○大来
国務大臣 ただいま議題となりました
航空業務に関する
日本国と
フィジーとの間の
協定の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
わが国と
フィジーとの間の直通の
航空業務の開設に関しましては、
昭和四十九年三月に
フィジー政府より航空
協定締結についての
希望が
表明されました。これに対し、
政府といたしましては、同国が南太平洋島嶼諸国を結ぶ航空路の要衝の一つであり、特に
わが国とニュージーランド(オークランド)との航空路の中間地点としての同国の重要性にかんがみ、また、
経済技術協力の分野を中心とした両国
関係が着実に発展してきていることを考慮し、右交渉を行うこととし、本年二月東京において
フィジー政府との間で
協定締結のための交渉を行いました。その結果、本件
協定案文について最終的に合意に達しましたので、本年三月十日スヴァにおいて、わが方大鷹駐
フィジー大使と先方ヴァカトラ観光・運輸・民間航空
大臣との間で署名を行いました。
この
協定は、
わが国と
フィジーとの間の定期
航空業務を開設することを
目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この
協定は、
わが国が署名した航空
協定としては三十四番目のものでありまして、
わが国が従来
締結した多くの航空
協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この
協定は、両国の友好協力
関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易
経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この
協定の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、
航空業務に関する
日本国と
スペインとの間の
協定の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
わが国と
スペインとの間の直通の
航空業務の開設に関しましては、
昭和四十四年以来、
スペイン側より
希望が
表明されてまいりましたが、近年に至り、両国間の貿易、投資等の
経済関係が緊密化し、また、両国間の往来も増加するに及び、
政府は、
協定締結交渉を行うこととし、
昭和五十四年四月以降
スペイン政府との間で本件交渉を行ってまいりました。その結果、本年一月
協定案文につき最終的合意に達しましたので、本年三月十八日マドリッドにおいて、わが方横田駐
スペイン大使と先方プーチ外務次官との間で署名を行いました。
この
協定は、
わが国と
スペインとの間の定期
航空業務を開設することを
目的としておりまして、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この
協定は、
わが国が署名した航空
協定としては三十五番目のものでありまして、
わが国が従来
締結した多くの航空
協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。
この
協定は、両国の友好協力
関係の強化に資するとともに、両国間を直結する航空路を開設することによって、拡大しつつある貿易
経済関係に伴って顕著な増大を見せている両国間の人的及び物的交流の一層の増進に役立つものと期待されます。
よって、ここに、この
協定の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、千九百六十九年の
船舶の
トン数の
測度に関する
国際条約の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
船舶の
トン数は、
船舶の安全規制の適用基準として、また、入港した
船舶に対する課税及び手数料徴収の基準として用いられております。したがいまして、各国の
船舶に対する公正な取り扱いを期するために
トン数の
測度基準を国際的に統一する必要性については、古くから認識されてまいりました。この
条約は、このような認識を背景として、
昭和四十四年六月にロンドンにおいて採択されたものであり、締約国が自国の
船舶の
トン数の算定に関して用いるべき技術的規則を定めるとともに、
条約に従って
トン数の算定が行われたことを証明する証書の発給及び証書の互認等について規定しております。
この
条約には、本年二月二十日現在、四十一カ国が締約国となっておりますが、発効要件は満たされるに至っておりません。
わが国がこの
条約を
締結することは、
船舶の
トン数の
測度基準の統一に関する国際協力を推進するため、また、証書の互認により
船舶の運航上の不便を除去するために有意義であるとともに、海運及び造船の分野において国際的に重要な地位を占める
わが国に対する国際的な期待にこたえるためにもきわめて望ましいと
考えられます。
よって、ここに、この
条約の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、千九百二十八年十一月二十二日に
パリで署名された
