○米澤
政府委員 先生から幾つかの御質問がございました。
一番
最初に、いろいろな事業の進捗状況は一体どういうことになっておるのかという御質問でございますけけれ
ども、漁港につきましては、いずれも五十二年から五十七年までの五年
計画ということでございますけれ
ども、五十五年の末までにはその
計画の約六五・八%を達成するという
計画にいたしております。全国の平均ではこれが約五六%ということでございますので、漁港に関する限りは全国の平均よりは進捗状況が早いということでございまして、五十七年までにはぜひ一〇〇%目標を達成するようにしたい、また、今日までの工事の進捗状況でまいりますれば、それは当然達成できるものと私
どもは
考えております。
構造改善事業も五十三年から五十九年までの
計画にいたしておりますけれ
ども、これは現在までのところ、五十五年の末までで約四四・八%ということで、終期が五十九年でございますから、まだ五十九年までに達成できるかどうか予測のつけにくい
段階でございますけれ
ども、今日までのところ、ほぼ順調にまいっておるというぐあいに
考えております。
そのほかの事業は、事業によりまして五十六年末、五十七年末で終わるものがございますが、いずれも八〇%前後の進捗状況を示しておりますので、ほぼ
計画は達成できるのではないだろうかというぐあいに
考えております。
第二番目の問題は栽培センターの設置の問題でございますが、
栽培漁業センター、これは各県につくっておりまして、沖繩県の栽培センターにつきましても、今年度の予算で補助をいたしましてその設置を行いたいと
考えております。場所は国頭郡の本部町、沖繩本島でございますが、そこに工事の完了を三カ年の予定でこれからセンターをつくりたいと
考えております。
主要な施設といたしましては、陸上に種苗の
生産施設、池であるとかそのほかの施設をつくります。それから海上にも小割り生けすというようなものをたくさんつくりまして、海上で種苗を飼ってまいります。それからそのほかにもちろん管理棟であるとか実験棟であるとか、あるいは作業運搬船というような付属施設を予定しております。
それで、主要対象魚種及び種苗
生産予定数、これは完了した五十八年度の数字でございますけれ
ども、ハマフエフキダイ、これを大体六十二万五千尾ぐらい放したい、ミナミクロダイ六十二万五千尾ぐらい、ヒメシャコガイにつきましては十万尾、クルマエビにつきましては百万尾ということであります。
何分にも新しいところでやる事業でございますから、どれぐらいの効果があるだろうかということは的確にはなかなか申し上げにくいのでありますけれ
ども、これらはいずれも地つきの魚でございますし、いままでほかの地域でやりました経験を生かせばかなりの経済効果が上がるのではなかろうか、とらぬタヌキの皮算用かもしれませんけれ
ども、そういうぐあいに
考えております。
それから先生御質問の第三点は、タンカーの廃油ボールによる汚染の問題でございます。ちょうど沖繩本島はタンカールートに接近をいたしておりますものですから、主として南西諸島を
中心にかなり廃油ボールの漂着等の被害が発生をいたしておりますけれ
ども、この問題は、基本的にはまず関係法令の厳正な運用、それから不法投棄に対する監視、取り締まりの強化ということで根絶をしてまいらなければならないわけでございまして、水産庁といたしましては、その意味で関係省庁にいろいろな要請を行いますとともに、必要に応じいろいろ協力、連携を図ってまいったところでございます。
また、原因者不明の廃油ボールなどの
漁業被害につきましては、漁場油濁被害救済基金というものがございまして、国がこの基金の行う救済事業に対して助成を行っております。沖繩につきましても、五十四年度にはこの基金から、約十九件の廃油ボールの漂着についてその防除費の助成を行っております。いずれにしろ、廃油ボールの問題はなかなか根絶はむずかしい問題でございますけれ
ども、いままでの諸施策を充実強化いたしまして、被害の防止が大事であるというぐあいに私
どもは
考えております。
第四番目の問題はサメの被害の問題であったと思いますが、先生が御指摘になられますように、サメの食害がこのごろ非常にふえてきた、かってはサメをとる
漁業があったということ、あるいは沖繩の場合でありますと近隣でサメを対象とする
漁業があったということで、かつては比較的被害が軽かったのではないかと思うのでございますけれ
ども、最近はその被害が非常に目につくようになってまいりました。同じような被害は伊豆諸島にも発生をいたしておりまして、その意味で東
京都の水産試験場で国の指定調査研究総合助成事業ということでサメの資源、生態の調査、被害を防除するにはまず生態を明らかにしなければなりません、それからどうやってとるかという問題、あるいは駆除をする、追い払う、そういう効果などの面につきまして研究を行ってまいりました。その成果を評価の上、沖繩県とも十分に協議をしながら、早急にどうやったらサメの駆除対策ができるか、沖繩県と十分相談をしてまいりたいというぐあいに
考えております。