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松浦(昭)
政府委員 まず、最初のお尋ねの、
ひょう害方式の追加に伴いまして、さらにこのような特定の
災害のみを対象とする
共済をふやしていくかどうかという点でございますが、確かに、
共済事故の選択
方式につきましては、
果樹農家の危険意識の高い特定の危険だけを
共済事故として選びまして、その結果
共済掛金も安くなる。そこで、特に
技術水準の高い
果樹農家の
保険需要にこたえられるというメリットがあるというふうに考えられます。したがいまして、これに類似した
方式をとってほしいという声がかなりあることも私
承知いたしておる次第でございます。
ただ、
果樹共済は、その対象になります作物が何分にも永年作物であるということでございますので、
災害が
発生した場合は、
果樹の中で、
果実はもちろんたとえば風水害、暴風雨等によりまして落果するということがありましても、同時に樹体に
被害を及ぼすという場合があるわけでございます。そういたしますと、
果実の
収穫量に及ぼす影響の度合いと、それから樹体に
被害がありまして、そこから出てくる
災害による
被害というものをうまく分割して的確に把握できるかどうかということが問題になりまして、したがいまして、このような特定の
被害を選択するという場合には、このような
事故による
被害の分割ということが必要になってまいります。これはきわめて
保険のテクニックの問題でございます。したがいまして、
共済事故の選択
方式につきましては、
果実そのものに直接
被害をもたらすというものを対象といたした方が
保険としては仕組みやすいということから、暴風雨あるいは
ひょう害といったような
果実そのものに直接
被害を与えるというものを選んでまいったわけでございます。
そこで、このような考えから、当面は、
現行の暴風雨のみを
方式に加えまして、
ひょう害のみを対象とする
方式というものを追加することといたしておりますけれども、ただ、ただいま先生も御
指摘のように、そのほかにもこういう選択的な特定の
被害というものを選んだ
共済というものが
保険需要としてあるということは知っておりますので、たとえば先ほどちょっと
政務次官からも申し上げたのでございますが、病虫害以外を
共済事故とするというものにつきましては、病虫害による
果実の
損害を除外して
損害評価を行うための尺度、つまり病虫害分割
減収推定尺度というものを
整備いたしますれば、
事故が分割できるということになりますので、さような点から、
昭和五十一年度から主産県に委託いたしまして、尺度策定のための調査を
実施いたしておりまして、これができますれば、私どもできるだけ早急に導入いたしたい。つまり病虫害を外す、そういった特定
事故の
保険を
実施するように目下鋭意検討中でございます。
また、暴風雨とそれから
ひょう害をセットにした
保険ということも
一つ考えられますので、このようなことにつきましても、なるべく早急にひとつ結論を得るように
努力いたしたいと思います。
ただ、凍霜害とかあるいは寒害それから干害でございますが、こういうものにつきましては、先ほどから申しておりますように、樹体に与える
被害が多くて後になって結果が出てくる、こういうことがございますので、なかなか技術的な困難が多いという
実態でございまして、今後の研究課題にしたいというふうに考えておる次第でございます。
それから、もう
一つお尋ねの、例の最大風速の話でございますが、
減収暴風雨
方式の
共済事故選択の
方式につきましては、確かに、これは先ほども申しましたように、特に専業
農家に非常に適した
制度で、しかも掛金率も低くなるというメリットもあるわけでございますけれども、
現行の
方式によりますと、
共済事故を十三・九メートル毎秒以上の風害及び風水害ということで限定いたしておりまして、そこで
共済掛金も、オールリスクの
保険に比べますと、たとえば
リンゴについては四割ぐらい低くなっておるわけでございます。ところが、先生がお出になっておられます
地域でございます
リンゴの
被害というようなことになりますと、風力階級が七、これは平均風速がただいま申しました十三・九メートルでございますが、これ未満の風速あるいは瞬間最大風速二十メートルといった
程度の風速によっても、
収穫期においては、かなり実もなっておりますので、落果の危険があるということは事実でございます。そこで、瞬間風速十三・九メートルのみにするには余りにも低過ぎるわけでございますが、たとえば風力階級を下げまして、風力階級六、これは平均十・八メートル毎秒でございますが、とするか、あるいは平均風速と瞬間最大風速を併用するかというようなことは今後も研究してみたいと思っておりまして、ただ、そのようなことになりますと、掛金率がかなり上がりますので、あるいは
共済の魅力が失われるといったような問題も生じてくるかと思いますが、それらのことを総合勘案いたしまして、今後の検討課題ということでひとつ研究させていただきたいというふうに考えております。