国際博覧会に関する
条約を
改正する
議定書の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
この
議定書は、
国際博覧会の秩序ある開催及び運営を確保する
目的をもって作成されました千九百二十八年の
国際博覧会条約の内容を今日の要請に応ずるように
改正し、並びに整合性のある単一の文書を作成するために
昭和四十七年十一月三十日に
パリで作成されたものであります。この
議定書は、現行の
国際博覧会条約の締約国のうち二十九カ国が
締結した日に効力を生ずることになっておりますが、
昭和五十五年三月一日現在二十八カ国が締約国となっておりますので、あと一カ国の
締結をもって発効することになります。
わが国は、
昭和四十年に現行
条約に加入して以来、現行
条約のもとに二回の
国際博覧会を
わが国において開催し、他の締約国において開催されました
国際博覧会にも積極的に参加してまいりました。また、今後筑波において特別博覧会を開催することが
計画されておりますので、
わが国がこの
議定書を
締結することは、
わが国における今後の
国際博覧会の開催について博覧会国際事務局及び各締約国の一層の協力を得るためにもきわめて望ましいと
考えられます。
よって、ここに、この
議定書の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、
特許手続上の
微生物の
寄託の
国際的承認に関する
ブダペスト条約の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
近年における
経済活動の国際的な緊密化及び技術交流の拡大という状況のもとにおきましては、創造的な研究開発の成果を一国においてばかりでなく複数国において保護する必要が痛感されるようになってきております。
微生物に係る特許出願につきましては出願に際し
わが国を含めて多くの国で、
微生物を指定された
寄託機関に
寄託することとされているため、複数国で特許を取得しようとする出願人は、複数の
寄託機関に
微生物を
寄託しなければならず、このことは、出願人にとってかなりの負担となっておりました。
この
条約は、以上のごとき出願人の負担を軽減するために作成され、
昭和五十二年四月二十八日にブダペストで採択されたものであり、一定の要件を満たした
微生物の
寄託機関を国際
寄託当局とし、締約国は、いずれかの国際
寄託当局に対して行った
微生物の
寄託を自国における
特許手続上
承認することを内容としております。
わが国がこの
条約を
締結することにより、
わが国の出願人による
微生物に係る外国特許の出願が容易になる結果、
わが国の
国民が行った研究開発の成果の保護、ひいては研究開発の発展に資することとなります。
よって、ここに、この
条約の
締結について御
承認を求める次第であります。
次に、
絶滅のおそれのある
野生動植物の種の
国際取引に関する
条約の
締結について
承認を求めるの件及び
絶滅のおそれのある
野生動植物の種の
国際取引に関する
条約第十一条3(a)の
改正の
受諾について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
野生動植物は、地球の自然のかけがえのない一部をなすものであり、また、人類にとって大きな価値を有するものでありますが、一部の
野生動植物につきましては、過度に捕獲されまたは採取されましたため
絶滅のおそれが生じているのが現状であります。
絶滅のおそれのある
野生動植物の種の
国際取引に関する
条約は、このような
野生動植物を
国際取引の規制という面から保護することを
目的として
昭和四十八年三月に作成されたものであり、本年二月末日現在、米国、英国、ソ連等五十九カ国が締約国となっております。
この
条約は、
野生動植物の一定の種の個体、部分等の輸出、輸入、再輸出及び海からの持ち込みについて規制するものであり、特に厳重な規制が必要とされます
絶滅のおそれのある種につきましては、商業的
目的のために輸入等を行うことを原則として禁止しております。なお、
政府といたしましては、
条約の規定に基づき、
絶滅のおそれのある種として
条約の附属書1に掲げられておりますナガスクジラ、ジャコウジカ、イリエワニ、ウミガメ科に属する三つの種及びオオトカゲ科に属する三つの種の計九つの種について留保を付することを予定しております。
絶滅のおそれのある
野生動植物の種の
国際取引に関する
条約第十一条3(a)の
改正は、
昭和五十四年六月に西独のボンにおいて開催されました
条約の締約
国会議の特別会合において採択されたものであり、締約
国会議に対し
財政規則を採択する権限を付与することにより
条約実施のための
財政的基盤を確立することを
目的といたしております。
わが国がこの
条約を
締結し及びこの
条約の
改正を
受諾することは、
野生動植物を保護し、
野生動植物が有する価値を将来にわたり維持するための国際協力を推進する見地からきわめて望ましいと
考えられます。
よって、ここに、この
条約の
締結及びこの
条約の
改正の
受諾について御
承認を求める次第であります。
次に、千九百七十九年の
国際天然ゴム協定の
