○近藤(隆)政府
委員 個々の問題にお答えする前に、消防力の基準について少し弁明させていただきたいと思います。
現在私ども、消防力の基準についてそれぞれの消防
施設何パーセント充足しておるかという場合に、各
地方公共団体がそれぞれの町の消防力の基準と言っておるものを集計いたしまして、それに対する充当率を実は申し上げておるわけでございます。私どものつくっております全国一律的な消防力の基準というのは、人口であるとか人口密集地区、そういったものを基準といたしまして標準的につくっておりますので、機械的にそれに当てはめますと、充当率というのは非常に上がってくるわけでございます。ただ、御承知のように個々の
地方公共団体それぞれみんな形が違っておるわけでございまして、私どもの基準のままで直ちに適用いたしますと実態に合わないことになる。したがって、その基準を参考といたしまして、基準では消防署の数はたとえば三つでいいけれども五つ要るとか、そういうことを前提としてそれぞれの
地方公共団体が消防力の基準をつくり、五カ年計画でもってこれを達成すべく努力しておるわけでございます。ここ数年来、
地方公共団体が要望しております消防
施設につきましてはほとんど満額と言っていい形で
国庫補助金を確保し、充当いたしております。したがいまして、国としても責任を果たしてないわけではございません。
それからなお、消防力の基準につきまして、それぞれの
地方公共団体が自分の町のあるべき消防力の基準をつくり、それを目指して
整備していくということは決して悪いことではないと思います。ただ私ども反省しなければならないのは、現在の消防力の基準というものが市街地を中心としてつくられておりますので、農山漁村を多数抱えておるようなところでは若干実態にそぐわない点があるという感じはいたしております。したがって、この点については私ども、消防力の基準の見直しについて現在鋭意努力しておるところでございます。
さて、幾つかの御質問がございましたが、御指摘のように、高層ビルや危険物
施設がどんどん出てまいりまして、はしご車を買うということになりますと、御承知のように大きなものだと一台七千万ぐらいいたします。化学消防車だと二千万ぐらいいたします。したがいましてこういうものに対して
地方団体の財政力が追いつかないのじゃないかという御指摘でございます。御承知のように、消防
施設につきましては
昭和二十八年以来消防
施設強化促進法によりまして三分の一の
補助ということになっておりますが、これまた御承知のように、人口急増地区でございますとか大地震対策特別
措置法に基づく強化地区であるとか、そういったところは二分の一、あるいは過疎地域、沖繩といったような特殊な財政力の比較的弱いところには三分の二というような
補助をいたしております。さらに地元負担につきましては、財政事情に応じて
地方債の
措置もしておりますので、それによって、
地方団体が必要だと認める場合は財政的に行き詰まるというようなことがないようにはいたしておるつもりでございますが、個々の問題につきましても、今後とも
地方団体の実情を見ながら起債
措置その他を勘案いたしてまいりたいと思っております。
それから、基準額と現実に請け負わせた場合の
経費との
差額の問題、超過負担の問題になるかと思いますが、消防
施設関係につきましては、これは御承知と思いますが、毎年毎年、前年実績で見直しておりまして、本年も五%程度の単価アップをしております。したがって標準指標から比較いたしますとほとんど乖離はないのじゃないかと思います。ただ消防の場合にはいろいろな付属設備がつきますので、したがって結果的には超過負担みたいな形になっておるものが多々あるのじゃないかと思います。ただ、水槽の場合でございますけれども、これは地域によって非常に地質が違うものですから、高いの安いの、それから市街地につくる場合と公園等の広場につくる場合、みんな単価が違ってくるわけでございます。私ども、市街地補正あるいは道路補正といったようなことで若干の補正はいたしておりますけれども、この点についてはなお今後ともきめ細かい操作が必要であろうかと思います。水槽の問題につきましては、私ども特に留意いたしまして、実態にできるだけ近づけるべく毎年
補助単価の引き上げを図っておるところでございます。
それから水槽についての用地の問題、これは
国庫補助対象といってもなかなかむずかしい問題でございますが、都会地におきまして水槽を
整備するのは急務でございますので、まず学校であるとか公園であるとか、現在大都会などは小公園等も多いようでございますので、そういったところへぜひ据えつけてほしいということで、建設省あるいは文部省の方とも交渉して、市によりましては非常に成果を上げておるところがございます。
それから、消防の庁舎等の関係でございますけれども、消防関係につきましては、消防の
施設の水準を高めるということでわざわざ法律をつくって、特に消防
施設に関しては
国庫補助対象にしておるわけでございますが、それも消防に直接役立つ水槽であるとかポンプというものに限定しておりまして庁舎等に及んでおりません。これは一つの考え方でございますけれども、庁舎等は市役所、町役場、その他一般的な行政
事務を行うところの庁舎と一律に考えておるわけでございまして、必要に応じて
地方債等によって
措置するわけでございます。ただ、消防の特殊事情を勘案いたしまして、
自治省の方とも話し合いまして、一般の庁舎などの場合には七割の起債充当率でございますが、七五%に引き上げていただいておるというような
状況でございます。
それから、はしご車でございますが、これはオーバーホールに非常に金がかかるということ、まさにそのとおりでございます。消防の
経費の性格といたしまして、私どもこれについては地方
交付税で
措置しておるわけでございますが、いままでの実績等を勘案いたしまして、地方
交付税の積算の基礎には六百万円で八年に一回ということで
計算しております。はしご車の場合には耐用年数が八年程度であるということを聞いておりますのでこうしておりますが、六百万が妥当であるのか、八年が妥当であるのか、この点は実績を見つつ改善していきたいと思っております。以上でございます。