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草川委員 われわれは
答弁を聞いておりましても非常にいら立ちを感ずるわけですけれども、要するに問題は、根本的には
米国と
イランの
関係なんでしょう。そして、
イランが
人質の問題をやっており
ますけれども、モサデクが出た当時の干渉の問題だとか過去の
米国の対応も間違っていたわけですよ。そういうものにわれわれがいまとばっちりを受けておるという
姿勢を明らかに
外務大臣が示すことが、国民にも非常にわかりやすい問題なんです。
同時に、アラブの方々にとっても、
日本というのは一体どちらを向いておるのか、
アメリカの方に対して経済的なり軍事的な
関係があるということは見ていてもよくわかる、しかし、それにしても、われわれは非常に
日本というのは信頼しておった、あるいは経済的にも大きな交流があるわけだから、もう少しアラブの
気持ちがなぜ理解できないのかということがあるから、どんどんどんどんエスカレートするわけです。
本来ならば、国会審議も大切ですけれども、
外務大臣だとか外務次官なんというのはこういうときにこそ
アメリカに飛び、アラブのいろいろな国々に飛び、仲介の労をとるべきが
日本の役割りではないでしょうか。これがわかることが国民が外務省を信頼することになり、そして中東和平の根本的な問題の解決になると思うのです。そういう
姿勢が全然ない。軸足がどこにあるかわからぬわけでしょう。どっちを向いているかわからぬからわれわれがどういう質問をしたって明快な
答弁が出ない。明快な
答弁を必ずしもわれわれは期待をするわけではないけれども、もっとはっきりする
立場を示すことを国民は期待をしておるわけです。特に今日的な重要な問題ですから。いま
大臣が言われたように、ここの一言が世界じゅうに飛ぶ。世界じゅうに飛ぶことがこわいのではなくて、基本的な
姿勢を明らかにすることがいまわれわれの願いではないだろうか、こう私は思うわけであり
ます。
そして、
EC諸国の話が出ましたが、われわれも現地でいろいろな話を聞いており
ますし、ジスカールさんがいろいろな
意味で湾岸諸国を訪問されて、五月二十六日でござい
ますかパレスチナ問題の和平交渉が行き詰まると見ておるわけでござい
ますが、私はこの和平交渉が行き詰まると、一挙に中東和平の問題はヨーロッパ主導型に移るのではないだろうかと思い
ます。だから、
EC外相
会議が二十一日から開かれると言い
ますけれども、決してそんなに、対米的な追従と言うと言葉が悪いわけですけれども、
アメリカが期待するような
制裁には踏み切らぬと私は見るわけです。素人ではござい
ますが、そういう私なりの判断があるわけですから、もう少しいまはアラブ全体に理解を示す態度を
日本は示した方がいいのではないだろうか、私はこういう意見であり
ます。
さて、きょうは時間がございませんので、ついせんだって大平総理の特使として中東、南西アジアを訪問した園田特使が、三月十八日、
日本記者クラブで講演をしたパレスチナ問題の
発言が、予想外に現地では不評を買っておるわけであり
ます。不評ということよりも怒りに近いものがござい
ます。園田特使はPLO議長のアラファト氏も来日するだろうとか、村田
大使を通じてア首連でいろいろな
動きがあるからということも申し上げておみえになるようですけれども、パレスチナ問題が第二義的な問題であるということ、PLOがこわもてであるというような
発言、いろいろな問題をつくりまして、
日本人の顔を見たくないというぐらいにPLOの本部側は激高いたしており
ます。情報局あるいは政治局の受付の係の人間でも、園田の
発言はノーグッドだ、これはアンチパレスチナだ、そしてそれはアンチジャパンにつながるのではないだろうか、一体
日本は中東というものをどのように理解しておるのかということで、激高というよりも怒り心頭に発しておるという形で、現地に園田
発言というものは伝わっておるわけであり
ます。
ここで一言、園田さんは特別に
外務大臣の辞令を持って中東に特使として行かれ、そして公式の記者会見をやられておるわけであり
ますから、あれはあくまでも
日本政府の
考え方であるのかないのか、明確に御
答弁を願いたいと思い
ます。