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大西国務大臣 郵便法等の一部を
改正する
法律案につきまして、その
提案理由及び主な
内容を御説明申し上げます。
この
法律案は、最近における社会経済情勢の動向及び郵便
事業の
運営の現状にかんがみまして、郵便
事業の
運営に要する財源の確保を図るため、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の改定を行うほか、第一種郵便物等の料金の決定について臨時の特例を設けるとともに、利用者に対するサービスの
改善を図る等のため、郵便法その他の
関係法律について
所要の
改正を行おうとするものであります。
まず、郵便法の一部
改正の
内容について申し上げます。
第一は、
郵便料金の改定についてであります。
郵便
事業財政は、石油危機に端を発した人件費や諸物価の高騰により、
昭和四十九年度以来大幅な赤字に転じ、
昭和五十一年一月の料金改定によりまして好転いたしましたものの、
昭和五十三年度からは再び収入不足を生ずることとなり、
昭和五十四年度末における収入不足の累計は、
昭和五十年度の料金改定時と同
程度になるものと見込まれております。このまま推移すれば収支の差はますます拡大し、
事業財政の状況は悪化の一途をたどることとなります。
こうした中で、昨年十月郵政審議会に対し、郵便
事業財政を
改善する方策について諮問いたしましたところ、同審議会から、
昭和五十五年度から三年間は新たな赤字が生ずることを防ぐとともに、累積赤字についてもできるだけこれを解消していく
措置をとることが必要であるとして、この際
郵便料金の改定を行うことはやむを得ないものと判断するとの答申がなされました。
今回の料金改定案は、この答申に示された料金を骨子とするものでありまして、第一種郵便物の封書につきましては、定形二十五グラムまで五十円を六十円に、定形外五十グラムまで百円を百二十円に改め、また、第二種郵便物の通常はがきにつきましては、二十円を四十円に改めることを主な
内容といたしております。
なお、第一種郵便物のうち、郵便書簡につきましては五十円に据え置くこととし、第二種郵便物の通常はがきにつきましては、
昭和五十五年度中は三十円とすることといたしております。
第二は、第一種郵便物等の料金の決定についての特例についてであります。
郵便の料金決定方法のあり方につきましては、かねて郵政審議会等から「
現行の料金決定方法については、弾力的に対処できる方向での
改善が必要である」との
趣旨の御提言をいただいていたところでありますが、その後慎重に
検討いたしてまいりました結果、郵便
事業財政の現状にかんがみ、郵便
事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、一定の範囲及び条件のもとで、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金は、
郵政大臣が郵政審議会に諮問した上、省令で定めることができるものとする等の
規定を設けることといたしたいとするものであります。
第三は、利用者に対するサービスの
改善を図るため、新たに郵便切手について手数料を徴してこれを他の郵便切手等と交換することができることとすること、新たに図画等を印刷した郵便はがきを発行し、一般の郵便はがきの料金額によらない額で売りさばくことができることとすること、速達小包として差し出すことができる郵便物の大きさ及び重量の制限を緩和することについての
改正を行うことといたしております。
以上のほか、郵便に関する料金を滞納した場合の延滞金、延滞利率についての
規定を設けること等の
内容を織り込んでおります。
次に、お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する
法律の一部
改正の
内容について申し上げます。
まず、お年玉につきましては、利用者に対するサービスの
改善を図るため、お年玉として贈る金品の単価の最高限度額を
現行三万円から五万円に引き上げることとするとともに、お年玉として贈る金品は、簡易郵便局においても引きかえをすることができることといたしております。
また、寄付金につきましては、その配分を受けることができる団体に、文化財の保護を行う団体及び青少年の健全な育成のための社会教育を行う団体を加えることといたしております。
最後に、印紙をもつてする歳入金納付に関する
法律の一部
改正の
内容について申し上げます。
これは、郵便法の一部
改正の中で郵便切手の交換を行うことといたしておりますので、これに合わせまして、同様の
趣旨から収入印紙につきましても、他の収入印紙との交換ができるようにしようとするものであります。
なお、この
法律の施行期日は、
昭和五十五年十月一日といたしております。ただし、第一種郵便物等の料金の決定の特例につきましては、
昭和五十六年四月一日から施行することといたしております。
以上、この
法律案の
提案理由及び主な
内容につきまして御説明申し上げましたが、今後とも郵便の送達速度の安定を図ることにより、
国民各位の期待にこたえるよう懸命の努力を傾ける所存でございます。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げる次第でございます。