○
堀委員 大体前向きに
受け入れ体制を整備しながら
実施がなされることを期待しているという御答弁のように思いますが、
長谷川参考人の
お話は、なぜ
夫婦ずれで土曜日に
住宅ローンに来るかというと、そのところは
週休二日になっているのですね。
週休二日になっているから、要するに、お勤めの方が
休みだから来られるのですよ。ですから、
週休二日という問題は、広がれば広がるほど、ふだんの日に行けない
人たちが土曜日に来るという問題はあろうかと思います。ですから、もしそういうことのためのサービスというものが非常に重要であるならば、これは何も
一般の
銀行業務そのままでなくて、まさに
相談業務だと思うのですね。
相談業務は別途何らかの
方法での
対応もあろうか、こう
考えますので、
そこらはまた
金融機関側でもひとつそういう問題を含めて御
検討をいただきたいと思います。
それから、いま
小原参考人が
お話しになりましたし、
関参考人も
お話しになりましたが、
金融機関の
週休二日で土曜日を休んでいただくときに、
郵便局や
農協や漁協がやっておられるということでは、私がさっきちょっと申し上げました、これは
競争条件の中にありますから、
イコールフッティングでなければ、これはそういう点で不公正を招くことになります。
郵便局は御
承知のように
郵便業務でありますから、
郵便局を閉めるわけにはいきませんけれ
ども、
郵便局における
貯金業務は、
金融機関の一環として何らかの
対応をしていただくということでなければ
イコールフッティングにならないと思いますし、
農業協同組合、
漁業協同組合等もその点は十分お
考えをいただくような
方向で私
どもも
考えておるわけでございますので、その点はひとつ私
どもにお任せをいただきたいと思います。
それから
国民の
コンセンサスを得るということは、
現状では
国民を
代表しております
国会における
コンセンサスが得られることをもって
国民の
コンセンサスが得られたという御判断をいただく以外には、これは
国民投票にかけてやろうなどということにはなかなかならないので、そういう形で私
どもは今後努力をしてまいりたい、かように思っております。
ただ、さっき私が申し上げたように、
法律ができたから直ちに施行というのではなくて、一定の
期間国民に
十分PRをしまして、
国民の
皆さんがそういうことが
実施されることによって不要な混乱やお困りになるようなことがないようには十分努めてまいらなければなりませんし、そのための
期間も当然必要だと
考えております。
理想的に言えば、現在
キャッシュディスペンサーがかなり普及してまいりましたけれ
ども、これが単に引き出すだけではなくて預け入れも確実にできる——最近、大阪の梅田の地下街で
にせものキャッシュディスペンサー事件がありまして、これが時効になったというようなことがありますから、
そこらは慎重な
対応が必要かと思いますが、何とかこの
キャッシュディスペンサーがより合理的に使えるような
研究開発が行われて、いま申し上げましたような広くお金の出し入れという問題については
零細企業の
皆さんにも
国民の
皆さんにも御不自由をかけないような
対応についても
金融機関の
皆さんの方で御
検討をいただいて、そういう
意味での
受け入れ体制を進めていただくように
お願いしたい、かように
考えておるわけでございます。
次に、先ほど
委員長が
お話しになりました今回三月期に行われます決算問題について少し御
意見を伺いたいと思います。
実は、
銀行局が十二月二十八日だったと思いますが、御
承知の
統一経理基準に関して、
国債の
評価をこれまでは
低価法でやってまいりましたのを
原価法、
低価法のいずれを選択してもよろしいという
通達を出したわけでございます。
少し古いことでございますけれ
ども、ちょうど私は先般亡くなられました
高橋俊英さんが
銀行局長でおられましたときの
大蔵委員会で、
銀行局長に二つの
宿題を
お願いいたしました。
一つは、私、ずっと
金融の問題を調べております中で、
金融機関の序列というのは常に
預金量が多いものからつくられているという問題でございます。いろいろと勉強した結果、
金融機関の
預金量が多ければランクが高いということは必ずしも適当でないのではないか、
金融機関をはかる物差しは
サウンドバンキングの
程度いかんによるべきではないかということが私が
考えついた
一つの問題でございます。よく
山高きがゆえにたっとからず、姿よしをもってたっとしとするという
日本には古来の
言葉もございますけれ
ども、こういうようなことで
金融機関を
サウンドバンキングの
程度によって統一的に並べてみて比較ができるような、言うなれば新格づけ
基準とそのとき私は申しておりましたが、新しい格づけ
基準をつくることによってこれまでの
預金量による配列を変えたらどうだろうかということを
検討してみてくださいと、当時の
