○向坊
説明員 文学部で火災事件など起こしまして社会、国家に大変御迷惑をかけてまことに申しわけないと思っております。また、病院の
精神神経科の問題につきまして
会計検査院から
措置の
要求を受け、また国会でもいろいろ御心配いただいておることについてもまことに申しわけないと思っております。
文学部の
学生の処分問題でございますが、これは文学部を中心にいたしまして全学的に評議会で慎重に検討いたしました結果ああいう
措置をとったわけでございまして、詳しく申し上げる時間ございませんけれども、火事そのものについては警察でさえも原因や責任者を断定できないという
状況でございまして、火事自体についての処分はできないわけでございます。ただ、そういう
事態を起こしたということに対して、学部長室を占拠しておったということに対して、
学生諸君の一部の人を処分すべきではないかということで慎重な検討が行われたわけでございます。大学では総長がその処分の責任者でございますけれども、総長の考えで処分するわけではございませんで、担当部局の上申に基づいて評議会でこれを決定しなければならないわけでございます。評議会で世間の常識では御理解しにくいような結論を出して
学生の処分をしなかったわけでございますけれども、それは大学の紛争以来のいろいろの経緯がございまして、学内で教官でさえも
学生の処分
制度というのはたな上げと申しますか、留保の状態にあるのではないか、そういうように考えておる人が相当おりまして、私自身は処分
制度は生きていると考えておりましたけれども、学内では必ずしもそちではない、そういう状態で、簡単に申しますと処分はできなかったということでございます。
それで、処分はできるのであるということを紛争以来大学としてははっきりと明示したことが実はなかったのでございますね。それで私はその機会に、処分はできるのであるということを明示すると同時に、処分
制度検討
委員会というものを発足いたしまして、ただいま学内を
教育研究の場としてふさわしいものにする、規律をどう保つべきかということについてこの
委員会で鋭意検討中でございます。
それから
精神神経科の問題でございますが、長年空席でありました教授、助教授の席が昨年任命されまして、その方々を中心とする
関係者の
努力によりましてかなり正常化の方向に向かって進展は見ているわけでございます。たとえば
学生の
教育実習とか研修医の受け入れ、それから患者の教授、助教授による把握でございますね、これは診療
会議とか教授回診等によって十分把握しております。そういう方は非常に進展いたしましたが、御
指摘のございましたように、外来側と病棟側とを総合的に運営する、外来で診た患者をすぐ病棟に入れられる、そういう
状況は遅々としてなかなか進んでおりません点はまことに申しわけないと思っております。
実は、教授が外来で診療した患者を病床に受け入れることはできるようになりました。これからもその例はふえていくだろうと期待しておりますが、なかなか一体として運営されておるというところまではいっておらないというのが実情でございます。
こういう
状況がございますのは、外来におります医師と病床におります医師との間に、診療、治療に関する基本的な学問的な考え方の違いがございまして、それが長年の間に感情的な対立にまで発展いたしましたものでございまして、その解消に相当時間がかかるという
状況でございます。
いま
東京大学にカナダから非常に著名な
精神神経科の教授が招聘教授として来ておられまして、その
先生と私、二度ほど会って、長時間にわたってこの問題について御
意見を伺ったわけでございます。その
先生は両方の医師とも親しくしておられまして、事情をよく了解しておられますけれども、現在の教授、助教授による
努力は非常に高く評価しておられますと同時に、全体としての解決にはまだ若干時間がかかるだろうということはその教授も申しておられます。
私どもとしては、御
指摘の点を解消いたしますようにこれからもあらゆる
努力をいたしますけれども、まだしばらくその点はお時間をかしていただきたい、そういうふうに存ずる次第でございます。