○則武
委員 私は、日本共産党・革新共同を代表しまして、
公害健康補害
補償法の一部を改正する
法律案に対する日本共産党・革新共同の修正案の提案理由を申し述べさしていただきます。
原案は、自動車重量税の税収見込み額の一部に相当する金額を
公害被害者への補償費等の一部に充てるという、昭和四十九年以来とられてきた臨時措置を昭和五十一年、同五十三年に引き続き三たび延長しようとするものであります。さらに、延長期間は、これまで二年ずつの延長でしたけれ
ども、今回は三年間の延長ということになっております。
私たちは、この臨時措置を決めた昭和四十九年、さらにその延長を決めた五十一年、五十三年と、過去三回の審議のたびごとに、提案されたこの措置に対して反対の態度を表明し、修正案を
提出してまいりました。それは自動車重量税の引き当て措置が、自動車メーカーの
責任を転嫁し、自動車使用者にその
責任を押しつけるというものであるという理由からでありました。同時に、この措置が、一般会計から支出される国費による補償費の負担であるということを
指摘し、たとえ臨時措置であっても賛成することのできないものであることを明らかにしてまいりました。にもかかわらず、
政府が過去三回に及ぶ本
委員会の附帯決議さえ無視して、四たびこの臨時措置を行おうとするのは、まことに遺憾にたえないと思います。
さらに、今回は租税特別措置の三年延長を理由に、当然のごとく自動的にその延長
期限を三年としていることは、今後とも引き続き自動的に延長が行われることをうかがわせ、黙って見過すことはできません。
同時に、この無
原則な臨時措置の延長は、本補償
制度の持つ矛盾、たとえば財源確保のためには、窒素酸化物の大気汚染への影響を認めながら、同じこの窒素酸化物を地域指定要件には加えないという矛盾、こういう矛盾を将来にわたって固定化するものと言わざるを得ません。この矛盾は、一方では
公害被害者の救済を切り捨てたり、そしてまた一方では大気汚染の
責任を
企業から免罪するという、二重に
企業を利するものとさえなっているのであります。
以上の理由により、わが党は原案に反対するとともに、本
制度発足当初から問題を
指摘してきたとおり、
公害保健福祉
事業等にある公費負担の解消を含め、自動車メーカーの被害補償
責任を明確にし、窒素酸化物を地域指定要件に加え、
公害患者の不当な切り捨てをなくする修正案を
提出するものであります。
次に、その修正案の概要について
説明をさせていただきます。
第一は、補償費等の一部に充てるため、輸入業者を含む自動車メーカーから賦課金を徴収することとし、その賦課金の額は、自動車の種別総排気量、汚染物質の排出量等を勘案して政令で定める金額に出荷台数を乗じて算定をするという点であります。
第二は、ばい煙発生施設等設置者に対する汚染賦課対象物質に硫黄酸化物とともに窒素酸化物を法定することにより、窒素酸化物が被害発生の原因物質であることを明確にし、これを指定要件に加えるという点であります。
第三には、
公害保健福祉
事業費、自治体の補償給付費及び
公害健康被害補償協会の事務にある公費負担を全廃し、これを
企業負担とするという点であります。
以上でございますが、慎重に御審議の上、ぜひ御賛同をいただきたい、このように考えます。
終わります。