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1980-02-12 第91回国会 衆議院 公害対策並びに環境保全特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
五十五年二月十二日(火曜日) 午後零時三十六分
開議
出席委員
委員長
河野
正君
理事
戸沢
政方
君
理事
西田 司君
理事
八田 貞義君
理事
山本 幸雄君
理事
島田
琢郎
君
理事
馬場
昇君
理事
古川 雅司君
理事
則武
真一
君
理事
中井 洽君 天野 公義君 池田 淳君 田原 隆君
橋本龍太郎
君 畑 英次郎君 吹田 愰君 宮下 創平君
野口
幸一
君
竹内
勝彦
君
森田
景一君
東中
光雄
君
木下敬之助
君
出席国務大臣
国 務 大 臣 (
環境庁長官
)
土屋
義彦君
出席政府委員
公害等調整委員
会委員長
青木 義人君
環境庁長官官房
長
正田
泰央君
環境庁長官官房
審議官
石川 丘君
環境庁長官官房
会計課長
神戸 芳郎君
環境庁企画調整
局長
金子
太郎君
環境庁企画調整
局環境保健部長
本田 正君
環境庁自然保護
局長
藤森 昭一君
環境庁大気保全
局長
三浦 大助君
環境庁水質保全
局長
馬場
道夫君
通商産業省立地
公害局長
島田
春樹君
委員外
の
出席者
特別委員会
第一
調査室長
綿貫 敏行君 ――
―――――――――――
一月十四日
公害健康被害補償法
に基づく
指定地域
の
解除
反
対等
に関する
請願
(
飛鳥田一雄
君
紹介
)(第二八 号) 同(
田口一男
君
紹介
)(第二九号) 同(
中野寛成
君
紹介
)(第三〇号) 同(
井岡大治
君
紹介
)(第一六〇号) 同(
近江巳記夫
君
紹介
)(第一六一号) 同(
沖本泰幸
君
紹介
)(第一六二号) 同(
島田琢郎
君
紹介
)(第一六三号) 同(
竹内勝彦
君
紹介
)(第一六四号) 同(
春田重昭
君
紹介
)(第一六五号) 同(
森田景
一君
紹介
)(第一六六号)
東京湾岸道路
の
環境保全対策等
に関する
請願
(
上田哲
君
紹介
)(第三一号) 同月十八日
公害健康被害補償法
に基づく
指定地域
の
解除
反
対等
に関する
請願
(
岩垂寿喜男
君
紹介
)(第三二 七号) 同(
新村勝雄
君
紹介
)(第三二八号) 同(
野口幸一
君
紹介
)(第三二九号) 同月三十一日
公害健康被害補償法
に基づく
指定地域
の
解除
反
対等
に関する
請願
(
河野正
君
紹介
)(第三五一号) 同(
多賀谷真稔
君
紹介
)(第三五二号) 同(
塚本三郎
君
紹介
)(第三五三号) 同外四件(
横山利秋
君
紹介
)(第四〇〇号) 同(
小川国彦
君
紹介
)(第四三六号) 同(
土井たか子
君
紹介
)(第四三七号) 同(
安藤巖
君
紹介
)(第四八七号) 同(
小林政子
君
紹介
)(第四八八号) 同(
中路雅弘
君
紹介
)(第四八九号) 同(
東中光雄
君
紹介
)(第四九〇号) 同(
正森成
二君外二名
紹介
)(第四九一号) 同(
三谷秀治
君外二名
紹介
)(第四九二号) 二月六日
東京湾岸道路
の
環境保全対策等
に関する
請願
(
始関伊平
君
紹介
)(第五六一号)
公害健康被害補償法
に基づく
指定地域
の
解除
反
対等
に関する
請願
(
大出俊
君
紹介
)(第五六二号) 同(
則武真一
君
紹介
)(第六〇九号) 同(
中島武敏
君
紹介
)(第六一〇号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
一月三十日
公害健康被害補償法
の
改悪反対等
に関する
陳情
書(第八二号)
公害環境行政
の
推進
に関する
陳情書
(第八三号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
公害対策
並びに
環境保全
に関する件(
公害対策
並びに
環境保全
の
