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上原委員 もちろんいろいろ五十四年、五十五年の
財政事情というのを、私も前段申し上げましたようにわからぬわけではありませんし、大変な
財政状況の中でいろいろ工夫をしてこられた、また、そういう中でも開発庁
長官初め開発庁関係のスタッフの
方々が骨を折っていただいたということについてはわかるわけですよ。しかし、この振興開発の基本
方針でもうたわれておりますように「この計画においては、沖繩の各面にわたる本土との
格差を早急に是正し、全域にわたって国民的標準を確保するとともに、そのすぐれた地域特性を生かすことによって、自立的発展の基礎条件を整備し、平和で明るい豊かな沖繩県を実現することを目標とする。」目標だと言えばそれまでのことかもしれませんが、そういう目標達成に向けての最終
段階になった五十五年度あるいは五十六年度どうなるか、これも非常にむずかしいですね、
総務長官。この一番大事なときにいま少し
考えるべき点があるのじゃないかということを申し上げているわけです。なかなかそうなりっこない。
いまも御答弁ありましたが、おっしゃるように、沖繩開発
予算の中でこれまで最も大きな柱はやはり公共事業関係費ですよ。御
指摘のとおりなんです。復帰以来年々大きな伸びで推移をしてきて、五十四年度の
予算では二一%の伸びであった。いまおっしゃったように、五十五年度は全国的にはゼロの伸びに対してだという御
説明はあったのですが、公共事業はわずかに一・七%の伸びに落ち込んだ。しかし、この公共事業のうち道路関係の
予算は前年度対比で九八・二%、下水道関係の
予算がこれまた九八・二%ですね。簡易水道、主として離島関係が八九・二%、工業用水は八七・二%といったぐあいに軒並みに大幅に落ち込んでおるわけですね。その他の公共事業でもひとり住宅関係費を除けば一%ないし三%前後の伸びにとどまっている。一方、沖繩県の金融経済に大きな役割りを担っている公庫の貸付資金を見ても、これまた住宅資金を除いたほかは全部前年度並みの資金計画に相なっておりますね。
こういう
財政措置といいますか
状況を見てみますと、五十三年下期ごろから五十四年にかけて、あるいは五十五年にかけて、沖繩経済にようやく若干の明るい兆しが見え始めておったのです。雇用の問題失業の面も過去の厳しい状態に比べればやや好転の傾向にあった。こういうやさきに、振興開発計画もいよいよ九年目に入って最も重要な時期に入っている
段階では、少なくとも五十五年度の
予算目標はもう少し
考えてもよかったのじゃないかということを
指摘をせざるを得ないと思うのですね。こういう面から
考えますと、残り両二年度において所期の目標達成はもはや全く不可能になったと言っても言い過ぎでないと思いますが、これに対して一体開発庁はどのような御認識を持っておられるのか。鋭意
努力をする、全力投球するということはしばしば大臣の決意にもありましたが、どうも残された期間内での達成というのは不可能に近くなっている。確かに国の
財政事情の理由もありましょうし、いろいろあると思うのだが、
政府自体も第一次のこの計画期間の目標達成はあきらめて、むしろ積み残しの事業は次期計画にのせればいいというお気持ちになっているのじゃないかという感さえせざるを得ないわけですね。この点どういうふうに
考えてどう修復していかれようとするのか、ここらの点についてはひとつ
長官の御
見解もあわせてお聞かせをいただきたいと思うのです。