○則武委員 そこで、私もう時間がないからはしょりますけれ
ども、今度の法律の前の臨時
措置法ができてから許可された埋め立て件数とか面積をちょっと調べてみますと、臨時
措置法ができた以前の三年間と比べてみてもほぼ同じぐらいな埋め立てがどんどんやられているわけであります。これでは自然海岸を守ったり環境を守るということになかなかならないのではないか。そういう点で、今後もこれが埋め立て規制の歯どめにならないのかどうか。
先ほどの
条例とのかかわり合いになってまいりますけれ
ども、私はもっと積極的に、もういま以上は埋め立てをさせないというような基本的な
考えに立ってこの法律が進められ、それに基づく
保全条例というものがどんどんできていかなければならないというふうに思うのです。特に海をきれいにするという点では、自然海岸の浄化力というものは抜群なわけでありまして、あれこれの
方法よりも自然のなぎさ自体が海をきれいにしていく力を持っているわけでありますから、この点をぜひ
お願いをいたしたいと思うのです。
時間がありませんので最後に一点、これは
環境庁長官にお伺いしますが、午前中の質問でも
琵琶湖へ研究所をつくれ、
琵琶湖を見に来い、こういうことでありました。今度私は、瀬戸内海を見に来い、瀬戸内海に研究所をつくれということを申し上げようと思ったのですが、午前中の委員さんの方から同じようなことがありました。特別
措置法が制定をされておりますけれ
ども、海はようやく何年かがかりでさらに悪化するのを防ごうというような水準であります。赤潮の
発生機構についてはまだわからないというようなこともわかりました。したがって、もっともっと瀬戸内海をきれいにするために、国の総合的で体系的な研究ということが必要になってくるんではないか。十三
府県にかかわり合いのある、世界に誇るこの瀬戸内海をよくしていくために、これまで水産庁の南西海区水産研究所とか通産省の呉の工業試験所とかいろいろなものがあるわけでありますけれ
ども、本当に
環境庁主導型といいますか、瀬戸内海をよくするための研究所というものはないわけであります。そういう点で、毎年のように十三
府県の知事、市長、瀬戸内海を取り囲む県や市の首長さんの
会議で「瀬戸内海環境科学総合研究所(仮称)の設置について」という要望書が
長官の方へ出ておると思うのですけれ
ども、こういう国家的な大きな目標に対して、ぜひともひとつ研究所設置の方向でがんばっていただきたい。特にそれぞれの研究者、香川大学、愛媛大学、広島大学等の研究者もいらっしゃいますが、研究をなさっていらっしゃる方は本当に瀬戸内海とともに暮らしながら瀬戸内海をよくする方針を出していただいておるわけでありまして、東京の
公害研究所の中に瀬戸内海の担当者がいらっしゃるということではちょっと不十分じゃないか、こういうように思うのです。このことを最後にお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。