基本施策
) ――――◇―――――
河野正
1
○
河野委員長
これより
会議
を開きます。
公害対策
並びに
環境保全
に関する件について
調査
を進めます。 まず、
国務大臣
から
環境行政
に関する
所信
を聴取することといたします。
土屋環境庁長官
。
土屋義彦
2
○
土屋国務大臣
第九十一回国会における
衆議院公害対策
並びに
環境保全特別委員会
の御
審議
に先立ち、
環境行政
に関する私の
所信
を申し述べ、
委員各位
の御理解と御
協力
を賜りたいと存じます。
環境
問題は、
国民生活
との
かかわり合い
がきわめて深い問題であります。そして、この問題を取り扱う
環境行政
は、
公害
から
国民
の健康と
生活環境
を守るとともに、
かけがえ
のない自然を
保護
し、さらに快適な
生活環境
を
確保
するという重大な
使命
を担っております。 私は、昨年十一月
環境庁長官
に就任以来、この問題に取り組んでまいりましたが、いまさらながら任重くして道険しと責任の重大さを痛感をいたしております。
わが国
の
環境行政
を顧みますと、
公害対策基本法制定
以来、すでに十二年、また、
環境庁発足
以来、はや八年が経過しました。 この間、
政府
は、
地方公共団体
と
協力
し、激化するに至った
公害
の
防除
、また、急速に失われつつあった
自然環境
の
保護
に真剣に取り組んでまいりました。その結果、今日では、幸いにしてかつてのような危機的な
状況
を脱することができました。しかしなお、
環境基準
の
達成
、
維持
に向けて一層の
努力
を払っていかなければならない
分野
が残されており、
自然環境
につきましても、その適切な
保護
が依然として重要な
課題
となっております。 また、現在深刻な問題となっている
交通公害
や
閉鎖性水域
における
水質汚濁
の問題に見られるように、
公害
のあらわれ方も、
生産活動
に起因するものばかりでなく、人口及び
社会経済活動
の
都市集中
に起因し、
日常生活
に関係するものの
比重
が増してきております。このような問題に対処するためには、単に
発生源
に対する
規制
だけではなく、さまざまな
政策手段
を組み合わせ、総合的な
対策
を
検討
する必要があります。 そして、今後の
環境行政
を
推進
するに当たって何よりも
基本
としなければならないことは、
環境汚染
を
未然
に
防止
していくことであります。
開発事業等
の
実施
に当たって
環境影響評価
を行うことは、
環境汚染
の
未然防止
を図る上で、不可欠であり、その
制度化
は、国際的な趨勢となっております。 特に、
わが国
は、かつて著しい
環境汚染
を
経験
しており、この苦い
経験
を踏まえ、
環境汚染
の
未然防止
に万全を期すことが、
環境庁
に課せられた大きな責務であると考えております。 さらに、
環境保全
についての
国民
の意識は、
公害
の
防除
にとどまらず、自然の緑や水辺に恵まれた
潤い
のある快適な
環境
の
実現
を求めており、これに対応した
施策
を
推進
することも、今後の重要な
課題
であると考えております。 私は、
環境庁長官
として、以上のような
基本的認識
に立って、次のような
事項
を
重点
として、
環境行政
の
推進
に
誠心誠意最大限
の
努力
を払う
所存
であります。 第一に、長期的総合的な
視点
に立った
環境政策
の
展開
を図ってまいりたいと思います。
経済
の
安定成長
への
移行
、
エネルギー
の
需給構造
の
変化等社会経済条件
の
変化
を踏まえ、一九八〇年代の
環境政策
の
基本的方向
について
展望
を行うこととしております。とりわけ、
エネルギー
問題は、
わが国
が当面する非常に重大な問題でありますが、これに対しても
環境保全
の面からの配慮を加え、かつての
公害
の苦い
経験
を繰り返さないようにしてまいらねばなりません。このため、中長期的な
視点
も踏まえて、総合的な
検討
を行うこととしております。特に、
