○辻
参考人 私に対するお尋ねは
二つでございますが、
一つの例の金融機関の歩積み両建ての問題につきましては、
現実にはやはり大体常識的にいろいろ預金の金利の問題あるいは貸付金利等の利ざやの問題、いわゆる民間の金融機関というのはやはり経営の問題がございますから、資金
コストというようなことから、特に最近は公定歩合が急に上がったりというような形で、われわれ
中小企業、特に零細
企業の場合はまずそうした金融引き締めというようなことは一番最初にその波をかぶり、金融が緩和された場合も一番ゆっくりとそのおかげを受けるというのは力
関係でやむを得ない。特に歩積み両建ては大蔵省等の非常に厳しいあれもございまして、最近はかなり改善されてきておると思いますので、特に歩積み両建ての問題について最近非常に厳しく皆さんが問題にしておるというようなことは余り私
どもは聞いておりません。
現実にそれは確かにあると思います。しかし、たとえばそういう零細な
企業者の場合は、現在
国民金融公庫が扱う普通貸し付けもありますし、また数年前から始まりましたいわゆるマル経融資というようなものがあって、これは、金利はやはり公定歩合によって多少の連動をすることはやむを得ないのですけれ
ども、一般の実質金利からいいまして、たとえば
国民金融公庫は全くストレートでありますから実質金利は非常に安いということで、主として零細な業者の方はそうした
国民金融公庫であるとか商中であるとか、そうした政府系の金融機関ですね、これは補完金融であるということで、いわゆる民間の金融機関との多少の営業面での競合があるかもしれませんけれ
ども、やはり
国民金融公庫というようなものがそうした零細
企業者にとってはかなり大きなウエートを持っておると思いますので、補完金融ということで公庫の
方々は非常に遠慮していらっしゃるのですけれ
ども、私
どもはもう少し前に出ていただいてもいいのではないかと思っておるのです。そういう点で非常に救われておると思います。ですから両建てが絶対にないとかそういうことはないと思いますけれ
ども、常識的にはある
程度のものはあると思いますけれ
ども、そう強制されたものであるとか、非常に実質金利に大きく響くようなものであるとか、そのようには私
ども理解しておりません。
それから後の問題でございますが、実は私もお酒をつくっている方の
立場におりますので、小売業の免許制の問題はいつも頭が痛い問題で、もっと緩和してもらいたいし、厳しくしてもらいたいというふうな両方のあれがありまして、
西川さんいらしゃいますけれ
ども、私
ども前にダイエーの中内さんからひどくしかられたことがあります。スーパーでは何でも売っていいのに何でアルコール類だけ売れないのかということで、そういう
質問をされると国税庁の方が非常に困っておられたようですが、スーパーだって必要があれば免許はもらっておられますし、それから
農協さんもやっておられるのもありますし、酒類の小売免許について維持するべきであるかどうかということになると基本的には非常にむずかしい問題で、最近例の薬屋さんの
距離制限の問題から、多少それに影響を受けていろいろな議論が行われておると思います。役所の方の行政指導は弾力的運用ということで、免許は少しずつふえていってはおると思いますが、免許制そのものの考え方が
日本の場合とヨーロッパあたりとは御
承知のように全然違いまして、たとえばフランスなんかでは厚生省が所管している。
国民に余り強いアルコール分の飲料を飲ませることは
国民の保健上よくないということで、
小売店の営業時間であるとか
店舗の数とかを規制している。
日本の場合はそうした考え方というのは非常に弱いわけで、酒税確保という面から大きな
一つの規制が行われておると思います。これも現在ではかなり免許制というものが
現実的には緩やかになってきておるのではないかと思います。ただ、酒税の確保という面から免許制がどこまで法的な根拠を持ち得るのかということになると非常にむずかしい問題になりますが、ただ私
どもとしては、非常な乱売をやられるようなところが出てきたり、自由競争のことですから、ある
程度の
企業努力を反映していくようなシステムは必要ですけれ
ども、いわゆる一般の秩序を非常にひどく乱すような方に対しては免許をしないとか、免許に対する何らかの制約をつけるとか、そういうことはやはり必要ではないかというふうに私は思います。