高橋銀行局長に
お願いしました。
高橋銀行局長は
検討されて、
高橋さんのときにはできませんでしたが、やがて
高橋英明さんが
銀行課長のときに私のこの提案は
統一経理基準というかっこうで実は具体化されることになったのでございます。ですから、私はそういう
意味ではこの
統一経理基準というものについては非常に深い
関心を持って今日までまいっておるわけでございます。
もう
一つそのときに
宿題を出しましたのは、
金融機関の
大口貸し出し規制という問題をひとつ
高橋さん
検討してみていただけませんかと、これは
アメリカや西ドイツを調べましてもそうでありますし、
日本では
相互銀行法の中にきちんと法定されておることでありますから、
相互銀行法は
昭和二十六年でありましたか新しい
法律であり、
銀行法は
昭和二年という
法律でありますから、これは
時代の違いがありますので、当然
銀行法を改正するときにはこの
項目は
法律要件となるべきだ、こう
考えて
高橋さんに
お願いをしましたが、いろいろ御
検討いただいた結果、堀さん、これはもう商社の問題にぶつかって、ちょっといまはどうにもなりません、こういう
お話でございました。どうにもならないことを無理に
お願いできませんから、時期のたつのを待っておりましたけれ
ども、御
承知のように、いまから五年前に、これは私が申し上げているような
金融機関の
健全性という問題から問題が出たわけではございませんけれ
ども、いずれにしても、
通達をもって、向こう五年間に
普通銀行は二〇%、
長期信用銀行、
信託銀行三〇%、
為替銀行四〇%という対
資本金比率でこの三月三十一日に
処理をしてほしいということになってまいったわけであります。そういう
意味では、たしか
昭和三十八年ごろだったと思いますけれ
ども、いまから十八年前に私が当
委員会で問題を提起したことが今日いろいろな形で具体化されておるということは大変いいことだと思っておるのであります。
そこで、前段の
統一経理基準でありますけれ
ども、
アメリカの制度は、
有価証券については
商品有価証券と
投資有価証券というふうに区別をされて、
商品有価証券については
低価法、
投資有価証券については
原価法、こういうふうになっているようであります。私、これは大変合理的な
評価方法だと
考えておりますので、まずこのような
処理がされておれば
統一経理基準における
評価問題は問題がない、こう思っておるのでありますが、実はそういう問題ではなしに、ある
金融機関で
国債は十把一からげに
原価法にする
低価法にするか、いずれかの選択というのが今回の
通達の趣旨でございます。
そこで、実は
株式会社の
貸借対照表、
損益計算書及び
附属明細書に関する規則というのが
昭和三十八年三月三十日
法務省令三十一号というので出ておりますのをちょっと見てみますと、十一条に「
短期保有の
株式等」というのがございまして、「
取引所の相場のある
株式及び社債(
国債、
地方債その他の
債券を含む。以下同じ。)で
決算期後一年以内に処分する
目的で
保有するものは、
流動資産の部に記載しなければならない。ただし、当初一年を超えて
保有する
目的で取得したものは、
投資等の部に記載することができる。」これは
商法の規定の細則だと思うのでありますけれ
ども、これともう
一つは、
商法の二百八十五条ノニ、二百八十五条ノ四、二百八十五条ノ五というような
項目がありまして、これらをずっと見ながら
考えてみますと、いまの
決算方法の中で仮に全部
原価法ということになって、それがその
債券を購入されましてから
償還まで持っておられれば、これは
原価法は当然のことなのでありますけれ
ども、
金融機関の様態によってはなかなかそうはいかないというのが
現状ではなかろうか、こう
考えるわけであります。
特に、いま
政府が
金融機関に
国債をある
意味では押しつけているわけでありますが、たとえば
長期信用銀行とか
信託銀行は本来が
長期資金を扱っておられる
金融機関でありますから、どちらかといえばそういう長期的な
債券の
保有をするのには適した構造であろうか、こう思うのでありますけれ
ども、
都市銀行、
地方銀行あるいは
相互銀行、
信用金庫、いずれもそうでありますけれ
ども、これは本来が
短期資金を扱う
金融機関でありますから、この
短期資金を扱う
金融機関が十年という長い
期間の
債券を持つということは、これは全体として見て、その
国債そのものの全体の
資金量に占める割合が非常に小さければ、これは
償還まで
保有が可能であろうと私は思うのでありますが、いまの長期
関係の
金融機関に比べて、
一般の
短期資金を扱う
金融機関が最後まで持つということは大変不可能で、どうしてもこれはいま申し上げたような
流動資産としての
部分にかなりのものを入れておかなければ、それは固定資産として
貸借対照表に挙げるというわけにはいかない性格ではないだろうか、こう
