○林(孝)
委員 鳩山
内閣の時代にできまして今日までこの新生活運動が続けられてきた。いろいろ経緯があったと思いますけれども、この協会の、
一つは経費の問題、これは設立当初より全額国家
資金によって賄われておる。先ほど
説明がございましたように、この新生活運動というのは住民の生活課題を住民が自主的に解決していく、こういう
国民運動ということでございました。そうしますと、この協会は、いわゆる官製の
国民運動を推進する民間団体の性格を持つ、このようになると私は思います。
昭和三十年、戦後十年後に設立されたわけでございますが、当時の事情を
考えますと、いわゆる生活改善、向上、こうした運動をする官製の民間団体が非常に必要視された社会的な背景があった、私はそういうところにこの団体の存在する意義が大きかったと思います。だからといって今日この団体の存在の意義がなくなっておるかというと、私はそうとも思えない。
これを私が
質問する
意味は、中途半端な状態で置いてはならない、新しい生活運動を展開するというならば、これは総理府として積極的に取り組んでいくべきであるが、どうも現在の時点でこれを
考えると物足りない、設立当初においての意気込みといいますか、いわゆる
国民運動という額面どおり受け取れば、
国民全体がその運動に参画できるような、そうした大きな波を起こしていかなければならない、そういう面から
考えると、現在のこの新生活運動の規模といいますものは非常に弱体化しておる、このように感ずるわけでございます。
現在では、この点、純然たる民間の側からの推進勢力、生活改善への創意工夫というものがありますし、また、
国民の意識というものも非常に複雑であり多様化しておりますから、この生活運動というものが非常にむずかしいということもわかるわけでありますけれども、まだまだ工夫すべき余地があるのではないかということも
考えるわけです。また、
政府がこれを政策課題として掲げて、そして
国民運動の必要性というものを感ずるものであれば、先ほど申し上げましたように、これは総理府という
立場もあるでしょう。各省庁でもこれに似通ったことが、たとえば農林省であれば農業団体を核にして農村地域においてこうした新生活運動と類似する運動がなされておりますし、各省庁でもそうした生活改善といいますか、生活環境改善あるいは住民運動、そうしたものに関連して運動が展開されておることも事実であります。
そういうことを
考え合わせますと、これは
一つの
国民運動でありますから、生活
関係政策というものを
前提にした予算、これをやはり各省庁と調整して検討しなければならないのではないか、この点があるわけです。その役割りを総理府が行う
立場にあるのではないか。そして総理府が調整をして、行政の手で直接執行し、あるいは必要な民間団体、あるいは団体でなくてもいいわけですけれども、非常に
努力をしておるというところに対しては積極的に助成措置を講じていく、こういう政策展開というものをする、これも総理府の
一つの仕事ではないか。
また、この協会に関して言えば、最近コミュニティー形成というものがこの協会の
一つの運動の柱になっている。先ほども
説明がありました。それから省エネルギー、省資源運動。こうした非常に地域的な生活課題の中で、これが重要だということで着目されたのだと思います。こういう着目に対して、地域全体の運動にそれを高めていく、そうした特別な事業を行っていくということを
考えてはどうか。また、そのコミュニティー形成や省エネルギーなどは、たとえば省エネルギーというのは通産省の所管であるとかあるいはコミュニティーということになると自治省の所管であるとかというように、政策担当官庁の政策展開と非常に密接な
関係を持ってくる。こういうことから
考えても、先ほど申し上げましたように、その密接な
関係を持つ担当諸官庁との
関係において、総理府がかなめになってそれを調整していくということが必要ではないか、こういうことも
考えるわけです。
それから、その内容を見て
考えますと、いわゆる官民というものが一体となってやっていく新生活運動もあるでしょうし、官が優先して指導していくものもあるでしょうし、あるいは民が優先して自主的に運動を展開していく、いろいろファクターが
考えられるわけですね。そういうことからも、この予算の執行というものは果たして今日の状態のままでいいのかどうかということになりますと、この際最も
前提となるのは、この運動をどこまで高めていくかという、そういう総理府としての
考え方、との
基本が定まらないと、そうしたところの普遍性というものは決まってこないわけでありますけれども、そういう点を
長官はどのように
考えられておるか。いろいろ申し上げましたけれども、こうしたことを総括して
冒頭にお伺いしたいと思います。