○
井上(敦)
委員 大臣、このやりとりを聞いておいていただきたいのですが、大体健康診断を
実施して、少なくともその管理区分を明らかにする作業は、林災防
関係で、せいぜい延びても二カ月であります。最近、この一、二年のように、一つの県で千二百名とか千三百名になってくると、その担当のお医者さんの方で症度分類や管理区分するという業務が
集中しますから若干おくれていますけれ
ども、少なくとも現場の労働者にとってCと言われ、C二なる人たちは、もうほとんど
仕事をやめなさい、振動工具を使ってはなりませんということを、健診の現場で指示を受けているのです。そのときから、もう翌日から
生活にかかわっているのです。働きに行ってはなりません、お医者さんにかかりなさいと言われるんですね。しかも、この健康診断の結果に基づいて、異常のないAだとか要注意のBの者はそのまま引き続き労働を続けるわけですよね。その際に、日常の
仕事の中でどういうことに気をつけなければならないのかという、そういう指針も出しているんですよ。そういう管理区分も、健康診断を受けた者に対してきちんと出すようになっている。いま聞いたら、五十三年度の、しかも数にしてわずか四千名のその管理区分も明確になっていないというのは、これは重大な立ちおくれです。恐らくこれであれば、次の
質問をしても無理じゃないかと思うけれ
ども、あえてどの
程度か見解を伺っておきたいと思います。
すでに認定患者等が出ているわけですけれ
ども、要治療と言われた者の症度区分、これはどういう特徴があるのか、そこらをぜひ今後見ていただきたいと思います。そういう症度区分などの
全国的な集計ができていないとすれば、今後、ぜひそれを集計していただきたいというように思います。すなわち、
建設業関係におけるその障害の
程度や進行
状況が
具体的につかめるはずであります。
もう一点要望したいのは、すでにこれらの患者に対する治療通達も出されています。その通達は一つの指針になっています。治療指針であります。そこで指示されている治療
機関における器具あるいは施設の
整備状況、こういうものは本来通達で示した方向にどれだけ
整備されているのかどうか、これは重大な問題だと思います。たとえば大きな病院のないところでは、ほとんどが僻地の診療所に通います、あるいは二時間ぐらいかかって町の開業医にかかります、病院に行きます。大部分のところはそういう治療通達に示された器具や施設の
整備がおくれています。ほとんどは注射と薬の繰り返しであります。つまり症度に応じた適正な治療というものがまだ十分行われていないのではないかというように思われます。薬物療法の繰り返しではなくて、効果的な治療方法について格段の検討が要るのではないかというように思うのです。新しい職業病にかかわる治療ですから、それぞれの専門分野でも
かなり研究が進んでいるようですけれ
ども、そのすぐれた到達
状況、そういうものをもっと末端の、たとえば産婦人科の先生にしろあるいは耳鼻科の先生にしろ、村へ行ったら何もかも診なければならぬのです。そういう先生方にとってはどうしたらよくなるのかというのは強い関心を持っています。そのことを教えてほしいと言っています。すぐれた療法例があればそれを示してほしいと言っています。そういう点でぜひ先駆的なといいますか、一つの有効な治療方法、技術などについてできるだけ
全国的な療法例の集約を行い、それを普及していくという点でもっと積極的でなければならないのではないか、あるいは医師の研修などは医師の側からも強い要望が出ております。和歌山県内で病院、開業医含めてすでに六十ぐらいの治療
機関がこれに当たっております。もうさまざまです。そういう点で、以上の点は強く要望しておきたいと思います。
私がいま提起した問題は、
建設省関係の分野ではいままでどうだったのか知りませんが、社会労働
委員会の分野では
かなりやられているのです。
昭和五十四年五月二十九日の社会労働
委員会で「いまずっと御
指摘の、チェーンソー使用の白ろう病の問題でございますが、最近振動工具を使う
関係では
建設業その他の分野にも非常に広がっておりまして、こういったことについて総括的に一つの立法
措置によって規制をするということになりますと、いろいろな面での専門的な
関係の問題を詰めていかなければならぬと思って、現在、専門家によりましていろいろの側面からの問題の検討をしていただいているところでございます。」、こういうように
答弁をされております。私はこの治療の分野の問題について若干要望を述べたわけですが、このことと
関係して、現場へ行きますとよく聞かれるのは移送費の問題です。簡単に言うたら、最寄りの治療
機関に行く場合は移送費の支給があるということになっているんですね。ところが、患者にとってはやはり親切に診てくれるとか、あるいは薬と注射だけじゃなくてホットパックもあるとか、あるいは運動療法を取り入れているとか、いろいろな工夫をしている先生のところへみんな行きます。そういう施設や器具の
整備されているところあるいはお医者さんが、一般の外来患者と同じように扱わないで別途の診療日を設けて一つ一つ相談に乗っていくというようなそういうお医者さんのところへやっぱり行くんですね。私は単に医師の選択の自由というだけではなくて、早く健康な体を取り戻すというこれらの皆さんの
努力にどうこたえるのかというそういう姿勢、態度が大事だと思うのです。そういう点で移送費についての
考え方をお伺いしたいと思います。