○原
説明員 この
条約が
締結されました時点におきます事情をもう少し
説明させていただきたいと思うのでございますが、
わが国の法律におきまして
海洋投入処分の
規制が行われましたのは四十六年の九月でございますが、
廃棄物の処理及び清掃に関する法律、現在ある法律でございます。これは清掃法から
改正になったわけでございますが、それと
海洋汚染防止法の
改正がございまして、したがいまして、このときに
廃棄物の
海洋投入処分は例外的に認めるということで、
海洋投入処分の
対象とする
廃棄物の範囲は極力限定しようということで、基本的な方針が決まったわけでございます。この際に、水銀でございますとかカドミウムでございますとかそのほか六価クロムでございますとか、そういったものを含みます汚泥につきましては原則的に禁止である、しかし、コンクリート固形化を行いましてこういう有害
物質が漏れないようにした場合には例外的に
海洋投棄を認めるということで、そういうような法制にしたわけでございます。これがその後、
先ほどの
条約の
締結の際、その後でございますが、すでに
わが国といたしましてはそのような形で十分環境に対する配慮は行っておるということで、
先ほど外務省の方からお話がございましたように、非常に微量なものはこういうカドミ、水銀につきましても
海洋投入もやむを得ないというような
立場をとっておるわけでございます。こういうコンクリートで固形化したようなものにつきましては、
海洋汚染という面からはきわめて
影響が少ないであろうということで私どもとしては主張したわけでございまして、その辺は先生のそういう御
指摘、水銀とかそういったものの
投棄が非常にこの
条約の批准をおくらしたのではないかとおっしゃるのは、やや事実と違うのではないかと思うわけでございます。
ただ、補足してちょっと御
説明申し上げさしていただきますと、水銀汚泥のここ数年間の
投棄の実態でございますけれども、これは
先ほど申し上げましたように、限定された水域に
投棄することになっております。A
海域となっておりまして、これは五つの限定された水域がいま指定されております。そこに
投棄されておりますのは、これは
海上保安庁の方も見えておりますから
海上保安庁の方から御
説明の方があるいはいいかもしれませんが、私御
説明いたしますと、四十九年からの資料がございます。四十九年当時は四万七千トンほどこういう水銀を含む汚泥を
投棄しておったわけでございます。それが通産省等の行政指導もございまして、五十三年には二万三千トンほどの投入になって、五十四年には一千トンの投入、五十三年ではもうすでに水銀汚泥はゼロというようなことで、行政指導が十分行われておりまして、先生御心配のようなことはないというふうに考えておるわけでございます。