○中林委員 個別の問題で具体的にわからないとおっしゃったわけで、われわれが調査に行ってこういう
実態をつかんだのですよ。先ほどから、農外資本の進出というのはごくまれで、しかも過去にあった例などを引きずり出されたわけなんですね。こういう状況で農民が実際には追い出されるはめになっている現実があるわけなんです。
さらに、この農場はいま五十ヘクタール前後の畑作を
経営しております。この農場を中心に清水町の御影地区で畑地帯総合
土地改良
事業を行っているわけですが、同地区の、この御影地区のことですが、六〇%をこのペケレベツ農場が占めているわけなんですね。ですから、
事業の
推進にブレーキをかけて、用水だとか灌漑
事業に同意しないため、この
地域の基盤整備が進んでおりません。また、膨大な遊休地を持っているのに、周辺の農民が貸してほしいと要望しても一切断っているわけなんです。この辺では平均十ヘクタールと北海道の酪
農家としては小規模なんです。ですから、この
地域の農民の草地規模
拡大要求というのはきわめて強いわけなんです。この農場をまたいで、その周辺の
農家の人は七、八キロメートル離れたところに借地を求めているわけなんです。さらに五十四年度には耕地防風林を伐採してしまい、風の強いこの地区の
農業に打撃を与える、こういうことまでやっているのです。こうして藤田観光による法人支配は、
地域の
農業振興にとっても大きな障害になっております。
こうまでして
土地を所有し、遊休化させている原因は、藤田観光がもともと
農業をやるつもりがなかったことにある、このように思わざるを得ないわけですね。同社の松山緑社長は
昭和四十五年から北海道開発
審議委員をしており、日高山脈を抜けて十勝平野に出る要所にある清水町が北海道横断自動車道のインターチェンジの予定地であることをつかんでいた、こういうふうに考えられるわけです。特にこの農場は——
大臣が具体的なことでおわかりにならなければと思って地図を持ってきたのです。見えるかどうかわからないのですけれ
ども、緑の線を引いているところが国道です。それで藤田観光の
土地がここなんです。ですから、日高山脈を抜けて北海道中央部と東部を結ぶ国道二百七十四号線というのがこう来ているわけなんですね。それと十勝平野を根室本線沿いに走る国道三十八号線にはさまれる扇状の地帯の中央にちょうど位置している。しかも清水駅から五分から十分のところなんですね。非常に好
条件のところにあるということなんです。ですから、列島改造ブームによる
土地買い占めの直前に、十アール当たり五万円から七万円という超安値で、つまり耕作
目的での移動の形をとって、
農地や採草放牧地を取得するための隠れみのにこの
農業生産法人が使われている、これが真相だ、こういうふうに判断をせざるを得ないわけなんです。法人設立の後、
農地転用の障害になる酪農や用排水、灌漑等への投資を避けて、地元
農家を構成員から排除して着々と転用の布石を打っているわけなんです。ですから、
大臣、こういう状況をどうお考えになるのか。
また、
昭和四十五年九月三十日の次官通達で言う
農地の効率的利用だとか、あるいは
農家以外の者による法人支配を排除して
生産法人の指導
育成に当たるという、この指導ということは一体何であったのかと思わざるを得ないわけなんですね。
ですから、私詳しくお話ししましたので、こういう
実態が現にあること、しかも、先ほどから
局長がそういう
事例はないないとかなりおっしゃっていたんですけれ
ども実際はあるということについて、
大臣はどのようにお考えなのか、御見解を聞かせてください。