○渡邉
説明員 お答えを申し上げます。
前段御
指摘ございましたサケ・マス等につきましてのお話でございますが、先生も特に御案内のように五十二年に二百海里が突然引かれまして、従来十万トンあるいは八万トンの日ソのサケ・マスの漁獲が可能であったものがその後六万トンあるいは四万トンに減ったというようなことがございまして、ある
程度の思惑輸入が当時あったということは否定できないと思います。その後、今
年度も先般の日ソのサケ・マスで四万トン台を確保することができたわけでございますが、一方国内のふ化放流事業が順調に進んでおりまして、内地におきます回遊量がかなりふえたということも重なりまして若干荷もだれぎみになっておりまして、最近値段が下がっておるというようなことはあろうかと思います。
後段の御質問のエビ、サケ・マス、イカ等につきましての最近の輸入状況あるいは需給状況等につきまして、個別に御
報告を申し上げたいと思います。
まず、エビでございますが、全体の需給は御承知のように国内の生産と輸入の総体で決まるわけでございますが、生産は数年前約七万トン前後ございましたものが五万トン台に落ちている。一方、需要が非常に堅調であるということがございまして、輸入量は、
昭和五十年の数字で申し上げますと十一万トン台だったものが現在十六万トン余にふえております。
それの価格動向は、小売価格について言えば堅調な需要を反映したということもございまして、五十一年の
平均が約五百円でございましたが、五十三年には六百二十九円というふうになっております。最近の月別の数字は、小売物価指数の
調査対象品目を変更したこともございまして連続いたさないわけでございますが、昨年一年間の動きを見ますと、年初三百八十円ぐらいでございましたものが年央には四百二、三十円になっております。年末に三百八十円台に落ちておりますが、ことしに入りましてから四百円台ということで堅調に推移しておるような状態でございます。
一方、在庫量は、エビ全体の在庫量という
調査はございませんでして、農林水産省が統計
調査部で独自に
調査しております全国の主要な産地六十数港と十ばかりの大都市の主として水産物を扱っている冷蔵庫の
調査の結果を御
報告いたしますと、五十四年で言えば一月が二万トン台でありましたものがその後二万三千、多い月で二万五千トンぐらいになっておりますが、現在は、ことしの一月の
調査結果では二万四千トンということで、在庫量にはさほど大きな変動はないようでございます。
次にサケ・マスでございますが、これは先ほど若干触れましたように、生産量が大きく変わっております。国内の生産で申しますと、
昭和五十年が約十六万トンの国内生産がございました。五十四年の統計がまだ出ておりませんが、五十三
年度の統計で申しますと十万二千トンというふうに激減をいたしております。それを反映いたしまして輸入量は
昭和五十年が六千八百トン台だったものが、五十二年には一万九千トン、五十三年には四万九千トン、五十四年には五万四千六百トンというふうに、ここ一、二年激増をいたしております。
一方、価格の方でございますが、小売価格を例にとって申し上げますと、五十二年では年
平均百九十一円でございましたが、五十三年が二百十三円、五十四年を見ますと、一月ごろが二百二十円台でございましたが、五、六月ごろには二百三十円を超しまして、これが去年の秋以降かなり下がってきておりまして十月が二百十五円、十一月が二百六円、ことしに入りまして一月が二百二十一円、二月が二百二十円、三月が二百十三円というように下がってきております。サケ・マスの在庫の
調査は特にやっておりませんので、申しわけありませんが、御容赦いただきたいと思います。
イカの関係でございますが、これも最近の食生活の動向を反映いたしまして、調理が簡便であるということで非常に需要がふえております。ただ、イカには大きく分けまして二種類ございまして、スルメイカというのが私
どもよくお刺身に食べるイカなわけでございますが、これは日本海側と太平洋側で従来とっているわけでございますが、これの生産が激減をいたしております。ちなみにスルメイカにつきまして申し上げますと、四十三年、四十四年ごろは六十万トンあるいは四十万トンを超しておったわけでございますが、五十三年は二十五万七千トンというふうに激減をいたしております。一方、そういうことを反映いたしまして価格がここ数年非常に上がってまいりましたので、輸入の方の割り当てを大分ふやしてまいりました。輸入の数字で申し上げますと、モンゴーイカを自由化したということもございますが、五十年の五万八千トンから五十四年では十五万五千トンということに輸入量は約三倍にふえております。
価格動向を小売価格で申し上げますと、
昭和五十二年の百十三円、五十三年の百三十一円、五十四年の年初は百五十円台でございましたが、年央には百十円台に下がりまして、年末にまた百五十円台に戻しまして、ことしに入ってからの数字を申し上げますと、百五十六、百二十八、百六十円といったことで、やや高値安定的な様相があるわけでございます。在庫量の方も、先ほど申しました
意味での
限定された
調査ではございますが、さほど大きな変動はございませんでして、農林水産省の
調査対象だけで言いますと約六万トン台で前後しております。
それからマグロでございますが、これは生産は全体的に言いますと資源の枯渇を反映いたしまして少しずつ微減傾向でございます。輸入量は大体横ばいでございますが、生産量について申しますと、
昭和五十年三十一万トン、その後三十六万トンあるいは三十三万トンというふうに三十万トンを維持してございます。輸入量は、同じく
昭和五十年の十万トンから、その後多い年で五十二年の十二万四千トン、昨年一年間で見ますと十一万四千トンということでございます。これを在庫量で見ますと、これも
限定された
調査対象、冷蔵庫ではございますが、五十三年が年暦平靖二万九千トンございましたが、ことしで申し上げますと、一月の二万トン、以後は一万九千トンあるいは一万六千トン、ごく最近の十二月で一万七千トンというようなことになっております。
以上でございます。