になっているわけです。もう少し、
農林省の権限拡大と言ったら他省に対して失礼になるかもしれないけれども、
農林省は
農林省の筋を通した思い切った
行政機構の一元化というものを考えるべきではないか。肝心なところだけ建設省にとられて、それで山の一番の水資源の肝心なところは
農林省が一生懸命やっている、そういう矛盾がいまの機構の中にあるじゃないか。それを直す努力を大臣なり
次官がしなければならぬ。何のために閣僚
会議があり、何のために
次官会議があるのか。われわれは平素からそういう一つの不満を持っておるわけですね。これは一つの例ですよ。至るところそういうのがある。それは、えさの問題にしてもそうだし、農機具の問題にしてもそうだし、いろいろな問題でみんな
通産省に握られて、
農林省はただ助言をする、
指導する。
行政的な権限というものは一つも拡大されていない。権限を持つばかりが能じゃないけれども、もう少し考えるべきではないか、こう思うのです。この
検査所はたまたま突破口で、
農林省が追い詰められるというのは、今度は食糧事務所が出てくると思うのです。食糧事務所の
検査、ただ収納
検査だけの
段階で論議をして、バラ
検査にするか、また抽出
検査をするか、何をするにせよ、いろいろな形で、ことしの予算
委員会で農林大臣は
検査員を今度は減らします、
検査所も統合します、こう言うのです。きょうのこの
承認案件という、ごく簡単な問題じゃない。これがどんどん窓口を広げていく突破口にさせられておる。これはいずれ次は、食糧事務所
検査所の次はどこに行くんだ、農政局に来るだろう。農政そのもの全体の
方向づけが明確にならないのに、機構だけはあっちにひっつけこっちにひっつけ
削減するというやり方は一貫性がないじゃないか、こういう気がするわけです。
食糧庁が来ておると思うのですが、食糧事務所の統廃合がいま順次行われておる。これから
人員整理も入ってくるだろう。今度食管法、この
国会では
改正の提案をしないということで見送られたので、いずれ次の通常
国会に出てくるのではないか。その時点に食糧事務所の統廃合、そして
人員削減というものを
皆さん方の
立場で考えて、やる。
消費者や農民や国民的な
立場でとらえてないやり方だ。もっと国民的な
立場で、食糧
政策というものは何としても国民の合意を得なければならぬ、それが基本になって
政策として打ち出さなければならぬし、またその
政策が生かされていくのだろう、こう思うわけです。食糧庁の
見解をまず聞きたいのです。