考えているわけであります。
そこで、私は、
銀行局に対しては、ともかくもう少しリーズナブルな
対応をやるべきではないかと、この前当
委員会で、一月二十九日でありますか、かなり長い時間をかけてこの問題の論議をいたしました。私が恐れておりますことは、要するに、そういうふうに売却されるというふうな前提のある
国債、言うなれば
商品有価証券としての
国債が
原価法によって
評価をされるということは、少なくともその時価と原価との差額だけは含み損として実は計上されておるということになってくるわけでありまして、その比重が小さければいいのでありますけれ
ども、これがかなり大きいということになりますと、これはやはりかなり問題があるのじゃないだろうか、私はこういう感じがいたすわけであります。
都市銀行の五十四年九月期の
国債の残高、増加額、引受額、これをずっと計算いたしてみまして、そこから売却額を計算して、一体、五十四年九月期における
国債売却額が幾らあったかと言いますと、
都市銀行では二兆五千八百二十億円実は売却をされておる。この二兆五千八百二十億円というのは、まさに五十四年九月期の残高の七兆六千八百五十七億円の三三・六%、三四%に当たるということであります。これが一〇%以内であるというようなことならば、これはグロスで見て、これを全部
原価法でやったらそんなに支払い準備の中における含み損が大きいということではないので、
銀行の
健全性をそう損なうものではないと私は思うのですけれ
ども、やはり三〇%を超えるような実は売却が行われるという
情勢、これが経過的に見ますと、五十三年九月期は一〇%、五十四年三月期は六%、五十四年九月期は突然としてこれが三三・六%になっておりますが、さらに今後これが減る
方向にあるかというと、ふえはしないかもしれませんけれ
ども、三〇%台というのは余り減らないのではないだろうか。減るように
政府が
国債発行をやれば、これはもう一番いいことでありますが、どうも最近の
情勢を見れば、
国債発行について
政府は必ずしも真剣さを持っているとは言えないというふうに私は感じておりますので、これが三〇%、四〇%というようなことになって、そしてこれを全部
原価法で
処理をしていくということは、
銀行の
健全性にも
関係があるし、同時に、今期は
銀行法の改正案が参議院選挙の時間的な
関係で審議ができないということだろうと私は思うのでありますけれ
ども、私は、いま
金融制度
調査会が答申をされておりますこの
銀行法改正に関する答申内容というものはすべて賛成なのでありまして、そういう
意味では、来年の通常
国会においてこの
銀行法は法制化される、こう
考えるわけであります。
そういうふうな時点に立って
考えますときに、この
銀行法の中では、
健全性を
一つ主張し、社会的責任を主張し、ディスクロージャを主張している、こういうふうになっておりますと、この間の当
委員会において大臣でも粉飾と紛らわしいようなことは望ましくないという答弁をやっておられるわけでありまして、ですから、そういう
意味では、私は、ただ
皆さんのいろいろなお
立場がありますから、それに応じて
原価法を今度採用されてけしからぬと言うわけにはいかないと思います。それは
皆さんは被害者でありまして、加害者は
政府でありますから、責めるならば加害者を責めるべきで、被害者を責めるわけにはまいらないと私は思いますが、しかし、それはそれとして、何らかの合理的な決算に対する
対応をやっていただくことが、この
原価法、
低価法の問題に前向きに対処できる道ではないだろうか、こう
考えております。
そこで、私はいま
銀行局に対しては、ともかく
アメリカの方式をもう一偏少し
検討してもらいたいという注文を実はつけておるわけであります。これはもう原理的に正しいのでありまして、
商品有価証券は
低価法で、それから
投資有価証券は
原価法で、これはいま私が読み上げた
流動資産はともかく
低価法で、固定資産は
原価法でというのは当然のことでありますから、それを何らかの
方法でやってほしい、こう
考えておるのであります。
そこでもう
一つ、ちょっとこれは私の
お願いでございますけれ
ども、御答弁をたくさんにしていただきますので、
質問を一点にしぼっていたしたいと思うのでありますが、実は
有価証券報告書の問題でございますけれ
ども、この
有価証券報告書を私
ども拝見をしておりますと、損益勘定の方には
有価証券の償却という欄が設けられていて、ここにいまの
評価損が立ってくる、こう見ておるわけであります。
一つ、これが正規のものでありますけれ
ども、きょうは
お願いでございますが、当
大蔵委員会に対しては、
原価法でおやりいただいた
損益計算書でありましても、それに
一つ別項を設けていただくといいますか、仮に
低価法で
国債を
評価したときにはわが方の決算はこういう形になりますというものを——
