○藤波国務
大臣 最後に、特に林業に携わっておられる
方々の職業から来る振動病といった悲惨な実態等についていろいろ御
指摘をいただいたわけでございます。申し上げるまでもなく、そういった
状態に置かれた
労働者の悲惨な生活というものを想像してみましても、事前に予防を十分講じて、そういった事態が起こらないように
努力をしていくことが行政の一番大事なことである。しかし、起こりがちな地域等につきまして、あるいは業種等につきましては、
重点的に強く行政指導をいたしまして、関係者それぞれ知恵を出し合って、そういった事態に陥らないようにあらゆる手だてを講じていかなければならぬと思います。昨年来、特に林業従事者の
方々の振動病に関するいろいろな御
指摘もちょうだいをしておりまして、林野庁としてもいろいろ御心配をいただいていると思いますが、
労働省としても
重点的に取り組ませていただきまして、そういった実態を絶えず把握し、かつ
対策を講じて進んでまいりたいと思います。
いま、その一例でも御
指摘をいただきましたように、本来、
労働災害というものは起こってはならないものだと思うのです。そういう意味で行政の一番大事なことは、
労働災害が起こらないようにあらゆる予防の
措置を講じ、行政指導を行い、かつ、その環境が整えられていくように関係者にあらゆる呼びかけをし、
対策を講じてもらうように
措置していくことが基本的には大事なことでございます。その
労働災害が起こりましたときには、先生御
指摘をいただきましたように、そのことから来る損失が補てんせられるように十分
労災の
制度が
充実をしておって、不幸な事態でも大難を小難で防ぐ、十分その補てんをするという構えができるように
労災の仕組みをさらに前進をさしていかなければならぬと思います。
局長からお答えをしましたように、先進諸国と比較をいたしましても、わが国の
労災の仕組みはだんだんと
充実をしてきておりまして、あるところまでは
改善をしてきているというふうにはお互いに申し上げていいと思うのでありますけれ
ども、きょういろいろな角度から御
指摘をいただきました
労災の中身をさらによりきめ細かく
充実をしていくことにつきましては、今後審議会等の意見も求め、かつ
労働省といたしましても十分検討を重ねまして、できる限り機会を多く、
改善充実の
措置を講じていくようにあらゆる
努力をしてまいりたい。先進諸国並みなどと言っていないで、起こってはならない
労災事故が起こった場合には、それを十分補い切れるような構えをつくるように一日も早く
努力をしてまいりたいと思います。
特に御
指摘をいただきました調整の規定につきまして、私
どもの方が浮かび上がらせているわけではないのですが、今回の
引き上げで特に浮かび上がらせていただくことになりまして、私
どもも恐縮をいたしておるわけであります。しかし、それだけやはり大きな関心が寄せられておるということであるというふうに
考えまして、御
指摘をちょうだいをしておることには私
どもは感謝をしておるわけでございます。
最高裁判所の
一つの判決が出ましてから、類似の
制度などはその不合理なところはすでに解決をしてきておりますけれ
ども、法制上非常に不合理であるというような立場から、意図的に
労働省が何か裁判を
労働者側に不利に持ち込むようにするとか、あるいはできる限り訴訟を少なくするように、心理的にこういった
法改正の中で持ち込むとかといったような意図は全くございませんけれ
ども、仕組みとしての他の類似
制度等いろいろにらみ合わせてみまして、法制上の不合理が関係者各方面から
指摘をせられまして、審議会等の御意見も十分踏まえて今回のこの
法改正の中に盛り込むということにさせていただいておるような次第でございますので、再三の御提案、御
指摘でございますけれ
ども、どうか今回政府が提案をいたしました意図を十分御理解をいただきますように心からお願いをいたしたいと思うのでございます。
なお、
労災制度の
充実につきましては、今後とも最善の
努力をしてまいりたいということを重ねて御答弁申し上げて、お答えにいたしたいと思います。