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安田(修)
委員 事業団からそういうものが普及資料として確かに出ております。規定のサンプルも出ておりますし、それから支給率なんというのは小企業が持っている支給率のあり方よりもカーブの描き方がまだ素直です。そういう点ではわりあいによくできている方だと私は思います。私、なぜそういうことを聞くかと言いますと、たとえば先ほど
佐藤委員の質問に、中退金に入っている掛金の平均は大体三千五百円くらいじゃないだろうかという数値が出ておりました。そこで、労働省調査の規模別モデル退職金、その中でいきますと、たとえば百人から二百九十九人までのところは、大卒、十年、三十二歳で自己都合で八十一万、会社都合で百十一万。この人がもし中退金に入っていた場合にどのランクになるか。大体中程度、中退金にある適当なところ、九十三万のランクをとりますと五千円の掛金。それから、旧中あるいはいまの新しい高卒の人、この人たちに当てはめますと、十年で二十八歳、自己都合で六十九万、会社都合で九十四万ということになりまして、これまた大体五、六千円ということになってまいります。それから、三十人から九十九人の場合、大卒もそれから旧中、高卒の場合もやはり大体五、六千円、こういうことになってくるわけです。問題は、十年程度で計算してどうなるだろうか。事業団の出しておられるいろいろな数値からしてほぼ四千円程度が適合してくるわけですね。そうしますと、いま
補助金は、非常にかっこうはいいのですよ。三年以下五%、それ以上は一〇%というふうに非常にかっこうがいいのですけれども、ところが実際は最低ランクに対する
補助しかないわけですね。いまの場合は八百円、今度は千二百円に対する
補助だけ。したがって、たとえば八百円納めているいまの最低の人が三十年勤めてあたる退職金が百一万七十円、これに対する
補助金はわずかに十万ということになってまいります。これはそれでも一〇%ですからまだいいのですけれども、これが四千円加入で三十年の場合、先ほど言いました三千五百円程度が大体中間だと皆さんおっしゃるので私は四千円程度で計算しました。標準で入っている人が大体いまの中退金の退職金の標準の数値だ。大体平均の金額ですから、それが退職金の標準としてもいいでしょう。それから私がさっき計算したのは大体五、六千円。だから四千円程度というのはまだ低いのですが、これが三十年間加入してあたる退職金は四百六十四万九千円。これに対する
補助金が十万一千七十円ということでしょう。八百円の
補助金だけしか出ない。そうしますと、大臣、実に四百六十四万給付される退職金に十万しかあたらぬわけですから、わずかに二%ということになります。非常に低いわけですね。私は、何でもかんでも
補助金というのもよくないと思うのです。そういう点で任意の加入
制度でもありますし——ただ、この退職金の持つ性格、いわゆる理念がないと私が言うのはそこなんですが、事業団のリーフレットにあるように、これがもし大企業並みに、国が
補助をして退職金を持つようにしてあげるんだ、あるいは先ほど
局長がおっしゃるように、それは老後設計ではああなんだ、こうなんだ、しかもそれが中小の労働者に退職金というものが恵まれるという
制度にするならば、最低のランクじゃなくて、少なくともその標準的なものに
補助金を出すということが必要なんじゃないだろうか。それからまた、一万円なり一万六千円のところに
補助金をつけるかどうか、これは私は自分でもそこまではどうか、こう思うのですが、ただ、いま標準的な、仮に三千五百円か四千円ラインか、それをモデルにしたラインに
補助金をつけてやるというようなことは必要じゃないだろうか。いまのままでいきますと掛金はどんどん上がって今度は千二百円のラインにつくわけですが、
補助金の総体としては微々たるものにしかならない。五十三年度支払い額二百八億四千九百八十三万円、これは解約手当等はつきませんから入っておりませんね。その中で国庫
補助というのはわずかに六億八千七百十二万円です。わずかなものです。ですから、笛や太鼓で、国庫
補助で皆さんに退職金をつけるようにできますよと言っても踊ってこないのは、そこら辺にもあるんじゃないだろうか。何でも
補助金をたくさん出す必要はないけれども、それが
制度に乗っかかってくる、
制度が発展するという誘導策がなければ意味はないのじゃないか。その誘導策というのはどうすべきか。私はどの点が妥当かはわかりませんが、いま概算したところ四千円なり五千円なりという、いわゆる中退金に入っている標準のラインに見合った
補助金をつける。そうしますと、多少下の方が厚くなって上が薄くなりますが、その場合にどういう調整の仕方をするかというのは
制度の一つの運営の仕方にすればいいのであって、ただ
補助金のあり方としては最低につけたのではまずいのではないか、この点事務的なことですから
局長にも聞きたいし、根本的なことですから大臣にも答弁をお願いしたい、こう思うわけです。