○後藤
委員 いま
答弁の中で触れておられましたけれ
ども、そのエンゲルマングループですか、特にその中で西独がこのLNGの
火力発電への利用というものについて若干クレームをつけているわけです。もっとも西ドイツの場合は
石炭が豊かにございますから、こういった指摘、その背景がわからぬでもないわけですけれ
ども、やはりLNGが
石油と同じように、OPECと同じような傾向をLNG産出国というものがこれから持ってくるということも考えられるだろうと思うのです。そういう意味と、それから大変巨額の資金を投入していかなければならない。また、多くのリスクも考えておかなければならないということが、この暫定
見通しの中で非常に大きな比重を占めているということに若干の疑点を私は持っているわけです。このことは
石炭についても言えるのじゃないかと思うのです。社会党の場合は、一応
石炭二千五百万トンという
需給見通しを持っているわけですが、私は正直申しまして、いまの二千万トンに五百万トン上乗せするということは大変な
努力が要るだろうと思うし、非常に困難だろうとは思います。思いますけれ
ども、今度はまた逆に、
政府の方が考えておりますのは、どうもつじつまが合わないから海外炭ということで入ってきているわけですね。しかも、これからは、最近の報道等を見ておりますと、国際
石油資本がほとんどの
石炭鉱区を押さえてきておる。これもいままでのベースでいきますとそんなに高くないということが言えますけれ
ども、まだまだ高くなっていくだろうと思いますし、果たしてこれからの、先ほ
ども渡部委員が指摘をされておりましたけれ
ども、灰捨て場等はそう適地がなくなっていくのじゃないだろうかということを考えてみますと、これまた大変な規模であり過ぎるというように考えます。とりわけリスクの解消と投資の回収というものが、これまた
コストの方に上乗せされてくるということになってきますと、設備はした、さて、ことしの春の
電力料金の
値上げの問題のように、これができ上がったころは大変高い価格の
石炭火力発電になっていくということになりはしないかという
心配をしているわけです。そういう意味で
石炭とLNGについては、これは
答弁は要りません、私は、ちょっと疑念を持っておる点を御指摘申し上げました。
それからもう
一つ、今度の
代替エネルギー法案でも、代替というともうLNGと
石炭に加えて
原子力、しかも
原子力は別の
一つのシステムがあるから、この
法律ではさわっていかないことも先ほどの
渡部委員の御
質問の中では答えられておりました。ただ、私は、この
原子力の問題についてはこれまた非常に疑問を持っております。この点は、
渡部委員の御指摘と全く正反対なのです。しかし、一昨年私は、やはりぜひ見ておきたいと思いまして、フランスと西ドイツとアメリカの
原子力発電所も見てまいりました。フランスは大変積極的です。それぞれの国でやはり若干のニュアンスの違いはあります。しかし、これからはスリーマイル島のあの
事故の経験等を考えてみましても、まだまだ
安全の面というものは十分に確認をされていっていないと私は思うのです。それよりも、いま非常に大変だなと考えますのは、午前中にも指摘しましたロビンスの指摘なんです。この人は、仮に
安全が確保されてもという問題提起をしているわけです。仮に
安全が確保されても
原子力に頼るべきではないのではないかという指摘なんです。ここの指摘を見てみますと、「かりに
原子力がクリーン、
安全、経済的であり十分な
エネルギーを供給する確証を有し、さらにはそれ自体社会的に悪でなかったとしても、それがもたらす
エネルギー経済上の政治的意味合いからみて、
原子力には魅力がないといわざるを得ない。」そのバックデータをつけておりますけれ
ども、ここではそのことについて触れません。私は、この問題はやはり真剣に考えていかなければならぬと思うのです。資金の点等を申し上げてみましても、いま建設中のものが稼働して二千万キロになるかならないかですね。それが六十五年では
原子力が五千三百万キロというように
見通しを立てられているわけです。これから三千万キロですから、百万キロのユニットと考えても三十基つくっていかなければならない。この間の女川で、補償だけで百十億円、私はもっと出されているのじゃないかと思います。これも政治の貧困が
一つあると思います。
渡部委員は
会社が悪いのか反対する者が悪いのか、両方悪いというように御指摘でありましたけれ
ども、私はこれこそまさに政治の貧困だろうと思うのです。しかも、こういった問題に対してじっと見ていて、何らこの問題に対して
政府は発言をしていない。そして、百億以上もの金が補償として出されていっている。これはこれからの、単に
原子力だけではなくて、