石炭利用
の
拡大
に伴って
大気環境
への
影響
などが懸念されますので、
調査検討
を進めるとともに、必要に応じ、各般の
措置
を講じてまいる
所存
であります。 また、よりよい
環境
を積極的に
確保
していくため、快適な
環境づくり
のための
施策
の
検討
を進めるとともに、身近な自然との触れ合いを図るための
施策
の
拡充
、
地域
の
特性
に応じた
環境管理
の
推進
を図ることとしております。 第二に、
環境汚染
の
未然防止
の徹底であります。
各種
の
開発事業等
の
実施
に当たっては、
環境影響評価
を行い、
環境保全
を十分に配慮すべきことは、だれしもが認めるところであります。すでに各方面におきまして
環境影響評価
が
実施
されておりますが、
環境庁
としましては、その
法制度化
に向けて
最大限
の
努力
をしていく
覚悟
であります。 また、われわれの
日常生活
に深い
かかわり合い
を持っておりまする
化学物質
に関しましては、
環境汚染
を
未然
に
防止
するため、その
安全性
の総
点検調査
を進めてまいります。 第三に、
公害防止対策
について、さらに積極的な
推進
を図ることといたしております。
自動車
、航空機、
鉄道等
による
交通公害
は、
地域住民
の日々の
生活
にとって、きわめて深刻な問題となっております。私は、
交通公害対策
が今後の最
重点課題
の一つであると考えております。 この問題の根本的な解決を図るためには、まず現在行われておりまする
自動車
を初め各
交通機関ごと
の
発生源対策
や
周辺対策等
を一層
拡充
強化
することであります。さらに、中長期的な
対策
として、
環境保全
の
観点
から望ましい
交通体系
や
都市構造
への転換を促すような新たな
施策
について
重点
的に
検討
を行い、総合的な
交通公害対策
を樹立し
推進
していくことが必要であります。 また、特に問題の大きい
大型自動車
について緊急に講ずべき
対策
を
検討
する等
交通公害対策
の確立に向けて本腰を入れて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、
大気汚染
の
防止
につきましては、これまでに
固定発生源
や
自動車
について、数次にわたってその
規制
の
強化
を図ってきたところであります。その結果、
大気汚染
の
状況
は、全体的にはかなり改善されてきましたが、なお、
環境基準
の
達成
、
維持
に向けて今後一層の
努力
が要請されております。 特に、
窒素酸化物対策
につきましては、
環境基準
に照らして
対策
の
緊急度
の高い
地域
において
実施
中の
調査
の結果を踏まえ、
固定発生源
について
総量規制
の
導入
を速やかに図る
所存
です。また、
ディーゼル車
、
重量ガソリン車等
の第二段階の
規制
に向けて引き続き
技術評価
を進める等
対策
の
強化促進
を図ってまいることといたしております。 さらに、長期的な
観点
から
各種大気汚染物質
の
対策
を最適な手順で進めるための手法の
検討
、
ディーゼル排出ガス
の
影響調査等
を行い総合的な
大気汚染対策
を
推進
してまいります。
水質保全対策
については、
閉鎖性水域
における
水質保全
の問題が、当面の最
重要課題
であります。現在問題となっておりまする
有機汚濁
や
富栄養化
の現象は、
産業活動
に起因するもののほか、われわれの
日常生活
に起因するものもかなりの
比重
を占めており、これら多様な
発生源
に対応した総合的な
対策
の
推進
が要請されております。 このため、東京湾、
伊勢湾
、
瀬戸内海
の三
海域
につきましては、すでに昨年六月に
総量削減
の
基本方針
を定め、現在これに基づき、
関係都府県
において
実施
のための準備が進められているところであります。
水質総量規制
の早期かつ円滑な
実施
に向けて今後とも
努力
してまいりたいと考えております。 これら
海域
