○石坂
政府委員 御
指摘のMHD発電でございますが、これは非常に熱効率が高くなるというようなこととか、あるいは多様な燃料が使えるというようなメリットを持つユニークな発電
方法であると認識しているわけでございまして、その将来性を重視いたしまして、昭和四十一年度以来国のプロジェクトとして
研究開発を進めておるわけでございます。昭和五十一年度からは第二期
計画というのに入っておりまして、現在五十六年度からの発電実験に備えまして、マーク7と私
どもは言っておりますが、発電実験プラント、これは百キロワットのものでございますが、この建設を進めておるというのが実情でございます。
それから、世界的な
開発状況でございますが、現在MHDに関する大規模な
研究開発を行っておりますのは、
わが国のほかにはソ連と
アメリカがございます。ソ連でございますが、これは最も進んでおるのではないかというように考えられておりまして、ソ連の発表によりますと、一九八五年ごろには出力五十万キロワットという実用規模のMHDプラントを完成して運転研究を行う
計画があるというようにされております。また
アメリカにおきましては、最近
開発に非常に力が入ってまいりまして、いわば加速化が行われておりまして、一九九〇年代に
実用化の
技術を完成するということで努力をしているようでございます。
それから三番目の御質問の、諸外国との
技術提携、共同
開発についての見通しでございますが、現在日米両国間の共同
開発ということにつきましてMHDを対象に考慮はしておるわけでございますが、ただMHDが非常に多くの
技術的
研究開発要素を持つということが
一つございます。またその
開発に非常にお金がかかる、非常に巨大規模の
開発であるというようなことがございまして、両国が何らかの形で協力していくことは望ましいと考えておるのでございますけれ
ども、協力の
あり方につきましては、今後の課題としていま検討させていただいておるところでございます。
それから、工業
技術院の担当者が米国の
エネルギー省を訪問しておるだろうということでございますが、事実でございます。私
どもの担当の
研究開発官が昨年の十月にDOEを訪問いたしました。その中で行われた話し合いでございますが、
一つはMHDの
長期的
開発計画について
日本側がいま再検討を行っているところであって、日米協力ということもこれにあわせて検討したいということをわが方は述べております。それから二番目に、MHD
技術開発の進捗状況だとか
実用化の見通しなどにつきまして、
わが国の
関係者に周知させる必要があるのではないかというようなことをこちら側が述べておるわけでございます。もちろん向こうの
研究開発の実情も現場で見てまいったわけでございます。
それから次の御質問は、ダンカンからの親書で二月にミッションが派遣されたということでございました。これも事実でございまして、本年の二月十二日から十五日の間に、米国
エネルギー省のMHD部長を団長といたしまして、
メーカーだとか電力会社などのメンバー計六名が来日いたしまして、
日本側の
関係者と数度にわたる
意見交換を行ったわけでございます。両国の
開発状況だとか
実用化の見通しというようなものについて
意見交換が行われました。もちろん米国側のミッションもわが方の研究施設の訪問も行ったわけでございます。
最後の御質問で、MHDは非常に効率がいいので積極的な
開発をしてはどうだという御
意見でございます。私
どももこの世界の
エネルギー情勢の深刻化の中で、
長期的な問題といたしましてMHDの重要性がますます高まってくるだろうというように考えております。ただ、
実用化のためにはまだいろいろ
技術的問題が山積しております。また、それと同時に、
先ほど申しましたように本格的な
開発のためには巨額な投資も要るというようなことでございます。したがいまして、
わが国といたしましては当面現在建設をやっておりますマーク7の実験機によりまして、十分いわば基礎的と申しますか、
技術の基礎を固めまして、その後に
長期的な
開発をどういうように
方向づけるかということを考えたいと思っておるわけでございます。もちろんその際は
エネルギーの情勢だとか、利用するサイドの
長期的な展望だとか、それから米国の
開発動向等も勘案しながら慎重に検討していきたい、こういうように考えているわけでございます。