電源開発のための補償のベースになるだろうと思うのですね。
原子力だけに限ってこれから六十五年までに、十年の間に三千万キロワットの
発電所を建設するということになると、一万キロに対して一億という計算ですね、百万キロのユニットということで百億以上の補償をしていくのですから。そうすると三千億の補償というものがベースになっていくだろうと私は思うのです。しかも最近はリードタイムが非常に長いですね。恐らく六十五年に五千三百万キロワットというものは、第一に立地の問題からしてできないですよ。こういったことに対して、これからの
原子力開発というものをどういうように考えておられるか。私は大変安易ではないかと思う。なるほどスウェーデンではゴーサインが出てまいりましたが、あのゴーサインの中身を見てみましても必ずしも
国民の
皆さん方が賛成だということではないのですね。こういったことを考えてみますと、これからの
原子力開発というものは
政府が考えているようにそんななまやさしいものではないと思います。ですから私は、LNG、
石炭、それから
原子力、しかも
原子力は
軽水炉で、
軽水炉を後生大事、それにしがみついてそのほかの炉のことについては全く考えない。もっと多様な研究、
安全の投資が行われてしかるべきだろうと私は思うのです。このことについても触れたいと思っておりましたが、きょうは時間がございませんし、せっかく科学
技術庁がお見えになっておりますのに触れないのは大変申しわけないと思います。時間が参りましたが、もう一点だけ触れておきたいので、後でまとめてお答えをいただきたいと思います。
一つは地熱の問題です。この間亡くなられた床次
先生が、亡くなられる一カ月ぐらい前に私の部屋にお見えになりまして、二時間ばかりこの地熱
発電について本当に熱心に話をされておりました。私もあのカリフォルニアのガイザー地熱
発電所を見てまいりました。あれはいま六十三万キロワットの出力を持っているわけです。一九六〇年の初めての第一号ユニットは一万二千五百キロワットぐらいですね。これがいま六十三万キロ、
日本の場合と比較してみますと雲泥の差です。
日本の場合はいま十六万、これが二十万ぐらいになるわけですか。しかもガイザーの
発電所は大部分が東芝の機器が使われているわけですね。こういった
技術を持っているわけです。
そこで、地熱
発電の問題に対しましてはここで多く触れませんけれ
ども、一番困っているのはほとんどが国立公園あるいは国定公園、したがっていろいろ各省庁あるいは自治体等の許可を得ていかなければボーリング
一つできないわけです。だから、やはり地熱法がこれからは必要ではないだろうかと思う。地熱にも優先順位を与えないと
開発が大変むずかしいだろうというように考えますので、その点をどうお考えかということをお伺いしたいと思います。
それから最後に、ローカル・
エネルギー・システムの問題です。これは
渡部委員も触れられました。私は、もっと地域住民の
皆さんあるいは
国民の
皆さん方が、これからの
エネルギー確保のためにどうすべきかという知恵を出し合っていくような、そういう行政がどうしても必要だと思うのですね。そのためには、分散型あるいは小
エネルギー、これは
水力の
開発につきましてはもう触れませんけれ
ども、そういったローカル・
エネルギー・システムというものを積極的に
開発をしていく必要があるだろうと思うのです。八〇年代の通産のビジョンを見ますと、こういうのは一行で片づけられている。もっともっとこのローカル・
エネルギー・システムを積極的に進めていかなければならぬ。国家財政でもそうでしょう。四十二兆五千八百八十八億円の国家予算というのは、
国民の数千円あるいは数万円の税金がたまりたまっているわけです。
エネルギーだって同じです。百万キロだとか五十万キロだとかいう大きなことばかりに私たちは目を向けておりますけれ
ども、もっと小さなものが集大成されてその地域の
エネルギーを確保していく、そしてさらに、よしひとつおれたちもここで小
水力あるいは小
エネルギー、分散型
エネルギーを
開発していこうという意欲を起こさせていくような制度をつくっていかなければならない。電源三法等でやりますとかいう程度、あるいは利子補給だとか補助金を出すとかいう程度ではなしに、もっと創造性を発揮させていくような、そして地域コミュニティーをカバーしていくようなローカル・
エネルギー・システムというものに対して、ぜひひとつ積極的な見解を示していただきたい。
まだたくさん御
質問申し上げたかったことがあるわけですけれ
ども、以上
原子力の問題あるいはローカル・
エネルギー・システムの問題、それから地熱等の問題、一遍に全部
質問してしまいましたが、
大臣を初めそれぞれの方からお答えをいただきまして、私の
質問を終わりたいと思います。