と並んで、
湖沼
における
環境保全対策
の
推進
が急務であります。
湖沼
は、河川や
海域
に比べて
環境基準
の
達成
がおくれており、今後特に強力に
対策
を講じていく必要のある
分野
と考えております。
湖沼
の
特性
に応じた
水質管理指針
の
策定
のための
調査検討
を行うとともに、特に早急に総合的な
対策
が要請されている
琵琶湖
について、
総量規制
の
導入
に向けて
調査
を行うこととしております。 また、近年、内湾、
湖沼等
において
富栄養化
及び
赤潮
による障害が特に問題となっております。これに対処するため、
瀬戸内海
における
燐削減対策
に引き続き、
伊勢湾
においても必要な
調査
を進め、その
削減方策
を
検討
するほか、
赤潮発生機構
の
総合解析調査
を進める等その
施策
の
強化
を図ることとしております。 以上のような諸
対策
のほか、
地盤沈下対策
を初め、
騒音
、
振動
及び
悪臭対策
、
廃棄物対策
、
海洋汚染対策等
についても、一層の
充実強化
を図ってまいりたいと考えております。 第四に、
公害
による
健康被害者
の救済のための
施策
の
推進
であります。
公害
による
健康被害
を受け、苦しんでおられる方々に対しまして、その迅速かつ公正な
保護
を図るよう万全を期すことは、私
たち
の努めであります。 このため、
公害健康被害補償制度
の円滑な
実施
に一層の
努力
を傾注してまいる
所存
であり、特に、
補償給付
の
支給等
に必要な財源を引き続き
確保
するため、
所要
の
法改正
をお願いしているところでございます。
水俣病対策
につきましては、
水俣病
の
認定業務
の
促進
に関する
臨時措置法
の円滑な
実施等
により
認定業務
の
促進
を図るとともに、
国立水俣病研究センター
の
研究体制
の
充実強化
を図ることといたしております。 第五に、
自然環境
の
保全
であります。 自然は、生命をはぐくむ母胎であり、
人間生活
に限りない恩恵を与えてくれます。また、自然は、一たび失われると回復が著しく困難であり、この貴重な自然を守り育て、後世に伝えることは、私
たち
の大きな
使命
であります。 この
使命
を果たすべく、長期的な
視点
に立って、
自然環境保全対策
をさらに積極的に
推進
してまいる
所存
でありますが、特に、今後の
施策
の
展開
に当たりましては、すぐれた景観や
かけがえ
のない自然の
保護
と並んで、私
たち
の
日常
の暮らしに
潤い
と安らぎをもたらす身近な自然との交流の場の
確保
にも力を注いでまいりたいと考えております。 このため、
都道府県立自然公園
内の
国民休養地
に対する
施設整備
の
助成
の
拡充
を図るとともに、
首都圏自然歩道整備
のための
調査
を行うことといたしております。 また、
鳥獣保護対策
につきましては、
国設鳥獣保護
区を中心としてその
充実
を図ってまいりたいと考えております。 最後に、
国立公害研究所
の
充実強化等環境行政
の基盤の
充実
であります。 複雑多様な
環境
問題に
適確
に対処し、長期的な
視点
に立った
環境行政
を
推進
していくためには、その
基礎
となる
科学的知見
の蓄積が必要不可欠であります。
国立公害研究所
は、昨年設立五周年を迎え、国際的に見ましてもきわめて高い水準の
研究所
に育ってまいりましたが、今後とも一層の
充実強化
を図ることといたしております。 また、
環境
問題の国際的な広がりにかんがみ、この
分野
における国際的な
協力
の
強化
にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上、私の
所信
の一端を申し上げましたが、
環境行政
の
推進
に当たりましては、
国民
の声に耳を傾けていかなければならないことは、言うまでもありません。 今日、
経済
の
安定成長
への
移行
、
エネルギー需給構造
の
変化等わが国
の
社会
