○堂ノ脇説明員 お答えいたします。
ニュージーランドとわが国の
関係は、二、三年前には確かに酪農品の輸入問題あるいは漁業問題に
関連しましていろいろ問題が生じたという時期がございました。これは
一つには、ニュージーランドはかつては英連邦諸国の一国としてイギリスとの
経済関係に頼ってきたわけでございますが、英国がECに加盟したりしまして次第にニュージーランドの農産物の輸出といったことを
日本に求めるという傾向が出てきた、そういったことから起こったことかと思いますが、幸いにしまして一昨年来緊密な日・ニュージーランド間のいろいろな機会を通じまして、会合、
会議などを通じまして、このような二国間の貿易問題が逐次改善されまして、今日では大きな懸案はほとんどないという状況になっております。
ちなみに昨年の貿易額は往復で十億ドルを超えておりますし、両国
関係は非常に良好であるということを申し上げることができるかと思います。また、漁業問題につきましても一昨年の九月に漁業
協定が署名されまして、わが国の漁船もニュージーランドの周辺水域で操業を行っているという状況でございます。
このような状況のもとで、大平総理がことしの一月ニュージーランドを訪問されまして、先方のマルドーン首相との間で会談されたわけですが、その際もマルドーン首相は、
日本とニュージーランドの
関係は太平洋における家族的な
関係でなければならない、何か問題があるから両国首脳が会うということではなくて、問題がないときにこそ話し合う必要があるということを言っておられましたけれども、まさしくそういう
関係になりつつあるというふうに考えております。そしてその首脳会談の際に合意されたところに従いまして、
日本とニュージーランドの間でも
経済事務レベル協議を設けてはどうかということになりまして、今月の十日と十一日でございますが、ニュージーランド
政府からラフ大蔵次官、そのほか外務次官、貿易次官などが来られまして、
日本側のカウンターパートとの間で
経済問題につき広く一般的な意見交換をして相互理解を深めるということをいたしました。そういう比較的よい状況に最近ではあるというふうに私どもは認識しております。