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小渕(正)
委員 それではまた別の機会のところで申し上げたいと思いますが、いずれにいたしましても、中労委を例にとりましても、かなりたくさんの案件を抱えて非常に迅速な処理ができていないというのが現状じゃないかと思います。そういう点で先ほどから
経費の増加になる要因の主なものを聞いたわけでありますが、余りそういった事務費的なことだけでは、現在の山積したああいった案件の処理には、大きく根本的解決にならないのではないかと私は思うのでありますが、この点はまた別の機会で御
意見を申し上げたいと思いますので、一応ここでは省きます。
次に、労災保険法の
事業主負担の保険料率の見直しのあり方といいますか、これは労働行政の中で、要するにこういう事例を一つちょっと御紹介申し上げます。
実は、長崎におけるある中小手の
事業所でございますが、本社は神戸にあるわけでありますけれども、突如として昨年基準局から、いままでの
事業主負担の保険料率が誤りであった、したがって訂正をする、しかもこれはさかのぼって訂正をする。要するに現状では千分の九の保険料率であったわけでありますが、これを千分の十六に訂正せざるを得ない、しかもこれを二年前にさかのぼってやる、そういう一方的通告で、しかも早速これに同意書としてすぐ判を押せ、こういうことが起こったわけでありまして、そういうことから私も相談を受けたわけであります。結果的には、けさ電話がありまして、最終的には現状どおりということになったようでありますが、その間、それを受けた
事業所は、皆さん御承知のように、いまやっと
景気が上向きかどうかわかりませんが、かなり減量経営の中で非常に厳しい操業をやっている中で、しかもそういうものを一方的に押しつけてくる、そういう中で、びっくりして同業の業界の中で話し合って、何とか
対策を立てなければいかぬということで
労働省にも一日参されたと思います。そういうやりくりの結果、最終的にはけさの電話では、一応原状に復すということで、現状どおりでいいからということになったようでありますが、要するにこういった問題、第一線にある労働基準局が、確かに労働基準局というのは監督の立場ですから、どうしても肩ひじ張ってそういうお役人風になるのかもしれませんけれども、まさに今回のそういう例は、昔の代官が年貢を納めろというやり方に等しいようなやり方ではないかと思います。少なくともこういうのが労働行政の中で行われるということは、本当に皆さんから親しまれねばいかぬ
労働省として非常に遺憾なことだと思うのであります。したがいまして、これは問題は解決いたしましたので、あえてそのことは申し上げませんけれども、ただ、そういうことが末端の——末端という言葉は悪いですけれども、第一線のそういうところではこういう事例が行われておるということを、ひとつ
労働省の幹部の皆さん方に十分頭に入れていただきたい。
先ほど私は、
雇用関係のいろいろな
給付状況とその実際の利用
状況とのずれを申し上げましたが、私はこういうことが少なくともそういう要因とは思いません。しかし、やはり全国的な視野で見た場合に、これに類するようなことがあるのではないか。もちろん安定所と基準局とは、やはりこれは仕事の性格がちょっと違いますから、そういう
意味では皆さん方に接している態度から言って、
内容から言っても万々そういうことはないかと思いますけれども、私は、こういう事例があったということを申し上げて、ぜひこれから十分皆さん方の参考にしていただいて、もっともっと本当にそういう
事業主やそれぞれ個々の利用する
人たちから親しまれる、愛される
労働省になっていただきたい、そういうことでこの事例だけを申し上げておきたいと思います。
先ほどからの数字、わかりましたか。