○多田委員 私は、ぜひひとつ
地域住民に話して、こういう
エネルギーの危機のときに十分なコンセンサスを得るようにやっていただきたいし、またそのために努力していただきたいということをお願いしておきます。
そこで、この二千万トンの問題で非常に大きな問題になるのは外炭の問題ですが、もう時間がないのです、私は。御存じのとおり、長期
計画によれば
昭和六十年には一億百万トンという
石炭を
輸入をして、その中で
一般炭が二千二百万トンですね。それから六十五年には一億四千三百五十万トン、その中で
一般炭は五千三百五十万トン、七十年にはもっと多くて一億七千八百万トンで、うち
一般炭は八千五十万トンという膨大な
輸入をするわけですね。こういう量の
確保が果たしてできるのか、私いろいろそれを聞きましたら、賛否さまざまなんです。相当入るであろうということは皆さん一致をするんだけれども、一体これが入るのかとたまたま思っていまして、私はIEAの
資料ちょっと外務省からもらって調べたのですよ。そうしましたら、IEAの
調査によりますと、昨年の五月のIEAの
一般炭の世界の
貿易量の予測というのを見ますと、
昭和六十年には、大体世界的に
一般炭の
貿易の取り扱い量は八千万トンくらいだと書いてあるのですね。ですから、その四分の一を
日本が買うということなんですよ。それから六十五年になりますと、
一般炭が一億五千万トンの国際的な取引があって、その中で三分の一の五千三百五十万トンを
日本だけで買うという大変膨大な量になるわけですね。そうしてこういう
数字もあるのです。IEAの
一般炭貿易量予測の中では、
日本は一九八五年、つまり六十年には千四百万トンという
数字が出ているのです。そうかと思うと一九九〇年の六十五年には
日本は三千三百万トンという
数字も出ているのですね。私はIEAが正確だと言うんじゃないのですよ。つまり膨大な数を買うわけですから、これからのいろんな情勢によって
数字のそごが起きるのはあたりまえなんですよ。しかし、事
エネルギーの問題で大きなそごは許されるものじゃないのですよ。一方で
石油を半分に削られるわけでしょう。一方で買わなければならない。それが思うとおりにいかないということになると、これは大変なことです。量の上で一つ問題があります。
価格の問題はどうだ。これは御存じのとおり、きのうの新聞でも
中国は相当強気で六十万トンの
石炭は
価格を合意した上でのあれだと言って、こちらから電力
関係の人が買いに行ったのが、こちらは九十万トン要求ですか、それに対して六十万トン、そして
価格はFOBで約四十ドルくらいになるのですね。そういうのが向こうから押しつけられるというような
状況ですね。それからオーストラリアの
一般炭も上がってきているという上からいって、これの安定的な
確保というのは非常に大事だ。なぜならば、先ほど言った二千万トンを割った一つの背景には、外炭はどんどん入ってきましょうからね。そして
国内で
貯炭ができてくる。
一般炭が百万トン以上余っちゃう、安い外炭が入ってくるわけですから。安い高いを言えば安いのを買っちゃうわけですよ。そういう事情の中であるだけに、相当はっきりした
見通しというものを持たないと、
国内石炭の二千万トンにも非常に大きな影響を心理的にもまた物理的にも与えるんじゃないかというふうに思うのですが、この
見通しについてひとつ詳しく発表していただきたいと思います。
時間がありませんので、その
資料があるのであれば、私は入手してもらうことで結構なんですけれども、どうなんでしょうか。あるいは当委員会に出していただく。ただ、何年に何千万トン入るというような大ざっぱなものじゃなくて、六十年までに各年で大体こういう予定で
開発が進むんだあるいはスポット買いはこうなっていくんだ、
価格は大体これくらいだというようなことは発表していただかないと、これは
国内炭の業者だってなかなか安心して
石炭掘れないということになるんじゃないでしょうか。