○中川(利)
委員 それで、大臣からいまそういう発言はありましたけれ
ども、今後厳重に注意していただきたいと思うのです。同時に、蓼科問題をどう
調査し、どう
理事会が決めようと、私は私なりに判断し、独自に
調査もしたわけでありますし、何もかももともとそれはいいかげんだということを言っておるのではないですよ。ただ、全共連自身が自分でこういう
調査をして、その
調査の疑念について私はただしたわけでありますが、しかし、全共連そのものがちゃんと
資料をいろいろ出したことはりっぱだと私は思うのですよ。その点は高く評価するわけでありますが、同時に、監督官庁である
農林省のいまのようなあれは非常に失格だと私は思っているわけであります。
それにつけ加えて
一つお聞きしたいことは、あの際私は農林大臣にお聞きしたわけでありますが、天下りの問題です。あなたは「私
どもといたしましては、行政改革の一環としても、できる限り
関係団体への天下りは慎むようにという
一つの方針を持っておりますし、そういう点について慎重に対処」したいということをお答えになりましたね。
ところで、ここに「協同組合通信」というものがあります。これは農業協同組合
関係の専門誌というか、これの
昭和五十五年三月七日発行、これを見ますと、何を書いてあるかというと、「全中総会開催さる 一〇議案を原案どおり可決 役員
補欠選任は投票で採決」こういう見出しがついている。中を見ますと「八号議案については長崎県中松本英徳会長、山形県小室貢村山市農協長、愛知県大口政義西春日井農協長らから「
理事候補者中沢三郎氏」について「全共連問題の責任をとって同会の系統組織役員は全員
辞任しているのに、学経役員は
辞任してすぐ全中役員になるのは筋が通らぬのではないか」との反対意見が出され、結局投票による採決を行ない、投票総数丁五八、賛成九一、反対六七と、僅か二四票の差で原案どおり可決、」云々と書いてあって、「また会場でも予想外に反対票の出たことに多くの人が驚きの表情をみせていた。なお全中が役員選任を投票で行なったのは初めてである。」こういうニュースが出ております。
同時に、この「協同組合通信」の三月五日号を拝見いたしますと、「役員選任で労組が申入れ」「全共連退任役員の全中常勤役員就任について」の申し入れを全中労の
委員長が行ったという記事でありまして、「(一)役員推薦
会議の審議を待たず、具体的な候補者名があがっていることは、役員選出を民主的に行なうという点で極めて問題である(二)いわゆる全共連怪文書事件について、農協組織に対しその責任をとり
辞任した役員が、農協組織の
指導機関である全中役員に就任することは、組織運営上の責任のとり方として極めて問題であり、納得しがたい(三)国会等で官僚の天下り問題が取り上げられ社会的批判があるなかで、
農林水産省出身者を全中役員に就任させることは、全中の使命からして納得しがたい。」こういうことでわざわざ申し入れしているのですね。
そうすると、あのとき大臣は、慎重にやらなければいかぬ。ぼくはまあ何年も前にやめた人だから天下りといったって相当コケは生えているということはわかりますけれ
ども、それにしても、全員やめたのに対して、しかも全中のところへ行ったということですね。これは後ろに
農林省のさしがねがなければそういうことはできないということは、私は証拠は持っていませんけれ
ども、その真偽はともかくとして、その筋の
方々はそのように見るのは当然だと思うのです。こういう
あり方について、大臣、あなたはどう思いますか。