締結について
承認を求めるの件につきまして提案理由を御
説明いたします。
昭和四十八年の石油危機を契機とした一次産品問題に対する国際的な関心の高まりを背景として
昭和五十一年に開催された第四回国際連合貿易開発
会議におきまして、一次産品価格の安定を
目的とした一次産品総合
計画が採択されました。
天然ゴムは、一次産品総合
計画の対象である十八品目の一つでありまして、同
計画のもとで交渉が行われた結果、
昭和五十四年十月六日にこの
協定が採択された次第であります。この
協定は、本年十月一日を発効目標日としております。
この
協定は、天然ゴムの価格が過度に変動することの回避、天然ゴムの輸出による収入の安定、天然ゴムの供給の確保等の
目的を達成するために緩衝在庫を設置し、在庫の適切な運用を行うこと等について定めております。
この
協定の
締結により、天然ゴムの価格が安定し、加盟輸出国に生産の継続に必要な刺激を与え、もって、天然ゴムの継続的な供給が確保されれば、世界第二位の天然ゴムの輸入国たる
わが国に対しても大きな利益をもたらすものと
考えられます。さらに、この
協定は、国際連合貿易開発
会議の一次産品総合
計画のもとで新規に成立した最初の
協定でありまして、
わが国がこの
協定を
締結することは、天然ゴムの主要生産国たるASEAN諸国と
わが国との友好
関係の維持及び増進に貢献することとなるばかりでなく、広く
わが国の南北問題一般に対する積極的な協力姿勢を示す上においても重要な意義を有すると
考えられます。
よって、ここに、この
協定の
締結について御
承認を求めます。
次に、
国際連合工業開発機関憲章の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
国際連合工業開発機関は、開発途上国の工業化を促進することを
目的として国際連合総会が採択した決議に基づき、国際連合の自立的機関として
昭和四十二年に設立されました。
昭和五十年に、ペルーの首都リマにおいて国際連合工業開発機関の第二回総会が開催されまして、新たな国際
経済秩序を確立することを
目的として、開発途上国の工業化の原則を確立し及び工業開発の分野における広範な活動を促進するための工業開発及び工業協力に関するリマ宣言及び行動
計画が採択され、その中で同機関を専門機関に昇格させるべきことが定められました。これに従い憲章作成交渉が行われた結果、
昭和五十四年四月八日にこの憲章が採択された次第であります。この憲章は、本年二月二十六日現在未発効でありますが、七十六カ国が署名を了し、うち七カ国が
締結しております。
この憲章は、国際連合工業開発機関を専門機関に改組し、及びその活動を強化することを
目的としており、機関の
目的及び任務、内部機関の権限、予算の原則等国際機関の設立のための事項について定めております。
この憲章を
締結することは、開発途上国の基本的課題である工業開発の分野における国際協力に貢献する上で、また、開発途上国に対する
わが国の
経済協力を一層積極的に推進する上で有意義であると認められます。
よって、ここに、この憲章の
締結について御
承認を求めます。
最後に、
日本国と
フィリピン共和国との間の
小包郵便約定の
締結について
承認を求めるの件につきまして、提案理由を御
説明いたします。
現行の日比
小包郵便約定は、
昭和三十八年に
締結されて現在に至っております。
一方、
わが国を含む世界の大多数の国が加入している万国郵便連合の連合
小包郵便約定には
フィリピン共和国は未加入でありますが、この連合
小包郵便約定は、現行の日比
小包郵便約定の
締結後、三回にわたって
改正されました。このため、日比
小包郵便約定と連合
小包郵便約定との間には、小包郵便物の取り扱い等に関して不均衡が生じてきております。
以上の状況にかんがみ、
政府といたしましては、
昭和四十九年七月に新たな連合
小包郵便約定が採択された機会をとらえ、現行日比
小包郵便約定の全面的な
改正を行い、両約定間の不均衡をなくすこととし、
昭和五十年四月フィリピン側に対し予備的協議の開始を提案いたしました。その後
昭和五十四年十一月から正式に
改正交渉を行いました結果、約定の最終案文について合意を見るに至りましたので、本年三月二十四日にマニラにおいて、
日本側田中駐比大使とフィリピン側タナベ郵政庁
長官との間で、この約定の署名を行った次第であります。
この約定の主要な
改正点は、現行約定を体系的に整理するとともに、継ぎ越しの権利を規定したこと、小包の航空運送料、通関料、保管料等の料金の額を万国郵便連合の定める最高限度額に結びつけたこと、取り調べ請求等に対する回答を電信によっても行い得るようにしたこと等でありまして、この
改正により、現行日比
小包郵便約定と連合
小包郵便約定との間に従来見られた不均衡をなくし、もって、日比両国間の小包郵便物の
交換業務の一層の円滑化を図りました。
したがいまして、この約定を
締結することは、小包郵便の分野における日比両国の協力
関係の一層の増進に資するものと
考えられます。
よって、ここに、この約定の
締結について御
承認を求める次第であります。
以上十件につき何とぞ御審議の上、速やかに御
承認あらんことを
希望いたします。