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左近政府委員 第一の一括前納
制度でございますが、この
共済制度というのは
中小企業の方々が相互扶助で、掛金を毎月掛けて、必要な場合にその貸付金を受けるという
制度でございます。一般のいろいろな共済がございますが、それもやはり一定の額を掛けて、その掛けた期間に応じて一定の給付を受け取るという
制度でございます。したがいまして、期間を経ずに一気に高額のものを掛けて給付を得るというのは共済の本旨に反するのではないかということで、実は法制定の当時も非常に問題になったわけでございますけれ
ども、当時は
倒産が頻発し、何らか手を打たなければいけない、しかも初めてでございますから、当時の
制度では掛けて五年たたないと全額、つまり最高額の貸付金が受けられないということでございまして、五年間も待っておれないというようなこともございまして、いわば緊急避難的に
制度発足後一年を限って認めたものでございます。そういうことでございますので、やはりこの際はそれを復活するというのは大変むずかしいというふうに
考えております。しかしながら、
中小企業の方々が五年間掛けなければ貸付金の最高額を受けられないということについて、大変御不満なこともまた
理由のあることでございます。そこで今回
考えまして、掛金としては最高額を二百十万円にし、しかも月々の掛金額を五万円にいたしましたので、この最高額二百十万円を掛けまして二千百万円を借りられるにも三年半で済むということになりました。さらに、現行
制度の百二十万円を掛けて千二百万円を借りるということに対しましては、月々五万円掛けますと二年でそれが実現することになります。したがって、二年で現在の
制度と同じ貸付金を受けられるということにもなりますので、
中小企業の方の、満額になるまでに時間がかかるという御
要望に対しましては何とかおこたえができるのではないかというふうに
考えておるわけでございます。
それから、完済手当金でございますが、これについては、要するに共済の収支がバランスがとれて、完済手当金を払っても収支が非常に悪くなるという見込みでないということになれば出すというのが趣旨でございますが、実際問題といたしましては
共済金の
貸し付けが多くて、しかも
加入者が比較的少ないということになりますと、
共済金を
貸し付けるために外部から資金を借り入れなければならないことになります。そういたしますと借入金利息というのが会計の経費になるわけでございます。これが
一つの会計の支出の要因でございますし、もう
一つは
貸し付けた金が貸し倒れになりますと、貸し倒れというのがまた共済の会計のマイナス要因になるということでございまして、この二つが減少いたしますと
貸し付けの共済の経理がよくなるわけでございます。そのためには、
一つはやはり
加入者を非常にふやしていくということが
一つと、それからまた貸付金を借り入れた方々に完済を促すということ、これは完済手当金ということで、この
制度自身も完済をしようという意欲をいわば
促進することになろうかと思います。したがいまして、こういうことが当初の計算よりはよくなれば当然完済手当金は出せるということでございます。それで、現在貸付金は期限が五年でございますので、
最初にお借りになった方の完済時期というのも昭和五十八年になるわけでございます。したがいまして、五十八年度になりまして
見通しをつけて
制度を確定いたしたいというふうに
考えておりますし、またその後条件がよければさらにその手当金の条件を改善していくことも
考えておりますが、現在の状態はまだ二年で、しかも
最初の一年は特例前納
制度があったりいたしまして事故の発生率が相当高いので、平常状態とは言えないものですから、もう少し状態が落ちつくという時期を見て、これを計算して決めたいというふうに
考えておりますが、この点についても先ほどから
お話がありましたように、
加入者がふえるということが共済の会計を非常によくすることになりますので、こういう完済手当金が十分支給できるためにも、先ほどの
加入促進の
努力をわれわれは一生懸命にやってまいりたいというふうに
考えておるわけでございます。