○
渡辺国務大臣 私
どもが
住宅政策を進めていく場合に、やはり
土地問題が、特に
宅地の
供給問題が非常に大きな前提になるわけでございますし、そういうような
意味におきましては、
地価の安定ということは重要な課題だというふうに私
どもは考えております。
ただ、一部に言われますように、
持ち家政策を何か
政府があふったようなふうに言われている面もありますし、またそれが
地価高騰をあふったのではないかというような御
意見もございますが、先ほど
住宅局長が御
説明いたしましたように、私
どもは、国民のニーズに従って、それぞれバランスのとれた
住宅政策を進めておるわけでございますから、その点、ひとつぜひ御理解をいただかねばならぬと思います。
そういうような
意味におきましては、
地価の安定ということは重要な課題でございますから、いろいろ申し上げてきておりますように、
努力もしておりますし、今回、内閣にも
土地問題閣僚協議会を設置することになっておりますので、私もその
構成メンバーの一員といたしまして、最大の
努力をさせていただきたいと思っております。
そういうような
意味では、たとえば今回お願いしております、
地区建設計画と、まあ呼びやすく呼んでおりますけれ
ども、これも
ミニ開発に伴う
地価の高騰というものは当然あるわけでございますから、私は、今回のこのお願いをしておりまする法案も、
地価の高騰を抑制するという
意味におきましては、非常にいま効果のあるものではないかというふうに考えておる次第でございます。
そこで、かねて申し上げておるわけでございますけれ
ども、
地価の安定なり、あるいは
宅地供給を
促進するためには、たびたび申し上げておりますように、
税制もその一環でございますが、
税制のみでなしに、
税制を含めた総合的な
宅地供給策というものを進めておるわけでございまして、第、一番には公的機関による計画的な
宅地開発の推進、それから、民間の優良な
宅地開発に対しまする政策金融その他の措置、拡充でございます。それから、関連公共公益施設の
整備の拡充でございますが、これは、今年度は五割増し、九百億ということで進めておるわけでございますし、近くその配分も決めたいと思っております。
それからもう
一つ、都市再開発によりまする
土地の有効利用の推進につきましては、先般来お願いしております、いずれ御審議をちょうだいいたしまする今回の都市再開発法の一部
改正によりまして、
住宅を中心といたしまして計画的にこれを進めていくということをお願いをしておるわけでございます。
なお、その
都市計画法の線引きの見直しにつきましても、かねてこれは推進をいたしておるわけでございますけれ
ども、しかし、一番問題である
東京都自体が今日まで実施をしておらないような
状況でございまして、これは昨年の暮れ、都
知事にもお願いをいたしまして、昭和五十五年度には
東京都もいよいよ線引きのために御
努力を願うということでございまして、今回の
土地税制とあわせまして総合的に推進をしてまいりたいと思います。
それで、
税制もいろいろやっていただいておりますが、去年は、いわゆる優良
宅地の
状況が非常に厳しかったわけでありますから、それでは
成果がないんだ。今回、そういうような
意味では、従来の短期譲渡に対する重課の体制は維持しながら、長期譲渡に対してのみ今回のような措置を講じたわけでございますから、私は、むやみに地主を優遇するということではなしに、これが流動を阻害しておる要因を断ち除くことになるのではな
いか。
それから、御承知のように市街地の中の今後の
土地の有効利用に役立つ
意味におきまするいわゆる買いかえ
制度というものも今度は認めていただきましたので、これらをあわせまして、私は今後とも強力に
宅地供給を進めていきたい。
それから、調整区域内の
農地の問題、市街化区域内の
農地の問題、これを
宅地に転用する問題につきましても、たびたび申し上げておりますように、次官を中心とする
委員会を設けまして、ただいまいろいろ有効な
制度がございますけれ
ども、法案の成立の過程でいろいろな枠がはめられまして、そのためには、大変いい
制度だけれ
ども、実効が上がっていないものがたくさんございますので、たとえば
土地担保つき融資
制度であるとか、あるいは
農地の利子補給
制度であるとかいろいろございますが、そういうようなものも見直しながら、私
どもは、
農地の
宅地転換というものにつきましても強力に進めてまいりたいと思っております。
なお、昭和五十六年度から昭和六十年度までの前期五カ年、それから昭和六十一年から昭和六十五年までの後期五カ年間、合わせて十年間を計画期間とする
宅地需給長期見通しを策定することにしておりまして、これは五十五年度中に策定できるものと考えておるわけでございまして、なお、さらに現在、
住宅宅地審議会におきまして、昭和五十六年度を初年度とする第四期
住宅建設五カ年計画を前提といたしました「新しい
住宅事情に対応する
住宅政策の基本的体系はいかにあるべきか」ということにつきまして御審議を願っておりますが、その一環として審議会の
宅地部会におきまして、今後の
宅地政策の基本的
方向についても検討をいただいておるところでありまして、これらをあわせまして、ひとつ全力を挙げまして
宅地供給の推進に努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。