全体が大きな転換期を迎えております。私は、このような情勢のもと、どのような困難があろうとも、
国民
の健康の
保護
、
生活環境
及び
自然環境
の
保全
という
環境行政
の原点に立って、より高い
環境
の質の
実現
を目指して
誠心誠意全力
を尽くす
覚悟
でございます。 本
委員会
及び
委員各位
におかれましては、
環境行政
の一層の
推進
のため、今後とも御支援、御
協力
を賜りますよう心からお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
河野正
3
○
河野委員長
以上で
国務大臣
の
所信表明
は終わりました。 次に、
昭和
五十五年度
環境庁関係予算
の
説明
を求めます。
正田官房長
。
正田泰央
4
○
正田政府委員
昭和
五十五年度の
環境庁関係予算
について、その
概要
を御
説明
申し上げます。
昭和
五十五年度
総理府所管一般会計歳出予算要求額
のうち、、
環境庁予算要求額
は四百四十八億五千三百三十六万二千円であり、これを前年度の
予算額
四百二十四億九千七百四十三万円と比較すると、
増加額
は二十三億五千五百九十三万二千円であり、その
増加率
は五・五%であります。 次に、
予算要求額
の主要な
項目
について御
説明
いたします。 第一に、
公害対策
について申し上げます。 まず、
環境保全企画調整等
の
経費
については、
環境影響評価制度
を確立
推進
するための
経費
、
瀬戸内海
の
環境保全対策
を
推進
する
経費
及び
公害防止計画策定
を
推進
する
経費
のほか、新たに、一九八〇年代における
環境政策
の
展望
を
検討
するための
経費
及び
石油代替エネルギー
としての
石炭利用拡大
に伴う
環境影響
について総合的に
調査検討
する
経費等
、これらを合わせて四億六千五百九十四万円を計上しているところであります。 次に、
公害健康被害補償対策費
については、
公害健康被害補償制度
の円滑な
実施
を図るほか、
水俣病
の
認定業務
を
促進
することとし、これらの
経費
として百八十七億六千九百八十八万円を計上しております。
公害防止事業団
につきましては、
事業団
の
事業運営
に必要な
事務費等
の
助成費
として三十九億七千二百十六万円を計上しております。 次に、
大気汚染等防止対策
の
経費
については、新たに、
石炭
の消費の
増大等
に対応して大気質についての
汚染防止対策
の
調査検討
を行うほか、
窒素酸化物対策
として、
総量規制
の円滑な
実施
を期して
発生源
における
窒素酸化物総量
の
測定方法
を確立するための
調査検討
を
実施
するとともに、
健康影響調査
を行うなど、
大気汚染物質対策
の
推進
を図ることとし、また、
交通公害防止対策
を
推進
するため、新たに
大型車
について緊急に講ずべき
施策
の
検討
を行うとともに、従来に引き続き、
自動車公害
、
騒音
、
振動
及び
悪臭
についての
対策
を
推進
するための
調査
を行うなど七億七千九百四十二万円を計上しております。
水質汚濁防止対策
の
経費
については、
富栄養化
及び
赤潮対策
として、新たに
伊勢湾
の
燐削減
のための
実態調査
を行い、また、
湖沼環境保全対策
として、
湖沼
の
特性
に応じた
水質管理指針策定
のための
調査検討
及び
琵琶湖
について
総量規制
を
導入
するための
調査
を行うほか、従来に引き続き、
総量規制
の実効を期するため、
所要
の
調査
について
助成
するとともに、
瀬戸内海環境保全対策
及び
水質管理
についての
対策等
を
推進
するための
調査
を行うなど九億八千七百七十八万円を計上しております。 このほか、
地盤沈下
及び
廃棄物対策費
として一億一千八百八十一万円、
土壌汚染防止
及び
農薬対策費
として二億六百九十一万円をそれぞれ計上しているところであります。 次に、
公害監視等設備整備費
については、
地方公共団体
の
監視測定体制等
