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竹本委員 たとえば、私がいま言っているのは、二兆五千億か二兆六千億かは別として、資金運用部の金をことしはこれだけ使う。しかしながら、資金運用部においては財投の関係もあり——財投なんかは、大体においていわゆる
高度成長時代の、遺物と言っては悪いかもしらぬが、流れをくんでおる。それでどんどんふやして、ことしも八%、十八兆千八百億円ということになっておるようだが、これは去年の実績から見ても四分の一ではなくて、ことしは三分の一ぐらい
消化ができないだろう。そうすると、その面の金が浮いてくる。特に大蔵省としてあるいは
政府として、
高度成長の延長線上にある財投計画については、いま申しました全体としての
経済のキャパシティーの
限界にかんがみてひとつ再検討するのだ。だから、その面からも資金運用部の金が浮いてくる。したがって、資金運用部にも大きく
期待ができるではないか。たとえばの話ですけれ
ども、こういうような
説明を私は伺いたいのです。
市中公募の問題にしても窓口販売の問題にしても、
経済が厳しい
情勢であることも動いておることも、いま数字を具体的に挙げろと言うことが無理だということもみんなわかりますよ。みんなわかりますが、それにもかかわらず、ここに
委員会の同僚の
皆さんがいらっしゃるが、われわれが聞いて、なるほど、それならば去年と違って
国債の
消化はできるであろうという
経済分析といいますか、そういうものの上に立った御
説明をいただかないと、弾力的にやりますとか、機動的にやりますとかいうような言葉だけでは安心ができない。本当はその
一つ一つの項目についてきょうはやろうかと思ったのですけれ
ども、時間の方がなくなりましたから、これはまた機会を見て改めて論じますが、私が求めておるのはそういうものだ。すなわち、われわれが聞いて、
経済分析の上からいって、それならば可能であろうというような理解のできる
説明をやはり用意しておかれる必要があるのではないかと思うのです。これは
希望にとどめておきますけれ
ども、いまの御
説明だけでは、わからぬと言えば言い過ぎになりますが、わかったと言ってもなお言い過ぎですし、ほとんどわからない。そういう
意味でひとつ掘り下げた分析の上に立った御
説明をいただいて、なるほど
消化ができるだろうというふうに理解をしたいということであります。
もう
一つ、
国債の
消化が可能であるかということ以上に大事な問題は、
償還が可能であるかという問題ですね。きのう
山田委員がこの紙切れを出されましたことに私は非常に敬意を払っておるのですけれ
ども、私
どもから言えば、こういう計画なり試案なり試算なりで結構ですが、早く六十九
年度までぐらいの中期展望に立った表を出していただきたいと思うのです。それがなければ
意味をなさぬですよ。たとえば収支試算の問題でも、あれは毎年やっておるでしょう。毎年出しておる収支試算などというものはほとんど
意味をなさぬと私は思うのです。そこへ乗り込んで、その場へ入ってからそのときの展望をやるのですからね。われわれは中期展望が欲しいのであって、毎年毎年変わる展望などというのは展望にならない。決算書でもないけれ
ども、試算表としてはほとんど
意味を持たない。すなわちガイドラインにならないのですね、ガイドするものが出てこないのですから。そういう
意味からいっても、われわれが国策を
論議する場合の基本的なデータとして、あるいはガイドラインになる資料としてこういう展望が欲しい。本当言えば、これこそ政党政派を離れて、
日本の
財政危機をいかに克服すべきかということについて各党衆知を集めて、この場でいいのかどこでいいのかは別として、この問題に真剣に取り組んでほしいと思うのです。これは
山田さんの非常な御
努力で、特に六十六年以降については
一つの展望を持たれたと思いますが、その展望をさらに今度掘り下げなければならぬ。どういうふうに掘り下げが必要であるかという問題について、たとえば五十九
年度で
赤字国債を
脱却しますということになっていますね。それがいかにして可能であるかという、その可能性の根拠を分析してわれわれが理解しなければ
意味をなさぬと思うのです。どうしてそれが可能であるか。
たとえば、いまイランの問題を
大臣も言われました。このイランの問題は、それこそ油の問題だけれ
ども、すぐれて政治的な問題になっておるので、値段の問題にしても量の問題にしても、三十三ドルか三十五ドルか、そういうような問題もいろいろありますが、それ以上に、一体、中東の政治
情勢がどう展開するか、そういう問題等含めて、
日本の大事なエネルギーの確保ということがどれだけ可能であるかということも
考えると、いま新
経済社会七カ年というものがありますね、あれなんか全然問題にならぬと私は思うのです。
この間、正示君にも言いましたけれ
ども、とにかく七カ年計画というから、国民は七カ年計画と思うのだけれ
ども、一体計画になっておるか、また、計画を立て得るような基礎
条件がいま国際
情勢の中にあるかということですね。私はそういう点については非常な疑問を持っておりまして、新
経済社会七カ年計画というものは、いまはこの揺れ動く国際
情勢の中で、これは与党だけではない、野党といえ
どもなかなか計画が立たない。立たない計画を今度ベースにして、たとえば増収の問題にいたしましても、
経済は五・七なら五・七でこう伸びるであろう、それが租税の収入にこう反映するであろう、弾性値は一・二である、こういうようなことで計算をしておるだけであって、具体的な根拠というものの掘り下げはほとんど行われていないと思うのです。
そういう
意味で、まず第一に、私は、先ほど来
借りかえの問題を
論議いたしましたのもその点ですけれ
ども、五十九
年度で
赤字公債は出さないようにするんだ、そして六十年からちゃんちゃんと払っていくんだというその大事な前提として、七カ年計画はある程度スムーズに実行されるであろうという前提があると思うのです。そして、それらを含めて今度は、増税は高橋さんの計算によれば五兆八千五百億円必要であると言うが、必要であるというのはよくわかるけれ
ども、それが可能であるという話は余り聞いていないのだが、とにかく可能であるのかどうかという問題が前提にある。
それからもう
一つは、五十九
年度にゼロにするためには、何年から繰り入れるかは別として、定率繰り入れのほかに予算繰り入れというものをやらなければならぬでしょう。その予算繰り入れは、どこから見てもおおむね二十八兆円ですよ。二十八兆円の繰り入れを、どこから始めて何年、どういうふうにやるかわからぬが、とにかく、それはお任せするにしても、トータルで二十八兆円ぐらいの繰り入れが必要であると言うけれ
ども、いまでさえ予算の収支のバランスに困り切っているのに、これからの数年間に毎年、年によっては五兆円あるいは六兆円、少なくとも一兆円、そういうものをどんどん、定率の問題のほかに繰り入れるだけの
財政の余裕が一体どこにあるかということの
説明は全然聞いていない。
そこでお伺いをしたいのは、まず第一は、
経済情勢の七カ年計画というものは、すべての収支試算——収支試算というものは余り私は評価しませんが、少なくともそれしかないのでそれでお伺いするが、収支試算の前提になり基礎になっておるのではないか、その基礎が先ほど
大臣も言われたように、きわめて動揺、不安定なものではないかという点についてどうか。それから第二番目は、増税の五兆八千五百億円というものはいかにして可能であるか。第三は、繰り入れをやらなければいかぬ。予算繰り入れがおおむね二十八兆円くらい必要と思うけれ
ども、それは必要であるということはわかるが、可能であるという話は聞いていないが、可能であるか、この三点について特に明確な御答弁をいただきたい。