○松尾政府
委員 御
指摘の不正
事故防止のための指導でございますが、昨年来こういった問題が保険制度の根幹を揺るがす大きな問題であるという認識のもとに、
関係業界あるいは警察御当局とも連絡をとりながら、いろいろな措置を講じてまいりました。
まず自賠責の
関係でございますが、自賠責保険は、公的な性格という点から見ましても、不正事件の防止は特に重要でございますので、具体的な査定等に当たっておりますものとして
自動車保険料率算定会、これの
全国の
調査事務所が具体的な査定を行っておりますので、まず
調査事務所の体制といたしまして、たとえば特定の
職員が特定の地域を持つとか特定の大口契約者と常にタイになっておるというような結びつきがとかく不正
事故を生む温床になりがちな面もございますので、そういった人員配置の
関係での適正化、さらには
事故証明書をコピーで提出をされるというような場合には、必ず原本の所在の確認を行うとか、さらに加害者の請求の場合には、被害者に対しまして支払い前における示談の有無の確認をするとか、支払い後における示談金額、領収の有無の確認を行う、こういった指導を行ってまいりまして、各
調査事務所の運営の健全化を図ってきておるところでおりますし、また、
自動車保険料率算定会の本部に監査室というのがございます。これによります自主監査というのを
強化してまいっておるわけでございます。
それから任意の
自動車保険、民間の損害保険業界の
関係におきましては、五十三年十一月の制度改定の際に、保険約款上被保険者の
事故が発生した場合には、直ちにそれを保険会社に通知しなければならない、また保険契約者が保険金の支払いを請求する場合、従来は人身
事故あるいは一部の物損
事故についてだけ
事故証明書の添付が要求されておったのでありますが、人身
事故、車対車の
事故、接触による物の損壊を伴う
事故につきましても必ず
事故証明書を提出しなければならぬ、こういうことに改めたわけであります。また、修理をする場合には、修理に着工する前に保険会社の承認を得なければならない、そういった措置をとってまいりました。これはいわば保険金支払い段階におきます適正化でございますが、もう
一つ重要なのは、入り口と申しますか保険契約の段階におきまして悪質者というものを何とか排除できないかということでございまして、この点につきましては、情報交換制度というものを損害保険業界あるいは生命保険業界におきまして逐次発足をいたしております。さらに、いろいろな情報を集めるという
意味におきまして、地元の警察との連絡を密にするということで業界と警察との連絡協議会を
設置するというようなことで情報交換等を行っておるわけでございます。それから、
先生御
指摘になりました
関係業界全体を通ずる情報交換ということが望ましいわけでございますので、終局的にはそういった生損保さらには各種の共済
一体としました情報交換制度をつくり上げていくことが必要ではないだろうか。ただ、この経費その他の問題がございますので、とりあえずできるところからこういった情報交換制度を発足しておるところでございまして、今後とも入り口並びに保険金支払い段階におきます適正化ということについて、私
ども十分指導してまいりたいと考えております。