の
整備
に必要な
経費
として十一億九千三百四十七万円を計上しております。
公害
の
防止等
に関する
調査研究
の
推進
のための
経費
については、科学的な
調査
及び
試験研究
を一層
促進
するため、
総額
四十四億五千八百五十九万円を計上しております。 このうち、
国立試験研究機関等
の
公害防止等試験研究経費
として三十二億四千八百四十四万円を
環境庁
において一括計上し、各
省庁
の
試験研究機関等
における
試験研究
の
総合的推進
を図ることとしております。 また、
光化学スモッグ
に関する
調査研究費
及び
公害
による
健康被害
、
大気汚染
、
水質汚濁
、
自然環境保全等
に関する
調査研究費
として九億七千七百六十七万円を計上し、必要な
調査研究
を進めることとしているほか、
環境保全総合調査研究促進調整費
として二億三千二百四十七万円を計上し、
関係省庁
が所管する
各種
の
環境保全
に関連する
調査研究
の
総合的調整
を図ることとしております。 さらに、科学的な
行政
を
推進
するため、
国立公害研究所
の機能を
充実強化
することとし、これに必要な
経費
として四十二億三千二百七十万円、
国立水俣病研究センター
に必要な
経費
として三億二千四十二万円、
公害研修所
に必要な
経費
として一億二百九十一万円を計上しております。 第二に、
自然環境
の
保全対策
及び
施設整備
について申し上げます。 まず、
自然環境
の
保全対策
及び
自然公園等
の
維持管理等経費
については、五十三及び五十四年度に
実施
した
自然環境保全法
に基づく
自然環境保全基礎調査
の結果について集計、
整理等
を行うほか、新たに
首都圏自然歩道整備
のための
調査
を
実施
するなど十億三百三十七万円を計上しております。 このほか、
交付公債
による
民有地
の
買い上げ制度
の運用に必要な
経費
として九億九千五百二十一万円を計上しております。
鳥獣保護
については、
国設鳥獣保護
区の
管理強化
を図るほか、
特定鳥獣
の
保護事業
及び渡り鳥の
保護対策
を
推進
するなど一億八千百四十二万円を計上しているところであります。 さらに、
自然公園等
の
整備
を図るため必要な
施設整備費
として三十一億八千二百五十三万円を計上しております。 以上が
環境庁予算
の
概要
でありますが、このほか、
建設省所管予算
として、
国立公害研究所等
の
施設整備
のため十九億七千百五十九万円、
国庫債務負担行為
六億八百五十三万円がそれぞれ計上されております。 以上をもちまして、
昭和
五十五年度の
環境庁関係予算
の御
説明
を終わります。
河野正
5
○
河野委員長
次に、各
省庁
の
昭和
五十五年度
環境保全経費等
について、
便宜環境庁
から
説明
を求めます。
金子企画調整局長
。
金子太郎
6
○
金子政府委員
各
省庁
の
昭和
五十五年度
環境保全経費等
の
概要
について御
説明
いたします。 まず、
歳出予算
について御
説明
いたします。
昭和
五十五年度における
環境保全経費
の
総額
は一兆一千六百六十四億円であり、前年度の当初
予算
に比べ四百十億円、三・六%の
増加
となっております。 このうち、
一般会計分
は、一兆三百七十九億円であり、前年度の当初
予算
に比し百七十七億円の
増加
となっており、また、各
特別会計分
は一千二百八十五億円であり、前年度に比し二百三十四億円の
増加
となっております。 次に、
事項別
に主要な
項目
について御
説明
いたします。 第一に、
各種基準等
の設定としては、
環境庁
の
大気汚染防止対策
に係る
経費
三億三百万円、
水質汚濁防止対策費
一億三千二百万円など、
総額
九億六千四百万円を計上しております。 第二に、
監視取り締まり
の
強化
のため、
総額
七十五億三千三百万円を計上しております。 このうち主要なものは、
環境庁
の
公害監視等設備整備経費
十一億九千三百万円、
環境庁
、
厚生省
、
