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佐々木国務大臣 エネルギー問題は
エネルギー問題自体として存在するんじゃなくて、国民
経済の中にその発動があるわけで。ございまして、したがいまして、まず何と申しましても国民
経済がどういうふうな成長を遂げていくかという前提がございまして、もちろんその前提は
エネルギー自体から制約を受けるわけでございますし、相互作用を及ぼしながら国民
経済の成長の中でどれほどの
エネルギーが必要であろうかという要請が出てきまして、その要請に対して
エネルギー全体でたとえば
石油換算いたしましてこのくらい必要である、それではその
エネルギーをどういう
種類で賄っていくかということが次に出てくる問題かと思います。
最近になって非常に特徴的なのは、輸入原油の量がIEA等で協議が決まりますので、それ以上輸入しようとしても国家
義務としてそれ以上輸入できないという上限がはっきり決まってきたということが従来と非常に違う点だと思います。そうなってまいりますと、それ以上は輸入できぬわけでございますから、仮にそれをオーバーする
エネルギー需要があったとすれば、それをどう賄っていくかという問題が次に出てくるわけでございまして、もしそれをオーバーした点を他の油以外の
エネルギーでカバーできなかった場合には、
経済成長率を落とすよりしようがないわけでございますから、もちろん油の節約
問題等いろいろありますけれども、はしょって粗筋だけ
お話いたしますと、どうしても
経済成長を落とせないということになれば、それに見合うような
代替エネルギーと申しますか、新
エネルギーを
開発して
経済の成長を助けていくよりしようがない、こういうことに相なってくるかと思います。これは従来よりむしろ逆でありまして、
経済成長率はこのくらい伸ばしたい、したがって
エネルギーの量はこのくらいだ、新
エネルギーはこのくらいいけそうだから油はこれほど輸入せにゃいかぬというふうに仕組んでおったのですけれども、今度はそういうふうでは許されない。逆にもう油の使える限度が決まってくるわけでございますから、非常に問題がシビアになってまいります。
そういうことで一応各
エネルギーの量が決まってくるわけでございますけれども、それはしばしば
お話し申し上げるように
エネルギー計画というのはその年限りの問題ではなくて、言うなれば中期、長期を展望しながらこれに対処していかなければいかぬ問題でございまして、毎年毎年の量とタイムというものをかみ合わせて、そして計画というものができていくものだと思います。たとえばホワイトエナジーが大変重要だ、ぜひ進めろと言ってみても、実際それではホワイトエナジーというものは毎年どのくらい量が出ているのだと見ますと余り大した量にならないというのであれば、それにのみ頼っておったのでは
経済は伸びていきませんから、そうはいかないというふうな、やはり量と時間をかみ合わせてそして計画を立てていくということが大変重要なことだと思います。これはほかの計画と違いまして抽象論は許されない、はっきりボリュームで出していく、そういう態勢が必要だと思います。
少し長くなって恐縮でございますけれども、今度は各
エネルギー自体を積み重ねまして、それを必要なゾルレン的な、これくらいは出したいものだという
目標にするか、あるいは各
エネルギーに従ってそれを建設する、たとえば
電力会社は
原子力であれば
原子力をどういうふうにこれから各会社で扱っていくか、その可能性いかんということを吟味しまして積み重ねて、そしてこれくらいまではやれそうだというふうな限度をつくり上げていって、そして
目標を決めていくという行き方にするか、大変そこら辺は技術的な
検討を要する点でございますけれども、いずれにいたしましてもそういうかっこうで一応
目標が固まってきます。これはもちろん資本主義の
経済ですから努力
目標であるというのは間違いございませんけれども、今度の
法案でそういうものをつくる際に、そのつくったものを通産
大臣はこれを閣議で決めろということになっておりまして、従来は
経済閣僚懇談会、協議会等で決めただけでございまして、閣議で正式に取り上げたということはございません。今度は閣議で取り上げろということになっておりますから、閣議でこれを決定するからには少なくともそれに必要な
手段、
資金とか財政的な援助とか税制的な裏打ちあるいは立地に対する配慮といったようなものがそろってきまして、計画としては大変実現性を持ってくるというふうに見ていっていいのじゃないかと思います。
少し長い話で恐縮でございましたけれども、各国民
経済等の
関連を持ちながらどういう
仕組みで計画というものが成り立っていくかという御
質問でございましたので、大変失礼ではございますけれども少し長い御説明を申し上げました。