○伊賀
委員 私は深く追及しようとは思いませんが、先ほど来申し上げておりますとおり、少なくとも国家的、
社会的な大きな問題を引き起こしておりますこのさなか、
大臣としてよく御検討いただきまして、私は
大西郵政大臣が
大臣の席に恋々としておる方だとは思いません、もちろんいま直ちにとは私は言いませんが、再びこういう事件が起こらないような措置がとられた適当な時期に
責任をおとりになることが、政治家集団を代表した当面の焦点であります
大西郵政大臣の最も賢明な策だと思いますから、ひとつ善処方を要望しておきたいと思います。
以上でこの点につきましては終わります。
次に、五十二年三月二十四日にJTEC、海外通信・放送コンサルティング協力という財団法人ができまして、今日まで
仕事をしてもらっておるわけでございますが、これも時間がございませんので私の方から申し上げてみたいと思います。
電信放送
事業というものは今日急速に世界的な規模で競争が行われておるわけでありますけれ
ども、電話戦争と言われておるそうです。電話戦争には二つの側面がある。北の先進工業国においてはすでに
電気通信網はほぼ完成に近い、その整備と拡充
強化は、むしろエレクトロニクスの
発展による質的向上の時代に入っておる。各国の国内市場での
電気通信機器の売り上げの伸びはほぼ頭打ち、加えてエレクトロニクス等の開発を初めとした
技術革新は、
電気通信産業を労働集約型から一層知識集約型に変える傾向にあります。
また
一つの側面は、自動車、カラーテレビ、鉄鋼等これまでの日本の輸出戦略商品は先進国相手の貿易であり、相手市場への殴り込み等によって伸びてきたものである。それだけに昨今の円高攻勢等を絡めての米、欧、対日圧力となり、通信機器は
発展途上国相手の先進国企業間の輸出競争で、先進国との直接的な貿易摩擦は起こらない等等のメリットもある。
これをまとめて言いますと、人類文化の
発展は通信と交通の発達なしにはあり得なかった。一国が工業化し、近代化を遂げるにも通信と交通は絶対不可欠な要件となっておる。とりわけ通信は、これほどまでに高度化し
複雑化した
社会においては、経済のみならず政治、外交、あらゆる分野を密接に連絡するテクノロジーとなっていることは否定できない。
そこで、そういう中で一体日本はどうかということでありますが、サウジアラビアで四十兆円、そのうち放送設備等が七千億、これは米、加、スウェーデン連合が落札しております。インドネシアで三百九十億、これは西独。韓国で百億、フランス。同じくフランスで五カ年計画で七兆円、ITT。イランで十年計画で五千八百八十億、アメリカ。オーストラリアで千七百億、スウェーデン。その他で、日本はことごとく失敗しておるそうであります。
もう私の方から何もかも申し上げますけれ
ども、日本は民間のコンサルタントはないのだそうですね。そこで、いま申し上げましたコンサルティングが五十二年にできたわけであります。ですから一番いいのは、その力を持っておるのは
電電公社。ところが、その
電電公社がそうした国際入札に参加することは法的に許されない。そこでJTECができた。
ところが聞いてみますと、JTECというのは資本金が五億七千万ほどでありまして、五十四年度の予算が三億だそうです。人は常勤の
理事さんが五名で非常勤が十七名で、十四名の
職員さんがおる。そのうちの六名が出向だそうであります。あとの八人の方々が
事務局を担当しておられる。そしてようやくカイロのジェトロに一人の駐在員を置くだけだそうでありまして、これではとても厳しい国際競争の中に、しかも今後自動車、カラーテレビ等々にかわる花形産業に
発展するであろう
電気通信事業というものが国際的に強力に
発展できないということであります。当面一人のジェトロ駐在のJTECの方では情報がまずとれません。そこで外務省の各国に駐在しております公館あるいは国際協力
事業団、国際協力
事業団は援助ベースでありまして、貿易ベースでは、これはやはり当面ではJTEC、コンサルティング協力が出ていく以外にないわけでありますから、当面このJTECに対して外務省並びに国際協力
事業団が強力な応援をする以外にないと思います。
もちろん、いまもしておられるのでしょうけれ
ども、いまの体制では、五十三年にできましてようやく、もう御承知かと思いますが、クウェートで三年計画で十五億の指導料という契約ができたそうでありますが、しかも日本の場合には、コンサルティングとして、昨年ですか
郵政大臣の答弁によりますと、動員できるのはせいぜい三、四十名だ。ところがフランスあたりでは、あるプロジェクトができますと一挙に三百人ぐらいは動員力を持っておる。アメリカはもちろんそれ以上の動員力を持っておるわけであります。そうすると、今後
電気通信事業の分野で、このままで国際競争の中に日本が伍していけるかというと、いけない。となると、このJTECを
強化するといいましても、やはりこれはお金の
関係、人の
関係がありますから、そう簡単にはい、はいというわけにいかないとするならば、当面国際協力
事業団を含めた外務省、しかし、国際協力
事業団も、これは援助ベースだけでありまして、貿易ベースは国際協力
事業団はタッチできない。
したがって、基本的には現在の
電電公社法を
改正して、
電電公社三十二万の人間、そして膨大な予算、人員、
技術を擁する
電電公社が晴れて国際舞台に、入札の舞台に参加することなしに、日本のこれからの放送、電信競争、言いかえますと、テレホンウォー、電話戦争に勝ち抜く道はないと思います。したがって、私の質問は二つであります。
一つは、時間をかけてでも
電電公社法の
改正をして、
電電公社の現在の体制をそのまま国際入札できる体制をとる、これが
一つの課題であります。当面外務省が本格的に応援をするという二つの点についてお答えをいただきたいと思います。