通商産業省等
に計上されている
化学物質安全確保対策費
五億円、
運輸省
の
自動車公害審査体制
の
強化費
二十七億八千六百万円、
海上公害監視取り締まり体制
の
強化費
二億六千九百万円、警察庁の
公害関係事犯
の
取り締まり強化費
三億六千八百万円などであります。 第三に、
公害防止事業助成
のため、
総額
百十一億四千百万円を計上しております。 このうち主要なものは、
環境庁
の
公害防止事業団助成等経費
三十九億七千二百万円、
農林水産省
の
畜産複合地域環境対策事業費
二十七億八千七百万円、
漁場環境保全対策費
十七億八千万円、
養殖共済赤潮特約事業費
六億百万円、
通商産業省
の
金属鉱業事業団事業運営費
九億九千八百万円などであります。 第四に、
公害防止関係公共事業等
の
推進
のため、
総額
九千七百二十四億六千二百万円を計上しております。 このうち主要なものは、
建設省等
に計上されている
下水道事業費
六千八百九億五千八百万円、
公共用飛行場周辺
及び
防衛施設周辺
における
騒音
問題に対処するため、
運輸省
の八百九十六億五百万円、防衛施設庁の七百六十九億四千三百万円、
厚生省
、
運輸省等
に計上されている
廃棄物処理施設整備費
七百六十三億七千三百万円、
地盤沈下対策
として
農林水産省
の
地盤沈下対策事業費
六十一億九千万円、
通商産業省
の
工業用水道事業費
三十三億三千九百万円、
建設省等
の
緩衝緑地整備事業費
五十一億一千九百万円、
通商産業省
の
休廃止鉱山鉱害防止工事費
四十一億一千六百万円、
運輸省
の
海洋環境整備事業費
二十五億五千三百万円、
港湾公害防止対策事業費
二十二億九千七百万円、
農林水産省等
の
公害防除特別土地改良事業費
十六億六千五百万円などであります。 第五に、
公害防止調査研究
の
推進
のため、
総額
四百三十億六千九百万円を計上しております。 このうち主要なものは、
環境庁
の
国立公害研究所経費
四十二億三千三百万円、
国立機関公害防止等試験研究費
三十二億四千八百万円、
通商産業省
の
大型工業技術研究開発費
七十五億八千万円、新
エネルギー技術研究開発経費
七十一億二千二百万円、
通商産業省等
の
省エネルギー技術研究開発経費
六十九億七千八百万円などであります。 第六に、
公害
被害者
保護対策
の
充実
のため、
環境庁
の
公害
健康被害
補償
対策
経費
百八十七億七千万円など
総額
で百九十五億九千五百万円を計上しております。 第七に、自然
保護対策
の
推進
のため、
総額
一千五十六億八千百万円を計上しております。 このうち主要なものは、
環境庁
の
自然公園等
施設整備費
三十一億八千三百万円、
建設省等
の公園事業費七百九十七億二千五百万円、古都及び緑地
保全
事業費二十三億五千五百万円、文部省の史跡等の買い上げ及び
整備
費八十二億九千六百万円、
運輸省
の港湾
環境
整備
事業費三十一億五千二百万円、
運輸省等
の海岸
環境
整備
事業費二十七億七千九百万円などであります。 第八に、その他として、
総額
で五十九億四千万円を計上しております。 次に、
公害
防止
関係財政投融資の
概要
について御
説明
いたします。
昭和
五十五年度における
公害
防止
関係財政投融資は、貸付規模等において、
総額
一兆三千五百四十二億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ、百十一億円の
増加
となっております。 機関別の内訳としては、
公害防止事業団
が契約規模で六百八十億円、日本開発銀行が貸付規模で八百二十億円、中小企業金融公庫が貸付規模で五百三十億円、
国民
金融公庫が貸付規模で七十五億円、大阪国際空港周辺
整備
機構が事業規模で四十億円、金融鉱業
事業団
が貸付規模で三十四億円、農林漁業金融公庫が貸付規模で三十億円、日本私学振興財団が貸付規模で七億円をそれぞれ予定しております。 また、
地方公共団体
の下水道
整備
、廃棄物処理