低価法でお出しになっているところはもう結構でございますけれ
ども、
原価法をこの三月三十一日以降お使いになります
金融機関は、そういう、もしこれが
低価法であったらどうであろうかというものをひとつおつくりをいただいて当
委員会に御
提出が願えないだろうか。そうすれば、私
どもは、この
低価法のものは並べて見れば
金融機関の状態がよくわかるのであります。私はいま大蔵省に言っておりますのは、
国債勘定というのはどこか別建てにできないのか。いまの
国債の
評価損というものは
皆さん方の努力をもってしては何ともできないことでありまして、これは国の
対応によって
皆さんのところへしわが寄るわけでありますから、
銀行プロパーの勘定だけを
一つ全部立てて、言うなれば、これでまいりますと
有価証券償却という
部分だけが何か別建てになっていて、その他のところは経常利益その他にずっとはね返るというような形で、何とか
国債勘定だけを別建てにすれば、実はいまの問題は起きてこないわけであります。そうすると、今度はこの
国債勘定における
評価損というものは
皆さんの方で一定の
話し合いをしてルールを決めていただいて、これが一定の
評価損比率ですね、要するに、全体の資金に対する
評価損の比率のようなものを、一定の線を引いて、これ以上
評価損が超えましたら
金融機関はもう
国債は購入できませんと、
皆さんで全体でひとつそういう
コンセンサスをつくっていただきたい。もう幾らでも
国債を増発して、
低価法であって、それでだんだん
皆さんの方では大変な償却をされて、これは拝見をしますと、実は
都市銀行の場合には経常利益とこの償却がほとんど同じぐらいになっておるようでございますね。きょうは
都市銀行の方では三井
銀行がおいでになっておりますが、五十四年九月期の経常利益は百四十六億八千万円、
国債の
評価損は百三十二億五千七百万円、まさに
評価損がなければ経常利益は倍であったというようなとんでもない経理をいま
皆さんは強制されておる。ですから、実はこのまま
低価法でおやりになるとすれば、経常利益がある一定のものがなければ配当もできないし、いろいろ問題がありましょうから、結果としては含み益のある
債券を売られるとか土地を売るなどして国のために起きておる
国債による
評価損を
金融機関プロパーの資産をもって償うなどというまことにばかげたことが起こるわけであります。ですから、このままでいいとは私は思っていないのでありますけれ
ども、しかし、あわせてそういうことによって起こる含み損をそのままにして支払い準備として
対応するということは決して望ましい姿ではない、こう
考えておりますので、私は
銀行局に対してはこの九月期決算までに何とかそういう点ではもっとリーズナブルな
決算方法を
考えるべきであるし、もしそれが
法律を必要とするならば、これはひとつ当
委員会においてまた
皆さんと御
相談をして、
議員立法によって
対応してもいいから、要するに、どこから見てもリーズナブルな
決算方法というものをつくりませんと、安易な
国債発行を助長することになる。
私は現在の状態を見ておりまして、まことに遺憾だと思いますのは、御
承知のように、証取法によりましてそういう
債券類の価格操作は
法律で禁止しているわけであります。
法律で禁止をしておるにもかかわらず、いま国は
国債整理基金で市場に買い出動して実は価格操作をやっておる。なぜ価格操作をやるのか。それは三月三十一日の時点で
低価法の
評価が決まるものですから、少しでも
低価法でやっていらっしゃる
皆さんの
評価損を少なくしようと、気持ちはわかりますけれ
ども、やっていることは、
国民一般あるいは
企業一般に禁止をしておることを国がやらざるを得ないようなそういう
国債を発行する政策、この根源を改めないでこの根源から出てきたところの結果についてだけ
対応しようとしておるのが現在の大蔵省の
対応だと私は思っているのであります。ですから、何としてももとのところを減らすことなくしてこの問題の解決はないということを
考えておりますので、その点において私は本日御
出席の
金融機関の
代表の
皆さんと問題意識においては全く同じだ、こう
考えておるのでありますが、各
金融機関におきましては、いろいろお
立場があろうと思いますので、ひとつこの点について、そういうことになりますと、たとえば長信
銀行のように三行で全部
原価法とおっしゃるところはいいのでありますが、
金融機関のグループによっては
低価法と
原価法というものがございましょうから、これはグループを
代表してという御発言ではまずうございますので、御自身の
金融機関が
低価法か
原価法かということに基づいて御答弁をいただきたいのであります。いま私が申し上げました
国債評価問題についてのそちらの
銀行の
対応とあわせて、この問題について私はいま大変時間をかけて申し上げましたが、この問題に対する
対応について
お答えをいただきたいと思います。