○安田(純)
委員 いま
公判に係属中だから推移を見たいとおっしゃるならば、実はここにもうすでに確定した裁判がございます。
昭和五十年十二月十二日、
東京地方裁判所で
有罪判決が確定しております新星企業等の宅建業法違反
事件の訴訟記録の中で、四街道町の山林、原野、田、畑九万五千九百三十九坪を、浜田氏が
社長をしておった君津興産株式会社から新星企業が買い取った旨の調書がございます。確定
判決でございますから、調書はだれでも見られるわけでありますが、この調書の中で、国際興業の竹澤脩という人の
供述調書を見てみますと、こんなことが出ておりますね。これは
昭和五十年の四月二十五日に
東京地検の
検察官に対する
供述調書でありますが、
私が新星企業株式会社の代表取締役に就任して最初の新星企業が行なった取引について申し上げます。
その物件は、四街道町の山林、原野、田、畑合計九万五九三九坪を君津興産株式会社から新星企業が買取ったもので契約したのは、四七年七月二一日でした。この物件を最初に私のところへ持ってこられたのは、衆議院議員の
浜田幸一先生でありました。
浜田先生は、千葉県第二区選出の議員で以前から国際興業の会長や
社長と付合いがあったらしく、よく会社に出入りしていたことがあるので、私も先生の顔を知っておりましたし、不動産取引の会社を経営しておられることも知っておりました。
浜田先生が最初にこの話を持ちこんで来たのは、その年の七月初めのころでしたが、国際興業の事務所で「四街道に一〇万坪位宅地造成用の土地がまとまるが、この物件は、将来開発するには、地理的にも有望なところだから買ってくれないか」と言われたのです。
ちょっといろいろ述べてありまして、
この浜田先生の持ってきた土地は、間違いなく商品となる、すなわち買っておけば、いずれよい値段で宅地造成用の土地として売ることができるものと考えました。
そこで浜田先生に値段を聞いてみると、「反当り一〇〇〇万円でどうだ」といわれたので、これは坪当り三万三〇〇〇円になりますから……「先生それは高いよ」と言っておきましたが、その場ではそれ以上の話は進みませんでした。
しかし、現物を一度見に行こうということで、先生と日時を決めまして、この竹澤という人は車で現地へ
浜田幸一氏の案内で案内してもらった。
最初にこの話を持ちこんできた浜田先生や山田茂さん
この山田茂さんという人は、君津興産の方の取締役でございます。この人の調書もありますけれども、
山田茂さんなど君津興産側の人達は、買主を誰にしたいと特定してきたわけでなく、
ここも非常におもしろいのですね。
国際興業グループの会社のどれかに買ってもらいたいということのようでありましたが、私が上原
社長を現地に案内したころには、すでに申したように、私が新星企業の代表取締役にとの内命を受けていたときでしたから、
この同じ国際興業グループの中の新星企業、この竹澤さんという人が代表取締役になった会社でこれを買うようにという気持ちを固めておったわけである。それで、値段の交渉や何かいろいろあったわけですが、結局、坪当たり二万八千円で買うということに決めたのだということになっておるわけであります。
ところが、これは実は地主といいますか、ずっと記録を調べていきますと、お金の流れは、新星企業からは坪二万八千円、総額が二十六億八千六百二十九万二千円、このお金が出た出どころは日本電建であります。日本電建から新星企業、君津興産に支払われる。これは佐野商事という、何といいますか、地主のもう一つこっち、君津興産との間に佐野商事というのが入るわけですけれども、この佐野商事に対して君津興産は坪二万三千円で買っておる。したがって、坪五千円、君津興産の
浜田幸一氏のところでもうかったということに、単純計算でいくとなります。君津興産から佐野商事への
支払いは二十二億六千五十九万七千円、君津興産の利益が四億二千五百六十九万五千円、こういうような
事件がございます。
この
事件は、実は不動産の免許を受けないで土地の仲介をやったという宅建業法違反と、もう一つは、一人の
被告人に対しては商法の特別背任ということで、これは確定した
事件でございますが、この記録をずっと詳細に見てみますと、まず最初に、
浜田幸一氏が国際興業へ直接土地を持ち込んで売りつけに行った。すでにこのときは、佐野商事という
先ほど言った会社が、ダミーを使って土地を買いに入っているわけですね。値段は、
浜田幸一さんと竹澤脩さんとの間で先にまず坪二万八千円と決まった。その後、今度は浜幸さんと佐野商事
社長、これは元君津市の市
会議員でございまして、
浜田幸一派と言われておる人だそうでありますが、この人たちの話し合いで二万三千円になる。このお金の原資は日本電建上原
社長から出る。こういうことになっておるようであります。
しかも、この調書を見ますと、君津興産は、不動産取得税などを逃れるために表面に出さないことを竹澤との間で約束しておりますので、なるほど登記の流れを見ますと中間が省略されておりまして、地主から佐野商事、新星企業、日本電建と、日本電建と新星企業は合併による取得という形になっておりますが、土地の登記簿謄本によると、地主から佐野商事、新星企業、それで新星企業と日本電建が合併で日本電建の名前になっている。
〔
委員長退席、石井
委員長代理着席〕
間の君津興産というのは全く抜けておるわけですね。ですから、不動産の登記簿だけで追っていきますと、この君津興産のところで浮いた四億二千五百六十九万五千円というのは全く出てこないわけですけれども、
供述調書などをずっと当たっていきますと、こういう仕組みになって、ちょうど合計に近いお金になるわけであります。
私はなぜこのことを申し上げるかといいますと、
先ほど浜田氏の可処分所得が大分議論になりまして、三億六千二百万円でしたか、土地の不動産の譲渡所得が云々とありますね。この取引の日にちは大分違うのですね、同じ四十八年ごろではありますけれども。だから全然別件だろうというふうに思うわけであります。これは国際興業のグループのどこにでもいいから買ってもらいたいというような、非常に雑駁な話から出ているようでありますけれども、こうなりますと、浜田さんが新聞記者会見で大変大みえを切られて、自分の金で払ったのだとおっしゃるけれども、意外にこうした形で、むしろ二十万ドルのロスでの受け取りと、それの
サンズホテルでの
支払いという流れはちゃんとあって、それに見合うものとしてこうした不動産の処分による利益が日本
国内で払われた、こういう筋書きが成り立つのではなかろうかと思うのですよ。これはなお深く調べてみなければわからないことではございますけれども、
国税庁では、ぜひこういう点で税金の
関係からもお調べいただきたい。
先ほど磯邊長官のお話によりますと、裁判の係属中でございますという話がありましたけれども、このいまの九万五千九百三十九坪の土地の売買の件はすでに
判決は確定しておりまして、訴訟記録があります。こういう金額や何かが出ている
供述調書があります。だれがどういうふうに払ったというのも載っています。ぜひそれをお調べいただきたいと思いますが、いかがですか。