○安藤
委員 むずかしいとおっしゃるのですが、年度内の場合は救済をされて、年度を越したからだめだ。これはその
退職をした
公務員の人の責任でも何でもないわけなんですからね、先ほどの
遺族年金のところでもお話がありましたけれ
ども、慎重に
検討していただいて、もう一遍何とかいい方法はないかということを
考えていただきたいと思うのです。そのことをこれは
要望をしておきます。
それから、これは
昭和五十二年五月十二日、本
委員会で私
どもの三谷議員の方から、
年金の官民の
格差が言われておるけれ
ども、
公務員年金の
水準というものは実生活の七割どまりであるというようなことが、質疑それから御
答弁いただく中でその論議の中ではっきりしてきた、低
水準の問題が出されたと思うのですが、それから、
公務員年金を問題にする場合に、幾つかの省庁がこれを所管しているわけです。
厚生年金は厚生省、そして
自治省、
国家公務員は
大蔵省、あるいは国鉄の場合は運輸省とかいうふうにですね。だからこれも先ほどちょっと
議論がありましたけれ
ども、各省庁ばらばらの所管になっております。だから、政府として統一的な
年金所管がなされていない問題、これを取り上げて論議をしたことがありますけれ
ども、これについてはその当日、五月十二日は自治大臣出席されておられなかったのですが、翌十三日に当時の
小川自治大臣が出席をされて、こういう
答弁をしておられるわけです。「各種
公的年金制度を通じてその責任官庁を明確にすべきであるという御
指摘があったと承っております。その点につきましては、今後関係方面と相談し、
検討することといたします。」という
答弁をいただきました。
あれから三年たっておるわけです。その間に、たとえば昨年の改悪のように、
公務員の
年金支給開始年齢の繰り下げ、これは六十歳に繰り下げた、こういうようななし崩し的な改悪がなされているわけですけれ
ども、その際に、
支給開始年齢の引き下げというものは、単に
共済年金だけではなくて
厚生年金の方にも拡大されて、全体として
年金水準のレベルダウンになるんじゃないかということを私
どもは
指摘したのです。後藤田自治大臣、よく聞いておいてくださいよ。そのときに大臣は、これは官民
格差を
是正するためだという
趣旨の御
答弁をなさったことを記憶しておりますけれ
ども、官民
格差を
是正するということで後ろ向きの方に、悪い方に
是正するというふうに私
どもは
考えておるのです。
ところが、それから数日たって厚生省は早速、私
どもが
指摘しましたその危惧を具体化してきたわけです。
厚生年金の
支給開始年齢の六十歳から六十五歳への引き下げという
方向を打ち出しました。これはいまはちょっと保留になっていますけれ
どもね。大臣はそのときに、官民
格差の
是正だとおっしゃったのですけれ
ども、
厚生年金の
支給開始年齢が六十歳から六十五歳に引き下げられるということを厚生省の方では
考えているということは、御
答弁なさった当時、もう当然
承知しておられたと思うのです。それでないと同じ閣僚の中でおかしいと思うのです。そういうことを御
承知の上で官民
格差とおっしゃって、そして、
共済年金の
支給開始年齢を六十歳に引き下げる、これは官民
格差是正になるんだというふうに御
答弁をなさったのでしょうか。