施設整備
等の事業を
推進
するため、地方債計画において一兆一千三百二十六億円を予定しております。 最後に、
環境保全
関係税制改正
措置
については、
公害
防止
用設備、無
公害
化生産設備及び廃棄物再生処理用設備の特別償却制度について、適用期限の到来するものは二年延長し、あわせて対象設備の範囲の縮減及び償却割合の引き下げを行うこと等を内容とする改正を行うこととしております。 以上をもちまして、
昭和
五十五年度の各
省庁
の
環境保全経費等
の
説明
を終わります。
河野正
7
○
河野委員長
以上で
予算
の
説明
は終わりました。 次に、
昭和
五十四年における
公害
紛争の処理に関する事務の
概要
及び
昭和
五十五年度
公害等調整委員
会関係
予算
の
説明
を求めます。青木
公害等調整委員
会委員長
。
青木義人
8
○青木
政府
委員
公害等調整委員
会が
昭和
五十四年中に行いました
公害
紛争の処理に関する事務及び
昭和
五十五年度総理府所管一般会計
公害等調整委員
会
予算
案について御
説明
申し上げます。 まず、
公害
紛争の処理に関する事務の
概要
について申し上げます。
昭和
五十四年中に当
委員会
に係属しました
公害
紛争事件は、調停事件百八件及び被害と加害行為との間の因果関係について判断を求められた原因裁定事件一件の計百九件でございます。 その内訳は、
水俣病
に関する調停事件九十一件、大阪国際空港
騒音
被害に関する調停事件十七件、仙台湾における養殖ノリ被害原因裁定申請事件一件でございます。
昭和
五十四年中に処理が終結しましたものは、
水俣病
に関する調停事件三十五件、申請人数八十八人でございます。これらは、
水俣病
と認定された患者に対するチッソ株式会社の損害賠償について、患者個々人ごとに具体的な支払い金額等を定める調停を成立させたものであります。 その他、終結を見ていない事件につきましては、目下鋭意手続を進めているところであります。 次に、全国の
公害
苦情の実態について申し上げます。当
委員会
の
調査
によれば、
昭和
五十三年度の総苦情件数は、約七万件となっております。この苦情件数は、四十七年度をピークに以後減少を続けましたが、
昭和
五十二年度以降は、ほぼ横ばい状態となっております。これを
公害
の種類別に見ますと、
騒音
、
振動
に関する苦情が最も多く、三六%を占め、次いで、
悪臭
二二%、
大気汚染
一五%、
水質汚濁
一四%の順であり、これらで全体の八七%を占めております。 以上の結果を踏まえ、当
委員会
といたしましては、
公害
苦情相談指導者研修会等の
実施
、
公害
苦情処理の参考資料の作成、配布、あるいは個別の事案についての指導、助言等、
地方公共団体
が行う
公害
に関する苦情の処理について積極的に指導等を行っているところであります。 引き続き、
昭和
五十五年度の
公害等調整委員
会の
予算
案につきまして、その
概要
を御
説明
いたします。
昭和
五十五年度の総理府所管一般会計
歳出予算
案のうち
公害等調整委員
会の
予算
の
総額
は、三億五千七十五万円でありまして、これを前年度の当初
歳出予算
額と比較いたしますと、七百七十八万円の増額となっております。
予算
案の内訳は、当
委員会
に係属する事案の審理及び一般事務処理等のための
経費
五千九百万円、
公害
苦情の実態を
調査
し、その処理についての指導、研修及び情報提供等を
実施
するための
経費
三千百五十三万円のほか、人件費であります。 以上が
昭和
五十四年中に
公害等調整委員
会が行ってまいりました
公害
紛争の処理に関する事務及び
昭和
五十五年度の
予算
案の
概要
でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
河野正
9
○
河野委員長
以上で
公害等調整委員
会の
説明
は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時九分散会